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[ダンクコンテスト展望] 本命Z・ラビーンをはじめフレッシュなメンツが揃う (杉浦大介)

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2015 Sprite slam dunk preview

ビンス・カーターが伝説的なパフォーマンスを見せた2000年のコンテストからちょうど15年———。

今も昔もオールスター・サタデーの華であり続けてきた『Sprite スラムダンク』(通称ダンクコンテスト)に、今年はフレッシュなメンバーが出揃った。

現地14日にバークレイズ・センターで行なわれる今大会の出場選手は、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、メイソン・プラムリー(ブルックリン・ネッツ)、ザック・ラビーン(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、ビクター・オラディポ(オーランド・マジック)の4人。全員が初出場だけに、誰が勝っても新ダンク王が誕生することになる。

同12日の夜の時点のラスベガスのオッズではラビーンが本命で、以降はアデトクンボ、オラディポ、プラムリーと続く。

垂直跳び44インチという異常なまでのジャンプ力を武器に、シーズン中からアクロバティックなダンクでファンを沸かせてきたラビーンが優勝候補という声に異論のあるファンは少ないだろう。

「夢のようだよ。子供の頃からマイケル・ジョーダン、コービー・ブライアント、ビンス・カーターらがダンクコンテストで競うのを見てきた。その大会にこうして1年目で出場できるなんて最高だ」。

そんな初々しいコメントを残すラビーンは、NBA入り前からプロアマ大会などでも大技を披露し、知る人ぞ知る超絶ダンカーとして名を馳せていた。土曜日のコンテストが終わる頃には、全国区の存在に躍進していても驚くべきではない。

一方、“ザ・グリーク・フリーク”というキャッチーなニックネームで売り出し中のアデトクンボがどんなダンクで魅せるかにも注目が集まる。

今シーズン前半戦では、類い稀なリーチとストライドから繰り出されるアデトクンボのダンクがソーシャルメディア上などで話題になることが多かった。大舞台でのカギは、恵まれたウィングスパンを生かした技で迫力をアピールできるかどうか。一般的な知名度ではラビーンを上回るだけに、アデトクンボが予想を覆して王者に就任しても大番狂わせとは言えない。

また、今回のコンテストの賞金をチャリティに寄付することを約束しているオラディポ、地元の声援を一身に受けるプラムリーがどんなクリエイティブな技を披露するかも気にかかる。

タイプの違う4人が揃っただけに、後まで語り継がれるような話題豊富なコンテストが展開される可能性も十分だ。

15年前のカーターを彷彿させるような、衝撃的かつダイナミックな新王者の誕生を待ちたいところである。


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著者
杉浦大介 Daisuke Sugiura Photo

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。