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田臥勇太がBリーグとソフトバンクの会見に出席「世界に通じる日本のバスケットを作り上げていかないといけない」

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B.League Softbank Yuta Tabuse

3月10日、一般社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグと通信大手のソフトバンク株式会社がコンラッド東京(東京都港区)で会見を開き、ソフトバンクが2016年秋に開幕するB.LEAGUE(以下、Bリーグ)の「トップパートナー」となることを発表した。

発表会見には、日本バスケットボール協会会長/Bリーグ名誉会員の川淵三郎氏、ソフトバンクグループの孫正義代表らのほか、かつてNBAフェニックス・サンズでプレイし、現在はNBLリンク栃木ブレックス(Bリーグ1部リーグ配属予定)に所属する日本代表候補、田臥勇太も出席した。2004年にサンズで日本人として初めてNBA公式戦のコートに立った田臥は、新リーグ誕生、男子日本代表のリオデジャネイロ・オリンピック最終予選出場権獲得、新リーグのメインスポンサー決定と、追い風の吹く日本バスケットボール界の中心選手としての立場から、「本当に幸せ」と現在の状況に対する喜びを語った。

「川淵会長をはじめ、いろんな方々が日本のバスケットボール界のためにはたらきかけてくれている。ソフトバンクの孫代表を含め、こうして強力なサポートをしていただいて、プレイヤーとして本当に幸せ。こういう土台ができていく中で、プレイヤーとしては、世界に通じる日本のバスケットというものを作り上げていかないといけない、と今日改めて強く思いました」。

会見ではソフトバンクがBリーグの最上位スポンサーであるトップパートナーに決定したことに加え、同社がBリーグの1部と2部の全試合をライブ配信することも併せて発表された。

田臥は、会見の質疑応答でソーシャルメディアに対する期待について聞かれると、「お二方(川淵、孫両氏)の話を聞いていて、バスケット界がこんなにも変わるんだ、いろんな可能性を秘めているんだな、ということを感じます」と語っている。

「試合に来ていただいて観てもらうことが一番なんですけど、どうしても試合を観られない方もいらっしゃると思います。そういう方にソーシャルメディアを通じて試合を観ていただけたら嬉しい」。

さらに田臥は選手としての観点からも、そうしたテクノロジーが持つ可能性に魅力を感じていることを付け加えている。

「選手としても、スカウティングだったりいろんな面で役立つ部分があるなと思いました。いろんなことが可能になるということが非常に楽しみです」。


会見には田臥、川淵会長、孫代表のほか、お笑い芸人のハリセンボン、白戸家のお父さん(犬)、Pepper(ロボット)も登場 Photo by NBA Japan/Perform

なお、日刊スポーツが関係者の話として報じたところによると、ソフトバンクのBリーグへの出資額は4年間合計125億円になるという。多額の資金を確保したことで、川淵氏は「一番の心配はトップパートナーがどこに決まるかということだった。今回トントン拍子で孫さんとの話が決まって、『夢のようだ』という言い方は言いすぎかもしれないけれど、本当にそういう感じ」と、胸を撫で下ろした様子だった。

今後、強力なサポートを得たBリーグと各所属クラブが国際的なコネクションを構築することができれば、元NBA選手の肩書を持つような有名選手がBリーグでプレイする可能性もあるだろう。逆に、「世界に通用する選手の輩出」を掲げるBリーグから、将来的にNBAを含む海外のプロリーグへ日本人選手が巣立っていく可能性もあるはずだ。現段階ではあくまで想像の域を出ない話とはいえ、リーグの立ち上げ以来、未知なる可能性を示し続けているBリーグは、日本のNBAファンにとっても注目の存在であり続けるに違いない。

取材・文:及川卓磨(NBA Japan編集長) Twitter: @oitaku

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ