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コーチKの期待を上回るディアンドレ・ジョーダン

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現地7月24日(日本時間25日)に行なわれた男子バスケットボールのエキシビションマッチ、アメリカ代表対中国代表の試合で、アメリカは106-57で大勝を収めた。その試合前、ディアンドレ・ジョーダンは、代表ヘッドコーチの“コーチK”ことマイク・シャシェフスキーに、こう冗談を言われていたという。

「もし試合開始後30秒間に何かしなかったら、交代だぞ」。

ステイプルズ・センターの熱狂的な観衆から盛大な歓声を受けたジョーダンは、試合開始後もファンのボルテージをキープし続けた。それだけでなく、試合開始後の30秒間も最大限に活躍して見せた。中国の最初のシュートをブロックし、オフェンスでは豪快なアリウープを叩き込んだ。

「とりあえず何かしてみようと思ったんだよ」。

最初の30秒間について聞かれ、こう答えたジョーダンは、アメリカ代表として初めての先発出場を果たした。

「ただ自分らしくプレイしようと思ったんだ。相手の選手のプレイを制限して、シュートを妨げ、オフェンスではひたすら走った。自分らしく、チームを助けようとしたんだ」。

この活躍はシーズン中であれば、所属するロサンゼルス・クリッパーズで見られるものである。だが今回は、12得点、5リバウンド、3ブロック、2スティール、2アシストと、チームUSAに大きく貢献した。

ジョーダンはまるで常にリングの上でプレイし続けているかのように空中戦を展開し、観客を盛り上げた。複数回決めたダンクうちの一つは、カイル・ラウリーからのインバウンドパスを受けて直接叩き込んだものだった。

試合中には左手でのベビーフックなどオフェンスバリエーションの成長ぶりを見せつけるだけでなく、スクリーンをセットしてシューターにフリーの状況をお膳立てした。普段ならその対象はJ.J.・レディックだが、今回はクレイ・トンプソンだ。

これらの要素は、ジョーダンがアメリカ代表に選ばれる前からシャシェフスキーHCがすでに知っていたものだ。しかしこのセンターについてより多くのことを知りたかったシャシェフスキーHCは、ジョーダンのチームメイトであり、デューク大学出身でもあるJ.J.・レディックに、ジョーダンについて尋ねていたという。

「J.J.はこう言っていたよ。『彼は今までのチームメイトの中で最高の男だよ』ってね。そしてJ.J.の言ったことは間違っていなかった」。

しかしそれだけではなく、ジョーダンが有する素質はあらゆる面でシャシェフスキーHCの予想を上回っていたという。

「彼のことはテレビで見るだけで、直接会ったことはなかった。だが、彼はテレビやテープで見るよりずっと良い。彼は現在のリーグで最も素晴らしい選手の一人で、素晴らしいチームメイトだ。彼は汚れ仕事を進んで引き受け、それだけでなく、最高のレベルでこなしてくれる。彼は特別な選手だ」。

クリッパーズのチームメイトはこれまでも、ジョーダンの実力、そして性格面での素晴らしさを知っていた。しかし、今回はナショナルチームの一員としてオリンピックの舞台でそれを証明する必要がある。素晴らしい名誉であり、ジョーダン自身はこれを当然のことと捉えてはいないようだ。

「子供のころに“ドリームチーム”を見た瞬間からずっとこのときを夢に見ていたんだ」。

そしてジョーダンはそのチャンスを十分に生かしている。26日(同27日)にアメリカ代表と中国代表はオラクル・アリーナで再度試合を行なうが、そこでもジョーダンはこの働きを継続したいと意気込んでいるようだ。その後、アメリカ代表はシカゴにトレーニングの拠点を移すことになっている。

「この代表チームに属する多くが、一人ひとり自分の実力を証明すると意気込んでいる。これはクリッパーズやデューク大といった、個別のチーム規模の問題じゃない。もっとスケールの大きなことなんだ。何にも増して大きな出来事なんだよ」。

原文: Coach K: As Good As I Thought Jordan Was, He’s Better by Rowan Kavner/Clippers.com
翻訳: 藤澤宗一郎

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