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ゴードン・ヘイワードの慰留をオフの最優先事項に掲げるジャズGM「彼には残ってもらいたい」

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ユタ・ジャズからオールNBAチームに選出された選手がいても驚きではない。だが、選出されたのがオールスター選手のゴードン・ヘイワードではなく、センターのルディ・ゴベール(セカンドチーム)だったことはサプライズだった。

今オフに契約最終年を破棄して無制限フリーエージェントになることが確実視されているヘイワードについて、ジャズGMのデニス・リンジーが同選手の慰留をオフの最優先事項に掲げていると、『The Salt Lake Tribune』のトニー・ジョーンズ記者が伝えている。


「今夏最大の課題は、戦力の維持」と、リンジーは5月18日(日本時間19日)にリポーターに語った。ゴールデンステイト・ウォリアーズとのNBAプレイオフ2017 ウェスタン・カンファレンス準決勝敗退後、はじめてメディアの前に現れたリンジーは「戦力を維持しつつ、補強を進めたい」と続けた。

ジャズは今年のドラフト1巡目指名権2枠(24位と30位)を含め、指名権を4枠保持している。リンジーは、今年のドラフトには才能に溢れた選手が多くエントリーしていると感じ、7月1日(同2日)までに使えるキャップスペースの空きが1300万ドル(約14億4500万円)もあるため、指名権を行使するつもりなのだろう。また、来年のドラフトでは1巡目指名権を2枠獲得できる可能性もある。ホームアリーナの改修工事も進行中で、オーナーグループのミラー一家からは、チーム強化に向け、資金面でのバックアップも制限なしで約束されている。

リンジーは、現在のチームの可能性について「ウェストの3位シードの力があると感じている。今季取りこぼした試合もあった。それがシード順に影響を与えたが、我々はシード順より選手の健康状態を優先したかった」と語った。

ジャズを取り巻く状況は全て前向きのように見える。だが果たして、ボストン・セルティックスも参戦すると言われているヘイワード争奪戦に勝つのに十分なのだろうか?

今年のドラフト全体1位指名権を獲得したセルティックスには、複数の選択肢が存在する。指名権と交換でシカゴ・ブルズのエース、ジミー・バトラー級の選手をトレードで獲得するか、もしくはワシントン大学のポイントガード、マーケル・フルツを全体1位で指名するか、だ。ヘイワードがオールNBAチームから落選したことで、ジャズは同選手とスーパーマックス契約を結べなくなった。つまり、金銭面での圧倒的なアドバンテージが減少したということ。

この点を当然リンジーも理解しているものの、ジャズにはヘイワードを1年目から成長させた自負がある。また、ヘイワードと彼の家族と良好な関係、プロフェッショナルな関係を築けているという確信がある。今季のセルティックスと同様、ジャズもレギュラーシーズンで50勝ラインを突破した。中心選手もまだ若く、このまま成長を続けていければ、近い将来、ウェストのトップをウォリアーズと争えると感じている。

リンジーは「何も言わなくとも、球団の端から端に至るまで、ゴードンに残って欲しいと思っている」と言う。

今夏ジャズからFAになるのはヘイワードだけではない。今季キャリアハイの平均16.9得点を記録しながら、つま先の負傷によりプレイオフ中に離脱したポイントガードのジョージ・ヒルも無制限FAになる。リンジーはヒルの残留を希望しているが、同選手ほどの成績を残しているベテランならば、今年の移籍マーケットでは大金を得られることも理解している。

リンジーは「ジョージはチームにフィットしている」と言う。

「彼にも残ってもらいたい。まずは休んで、けがを治してから、彼とは心を開いた状態で正直な話し合いをしたい。ジョージは素晴らしい選手で、素晴らしい人物だ。彼は私にとって自慢の選手の一人で、喜びのもとでもある。仮に他チームから驚くような高額オファーを提示され、移籍したとしても、我々の彼に対する評価は一切変わらない。ただ、7月には、お互いが、お互いにとってベストオプションになれる可能性は残されている」。

そのほかにも、チームにとって価値のあるプレイを実行してくれるシューティングガードのジョー・イングルズもFAになるが、彼の場合は制限付きFAなため、他チームからオファーが届いてもジャズはマッチが可能だ。そしてなによりも、ジャズもイングルズ側も、再契約を希望していると見られている。

原文:Keeping Hayward job No. 1 for Jazz's Lindsey by NBA.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ