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[西決勝第5戦プレビュー] ロケッツ対ウォリアーズ

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この8か月間の努力が、水泡に帰するかもしれなかった。

ウェスタン・カンファレンス1位でレギュラーシーズンを終え、40年ぶりのNBAファイナル進出に王手をかけているゴールデンステイト・ウォリアーズ。エースとしてチームを引っ張るステファン・カリーにアクシデントが発生したのは、25日(日本時間26日)に行なわれたヒューストン・ロケッツとのウェスタン・カンファレンス決勝第4戦のことだった。

同試合の第2クォーター、トレバー・アリーザのレイアップを防ごうと飛び上がったカリーは、アリーザがカリーの動きに気付いて立ち止まったため、勢いがついたカリーはバランスを失い、頭からコートに落下。しばらく動けず、ウォリアーズ選手、スタッフ全員の背筋を凍らせた。だが、カリーはリーグが定める脳震盪の検査をパスし、後半から試合に復帰した。スティーブ・カーHCによれば、ヒューストンからホームに戻る際も問題はなかったようで、27日(同28日)の第5戦にも出場できる状態だという。最悪の事態を回避したウォリアーズとカリーが、ホームでファイナル進出を決めにかかる。

一方のロケッツは、第4戦に128-115で勝利したが、圧倒的に不利な状況に変わりはない。

ジェイムズ・ハーデンが45点をあげて一矢報いたものの、大逆転勝利を収めるには、ホームでの勝利はもちろん、敵地でもウォリアーズから2勝あげなければならない。今季のウォリアーズは、プレーオフの試合も含め、ホームで45勝3敗と圧倒的な強さを発揮している。オラクル・アリーナは、ロケッツにとって鬼門の会場で、2013年12月13日を最後に勝てていない。

それでもロケッツは、今の状況に恐れをなしていないだろう。その驚異的な粘り強さは、ロサンゼルス・クリッパーズとの同カンファレンス準決勝で証明済みだ。ロケッツはクリッパーズとのシリーズで1勝3敗と追い詰められてから逆転したNBA史上9例目のチームとなっている。

ウォリアーズも、そしてロケッツも、一戦必勝という気持ちで明日の第5戦に臨むだろう。勝利への思いがより強いほうに、勝利の女神は微笑むはずだ。

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