クリーブランド・キャバリアーズはレギュラーシーズンの終盤、イースタン・カンファレンスのシード権を気にしていないかのように、守備が緩くなって停滞した。だが、プレイオフが始まってみれば、ゴールデンステイト・ウォリアーズが12連勝で、キャバリアーズが12勝1敗だ。
ステフィン・カリーのじん帯やカイリー・アービングの膝頭、ケビン・ラブの肩が大きなケガに見舞われることはなかった。テクニカルファウルの大きな問題もない。ドレイモンド・グリーンのテクニカルファウルは2つと、1試合の出場停止につながる7つまでまだ5つも余裕がある。
では、3年連続の顔合わせとなる過去2年の王者たちの勝負がどうなるかをみてみよう。
1. ケビン・デュラントをマークするのは?
まず始めるべきはKD(デュラント)からだ。昨季、この場にいなかった選手で、すでに今年ウォリアーズを下馬評で有利に導いているのが彼である。キャバリアーズの選択肢は多くない。
デュラントのマークに長くレブロン・ジェームズをあて、コートの至るところで追いかけまわさせることはできない。それでは第4戦までに消耗してしまう。昨年、キャバリアーズはジェームズを守備の中心にしてハリソン・バーンズを抑えた(フィールドゴール71本中29本成功、最後の3試合は32本中5本成功)。だが今回、これは選択肢にならない。デュラントのプレイオフでのフィールドゴール成功率は55.6%、3ポイントショット成功率は41.7%だ。
今季のキャバリアーズとのレギュラーシーズン2試合で、デュラントは平均28.5得点、FG成功率51.3%を記録した。
おそらく、最初はジェームズが彼につくだろう。だが、ラブやイマン・シャンパート、そしてほかの選手たちと順番に替わっていくはずだ。それでも、シリーズを通じてキャバリアーズにとって大きな問題となるだろう。
反対に、ウォリアーズにはジェームズにぶつけるより良い選択肢がある。デュラントのほかに、グリーンやアンドレ・イグダーラがいる。キャバリアーズにとってジェームズがより有益なのは、スコアラーとしてよりもパサーとしての役割だ。ウォリアーズに必要なのは、彼の得点よりも彼のパスを止めることになる。
2. トランジションチーム
ウォリアーズは速攻からの得点がレギュラーシーズン平均22.6得点、プレイオフ平均20.7得点とリーグ最多の数字だ。だが、キャバリアーズはレギュラーシーズンよりプレイオフに入り、守備でのトランジションがより優れている。ポストシーズンでは速攻から許したのが平均10.2得点だ。
さらに、カンファレンス決勝ではトランジションが遅いボストン・セルティックスを相手に速攻から平均14得点をマークした。ウォリアーズ相手でも、キャバリアーズはこの数字を保てるだろうか。レギュラーシーズンでは、ウォリアーズがキャバリアーズを53-16とトランジションで圧倒している。
3. トリスタン・トンプソン
キャバリアーズのセンターはポストシーズンで平均9.2得点、9.3リバウンドとダブルダブルに近い数字を残している。ザザ・パチューリアはポストで堅固なディフェンダーだが、攻撃面でトンプソンを抑えるだけのバネがない。
つまりこれは、ファイナルでジャベール・マギーが使われるかもしれないということだ。こう書くことになるとは思ってもいなかったが、それが事実だ。
原文:10 storylines to follow as Cleveland Cavaliers, Golden State Warriors ready for Round 3 by David Aldridge/NBA.com(抄訳)