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2016 NBAファイナル第3戦プレビュー:2連敗のキャブズにとって必勝の一戦

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1勝1敗のイーブンで第3戦を迎えた昨年のNBAファイナルと違って今年はよもやの2連敗を喫したからなのか、クリーブランド・キャバリアーズのレブロン・ジェームズは、一際強いメッセージを発した。

「第3戦は、生きるか、死ぬかの戦い」。

ゴールデンステイト・ウォリアーズとの第1戦は、軽率なターンオーバーからの失点で敗れ、第2戦は序盤からリードを広げられ、33点差(77-110)の完敗。自身にとって6年連続となるファイナル進出を果たしたジェームズは、2連敗後の第3戦を絶対に落とせないことを理解している。

試合前日の練習後の会見で、第3戦ではこれまでよりアグレッシブにプレイする必要があるかを聞かれると、ジェームズはこう答えた。

「僕に関して言えば、チームが勝つためなら何でもする。オフェンスも、ディフェンスも、チームメイトをプレイに参加させること、リバウンド、すべてをやるから、自分のプレイがある方向にだけ偏るということはないね。僕はピュアスコアラーではないし、アシストだけの選手でもない。リバウンド専任でもない。すべてをこなす」。

ジェームズのリーダーシップ以外にも、キャブズには頼もしい味方がいる。本拠地クイックン・ローンズ・アリーナのファンが、今後2試合は常に背中を押してくれる。ウォリアーズが本拠地オラクル・アリーナで試合序盤からリズムに乗ったように、キャブズもまた、地元の声援を力に変え、相手を圧倒してホームコートを守らなければいけない。

キャブズはここまで、今プレイオフのホームゲームで全勝している。トリスタン・トンプソンは、「ホームでは素晴らしい成績を残しているし、僕たちはお互いのプレイを力に変えている。興奮しているよ」と、決戦を前に意気込みを見せている。

第2戦で脳しんとうを起こしたケビン・ラブがもし第3戦を欠場することになれば、トンプソンの働きはさらに重要になる。昨ファイナルと同様、インサイドで一騎当千の活躍を見せる必要があるだろう。そうでなければ、今のウォリアーズの勢いを止めるのは至難の業だ。

また、ファイナル最初の2試合で3ポイントシュート44本中12本の成功に終わっているキャブズのアウトサイドシュートの復調も欠かせない。ディフェンスで奮闘しているJ.R.・スミスが、持ち味の3Pでも貢献する場面が必要だ。

一方、2連覇を目指す王者ウォリアーズは、2連勝と幸先良い形で敵地に乗り込む。昨ファイナルを振り返ってみると、ウォリアーズは敵地で2勝を記録するなど、クイックン・ローンズ・アリーナに対する苦手意識はないように見える。

同会場で行なわれた昨ファイナル第6戦で、ウォリアーズは40年ぶりの優勝を飾った。この試合では、アンドレ・イグダーラが25得点を記録し、ファイナルMVPに輝いている。同じく、この第6戦でフィールドゴール6本中4本の10得点をあげて優勝に貢献したショーン・リビングストンら経験豊富なベテラン勢は、100%アウェイという状況でも、勝負所でビッグプレイを決められる強靭なメンタルの持ち主だ。

必勝の一戦でキャブズが初勝利をもぎ取るのか、はたまたウォリアーズが3連勝で連覇に王手をかけるのか?

2016 NBAファイナル第3戦は、6月8日(日本時間9日 午前10時~)に行なわれる。


[特集]2016 NBAファイナル: ウォリアーズ vs キャブズ


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ