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トニー・パーカー離脱にも動じないスパーズ、ファーストオプションはカワイ・レナード

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仮にサンアントニオ・スパーズが問題を抱えているならば、カワイ・レナードが答えを導き出してくれる。

ヒューストン・ロケッツとのNBAプレイオフ2017 ウェスタン・カンファレンス準決勝 第1戦に27点差(99-126)で大敗を喫したスパーズだったが、続く第2戦では直近2シーズン続けて最優秀守備選手賞を受賞しているレナードをジェームズ・ハーデンにぶつけ、ロケッツのオフェンスを封じた。

ハーデンは、レナードの堅守の前にプレイオフ自己最低の13得点に抑えられた。ハーデンに仕事をさせなかったスパーズが121-96で快勝し、シリーズ対戦成績を1勝1敗のイーブンに戻している。

ハーデン対策を完璧に実行したレナードには、第3戦から異なる役割が与えられるだろう。第2戦で左大腿四頭筋の腱を断裂する重傷を負ったトニー・パーカーの今季残り試合欠場が発表されたことを受け、第3戦からはレナードがボールハンドラーとしての役割を担う可能性が高い。

ベテランのマヌ・ジノビリは『San Antonio Express-News』に対し「これまでと違って、今はカワイを軸にハイピック・アンド・ロールからチャンスを作っている」と話している。

「つまり、チームメイトのチャンスを生み出し、ピック・アンド・ロールを操るポイントガードを昔ほど必要としていないんだ」。

ロケッツとの第2戦で、レナードはボールハンドラーとしての能力の高さも発揮した。FG16本中13本成功を含むゲーム最多の34得点を記録しただけでなく、自己最多となる8アシストをマーク。第2戦では、ハイピック・アンド・ロールから自由自在にペイント内にアタックし続けた。

仮にロケッツが第3戦からレナードへのスウィッチを多用する場合でも、レナードにはプレイオフ2017でリーグ最高の成功率(62.7%)を記録しているミッドレンジジャンプショットという大きな武器がある。プレイオフを通じてプルアップシュートからの得点も伸ばしているレナードは、同ショットから平均9.9得点を記録。この数字を上回るのはゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリー(12得点)しかいない。

今季残り試合を欠場することになったパーカーは、レギュラーシーズンではNBAキャリア16年で2番目に低い平均10.1得点に終わったものの、プレイオフでは8試合で15.9得点を記録し、復調の兆しを見せていた。第2戦でも負傷交代を余儀なくされた第4クォーター残り8分43秒までに18得点を記録するなど、オフェンスの中心を担う一人だったが、スパーズにとってパーカーの離脱は初めての経験ではない。パーカーはレギュラーシーズンで19試合を欠場したが、その間チームは15勝4敗という成績を残した。

ひょっとすると、グレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチは、新人のデジャンテ・マレーを先発に起用するかもしれない。プレイオフ8試合でわずか22分しか出場時間を与えられていないが、リーチがあり、身体能力に優れるマレーは、スパーズにとって選択肢の一つになり得る。マレーは、パーカーが体調不良で欠場した1月中旬に出場時間が増え、チームが5連勝を記録した間に4試合で起用され、平均13.2得点、3アシストを記録した。

原文:NBA playoffs 2017: With Tony Parker out, expect more Kawhi Leonard as Spurs' top ballhandler by Nick Birdsong/Sporting News(抄訳)


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