NBA

[コラム] 佐々木クリスの2015 NBAプレーオフ大展望

Sporting News Logo

What's up!? みなさんこんにちは、佐々木クリスです。いよいよ待ちに待った2015 NBAプレーオフの出場全チームが決まりましたね。桜の木も新緑が鮮やかなこの季節、気温と期待も高まります。

さて、今回は『NBAシーズン通して贔屓のチームは追っていたけど、プレーオフに出る他のチームってどんなチームなの?』、と思われている方や『シーズン中は結果をフォローするのがメイン。プレーオフから本格的に観る!』といった方のために、気合いを入れて! 全チーム、特徴をまとめましたので参考にしていただければと思います。

チームの紹介に入る前に、今回は細かいスタッツなど少し踏み込んだ内容もあります。いくつかルールとして先に明確にしておきたいのは、今回のコラムでは、オフェンス力(オフェンス・レーティング)=100回の攻撃権(ポゼッション)あたりの得点、ディフェンス力(ディフェンス・レーティング)=100回の相手攻撃権あたりの失点、ペース=48分あたりの攻撃権の数、という指標を元に書かせて頂いております。

また、各カンファレンス順位に合わせての紹介なので対戦表は別の資料を参考にしてくださいね。

今回のプレーオフは拮抗した実力を反映して、シード順位だけでは計り知れない部分もあります、その分ワクワク感も強いですね。それでは全チーム読むも良し、気になるチームだけをチェックももちろんOK! Enjoy!

○イースタン・カンファレンス○

■1位 アトランタ・ホークス(ATL)

8季連続となるプレーオフ進出を早々に決めた今季、開幕前に1位シードを予想した専門家は皆無に等しいサプライズ・チーム。昨年12月の時点でその強さは疑いの余地がなくなった全員バスケ=“東のスパーズ”。それを象徴するようにオールスターに4人輩出、1月の月間MVPにも先発5人が同時受賞するなど、チーム力&統率力がずば抜けている。1月中は無敗でもあった。1996~2013年までサンアントニオ・スパーズに在籍したブデンホルザーHCの手腕はプレーオフでも冴え渡るだろう。

不安なのはリバウンド力。そしてポール・ミルサップの健康状態とデマーレ・キャロルに次ぐ外角ディフェンダー、タボ・セフォローシャの離脱はかなり響くかも知れない。彼のオン/オフ・コート時のチームディフェンス力には100回の攻撃あたり7点もの差がある。対ウェスタン22勝8敗はゴールデンステイト・ウォリアーズ(GSW)に次ぐNBA2番目の高勝率。

■2位 クリーブランド・キャバリアーズ(CLE)

“キング”レブロン・ジェイムズが、いよいよ故郷に錦を飾れるか? 2007年に東を制してファイナル進出したときも2位シードから勝ち上がった。当時はスパーズに破れたが、NBA現役最強、百戦錬磨の彼が率いる限り、可能性は無限だ。年をまたいだレブロンの休息があけ、移籍組と合流した後、1/15からは勝率.786とリーグ最高。

ただシーズンを通したディフェンス力は20位。ファイナル進出となれば平均以下のディフェンス力での進出は2001年のレイカーズ以来となる。注目はレブロンの両脇を固めるケビン・ラブ、カイリー・アービングが初のプレーオフで新次元を目指すこと。カイリーはオールスターやワールドカップでもMVPを獲得しており大舞台の準備は出来ているはずだ。

■3位 シカゴ・ブルズ(CHI)

開幕前は、今季はキャブズとブルズ2強のはずだった。しかし蓋をあけてみれば今季も怪我人が続出……。ただ、デリック・ローズ抜きの戦い方も習得、紆余曲折があっても好順位につけたのはさすが。当初、出場時間に恵まれなかったルーキーでスペインリーグMVP男、ニコラ・ミロティッチの活躍は怪我の功名。ダブルダブル数でNBAをリードするパウ・ガソルやジミー・バトラーの台頭など、新しい風を吹き込み、チームのバランスはオフェンス力10位、ディフェンス力11位と整っている。

ただNBAで唯一、過去4季連続でディフェンス力TOP5に入っていた“ティボドーイズム”は一歩後退したのも事実。プレーオフでのキーマン、ジョアキム・ノアの出場時間制限解除とローズの貢献がなければ、レブロン&キャブズ突破は難しくなる。ミロティッチを除く前記の選手にマイク・ダンリービーを加えた先発で戦えた試合では今季16勝5敗。

■4位 トロント・ラプターズ(TOR)

“We The North”。カナダの期待を一身に背負って、2001年以来のプレーオフ・シリーズをものにしたい。球団史上初の50勝はならなかったが、ホームコート・アドバンテージも獲得した今季は絶好の機会だ。シーズン3位、オールスター以降も7位と上位にあるオフェンスは強力バックコートから。イースタン4位につけているが、オールスター以降は13勝16敗と負け越し。ディフェンスのスペシャリスト、ドウェイン・ケイシーがHCとして率いるものの、ディフェンス力はシーズンを通じて23位と、コーチが求める水準には達していない。

1stラウンドで当たるワシントン・ウィザーズ(WAS)との対戦成績は3勝0敗と分がいい。カイル・ロウリーは腰の怪我から復帰し、最終戦は26得点をあげているが万全か? 彼のジョン・ウォール(WAS)に対するディフェンスが鍵になることは間違いない。 >>>5位のウィザーズ以下&ウェスタン・カンファレンス編はWOWOW NBA ONLINEでチェック!!

文:佐々木クリス( WOWOW NBA ONLINE Twitter: @chrisnewtokyo

※WOWOW NBA ONLINE 4月18日掲載コラム「Vol.167 佐々木クリスが語る『300文字で語るプレーオフ』」より

【関連記事】

[コラム] 佐々木クリスが語る 『マジック・キー』

[コラム] 佐々木クリスが語る 『Emoji世代』

[コラム] 佐々木クリスが語る 『MVP、あなたは誰推し?』

[コラム] 佐々木クリスが語る  『フォア・ザ・レスト(For the Rest)』

[コラム] 佐々木クリスが語る  『東西プレーオフ争いの見どころ』

[コラム] 佐々木クリスが語る  『{ザック・ランドルフ+(レブロン×0.7)}÷2=???』

[コラム] 佐々木クリスが語る 『Doctor J』 後編

[コラム] 佐々木クリスが語る 『Doctor J』 前編

[コラム] 佐々木クリスが語る『NBAの会場に響く温故知新』

[コラム] 佐々木クリスが語る『エアー・カナダ』

[コラム] 佐々木クリスが語る『リーグNo.1のバックコートコンビは!?』

[コラム] 佐々木クリスのクリーブランド&シカゴ取材レポート

[コラム]佐々木クリスの 『ジョン・ウォール来日ツアー リポート ♯2』

[コラム]佐々木クリスの 『ジョン・ウォール来日ツアー リポート ♯1』

著者