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[インタビュー]田臥勇太「全ての選手が改めてプロ意識を持つきっかけになった」 - Presented by NBA 2K17(西尾瑞穂)

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リンク栃木ブレックスの田臥勇太選手に『NBA 2K17』のことやNBAのこと、そしてB.LEAGUEや日本バスケのことまで、様々な質問をぶつけた。


――『NBA 2K17』は「Authenticity」というコンセプトのもと、音に大変こだわっています。制作チームが全てのアリーナを回って、床の音やショットクロックのブザーの音や観客の声援を収録して、徹底してリアリティを追求しました。それらの“こだわりポイント”の中で、田臥選手のイチ押しポイントはどれでしょうか?

ショットクロックのブザーの音がアリーナ毎に違うというのは、実際にアリーナに足を運ばないとわからないことなので、それをゲームで体験できるというのは非常に魅力的だと感じました。

――NBA 2K17は、全ての選手をフル・ボディ・スキャンするのはもちろんのこと、シューズも3Dスキャンを使ってよりリアルに再現しています。プロバスケットボール選手であり、NBA 2Kシリーズのユーザーでもある田臥選手の視点から、「次はここをリアルに再現ししたら面白そう!」というご提案はありますか?

ウォームアップウェアの着方だとか、ヘッドフォンの着け方といった、試合以外の部分も選手によって違うので、面白いと思います。それから、NBAにいた頃、選手たちが凄い高級車に乗って会場入りする光景に驚かされたので、そういった裏側の部分まで再現すると、NBA選手の凄さがより伝わると思います。

――今作の「MyCAREER」モードのテーマの1つは「Dynamic Duo」ということで、仲の良いチームメイトとコンビを組み、ケミストリーを上げていくことで、より高度なプレイが可能になります。田臥選手はMyCAREERモードでどのチームに入団して、どの選手とDynamic Duoを結成したいですか?

それは贅沢ですね(笑)。やっぱり自分はパスが好きなので、得点をとってくれる選手とコンビを組みたいと思うんですけど、今のNBAだとボストン・セルティックスのアイザイア・トーマスが見ていて面白い選手なので、一緒にプレイして、彼が僕のパスを受けて得点してくれたら楽しいのかなと思います。小さい選手だから逆に面白そうです。昨年のインタビューでもトーマスに注目していると言いましたが、今シーズンのトーマスはさらに活躍しているので、見ていて楽しい選手です。

――NBA 2K17では、ユニフォームを引っ張ったり、少し体を接触させて相手のスピードを落としたり、ドリブルのリズムを狂わせることも可能になり、そのリアルな挙動が多くのNBA2Kユーザーを苦しめています。田臥選手がNBAでプレイしたときも、そういった細かな身体接触やダーティーなプレイに苦しめられましたか? どうやってアジャストしましたか?

やられたらやり返すというメンタルは必要ですが、フィジカル面で対抗するのは難しいですし、ダーティーなプレイをいちいち気にしていても仕方がないので、相手のそういったプレイを気にせずに次に進むことを意識しました。また、そういったダーティーなプレイを上手くかわすようにしました。上手くかわすことで、余計に相手を苛立たせることもできますからね。

――NBAオールスター開催中の2月17日(現地時間)に、オールスター開催地のニューオーリンズでNBA2Kトーナメントの決勝戦が開催され、優勝賞金25万ドル(約2800万円)をかけた熱戦を、ストリーミング中継を介して世界中で200万人以上のNBA2Kファンが観戦しました。そして、3月12日にはNBA2Kジャパントーナメントも控えています。今まで数々のトーナメントを戦ってきた田臥選手の、トーナメントを勝ち抜くためのメンタル維持の秘訣を教えてください。

トーナメントは一発勝負なので、「次の試合でアジャストしよう」といった考えは持たず、一つひとつの試合に全力を注ぐことが大事です。後のことは考えず、1戦1戦に集中してください。

――昨年のインタビューでNBA 2K17のカバーアスリートを予想していただいた際、田臥選手は、本命にステフィン・カリーを、大穴にクリスタプス・ポルジンギスの名前を挙げました。NBA 2K17ではポール・ジョージが採用されましたが、ポルジンギスは今回のNBAオールスターのスキルズチャレンジで優勝しましたし、次こそは彼がカバーアスリートになると思いますか? それとも別の選手を予想されますか?

今作のカバーアスリートがポール・ジョージになったのは意外でした(笑)。今回はなんとか当てにいきたいと思います! ジミー・バトラーはまだのような気がするし……。1作目から今作までの傾向を見ると、アメリカ人の選手がカバーを飾っているようなので……カイリー・アービングにします!!

Yuta Tabuse 田臥勇太

――2016-17シーズンのNBAのここまでを振り返って、どのような印象をお持ちですか?

チームとして注目しているのは、やはりセルティックスです。アイザイア・トーマスが良いのはもちろん、アル・ホーフォードが加入した以外はほとんどロスターに手を加えず、チームとしてどんどん調子を上げているので、プレイオフが本当に楽しみです。予想外に苦戦しているのはニューヨーク・ニックスですね。ただ、チームが良くなくても話題になるのは、さすがニューヨークといったところですが。ウエスタン・カンファレンスは今のところ概ね順当だと思います。

――今シーズン、トリプルダブルを連発しているラッセル・ウェストブルックや、ヒューストン・ロケッツの躍進を支えるジェームズ・ハーデンについてはどうでしょう?

特にロケッツに関しては、マイク・ダントーニのバスケットが完全にマッチして、選手たちが伸び伸びとプレイしている印象です。ライアン・アンダーソンも気持ちよく3ポイントシュートを打っていますし。「そのシュートが入れば勝てるし、入らなければ勝てない」という腹のくくり方が面白いですね。ロケッツは今シーズンのダークホースだと思います。

――開幕前にNBA 2K17の制作チームが何度もシミュレーションした結果、大きな怪我やトレードがない限り、NBAファイナルはクリーブランド・キャバリアーズとゴールデンステイト・ウォリアーズの再戦になり、ウォリアーズが優勝する可能性が高いと出たそうです。田臥選手は、今シーズンのNBAファイナルの組み合わせと優勝チームはどこになると予想されますか?

キャブズにはデロン・ウィリアムズとアンドリュー・ボーガットが入りましたし、順当にいけばキャブズとウォリアーズだと思いますし、その2チームの再戦が見たいですね。優勝チームは、ウォリアーズだと思います。

――B.LEAGUEになって初めてのシーズンも佳境を迎えています。開幕からここまでのシーズンを振り返って、NBL時代と比べてどのような変化を感じましたか?

B.LEAGUEになって、メディアで取り上げていただく機会も増えましたし、注目のされ方が変わったので、全ての選手がプロ意識を改めて持つきっかけになったと感じています。

――昨年のインタビューでは、B.LEAGUEの抱負として「ファンがワクワクするようなアリーナにしたい」というお話をされていました。B.LEAGUEになって、各チームのアリーナの雰囲気は変わりましたか?

ホームでもアウェイでも、行く先々でそれぞれのチームが試行錯誤して、アイデアをいろいろ出し合っているのが凄く伝わってきます。嬉しいことに、どこに試合に行ってもたくさんお客さんが来てくれますし、今まで自分が行ったことがないチームのアリーナで試合ができることも、B.LEAGUEになって良かったことだと思います。

――B.LEAGUEの開幕戦やオールスターゲームは非常に華やかな演出で、アリーナを訪れたファンもテレビで観戦したファンもワクワクして興奮したと思います。はじめてのB.LEAGUEオールスターゲームでプレイした感想を聞かせてください。

B.LEAGUEの開幕戦もオールスターも凄く華やかな演出で、選手として嬉しく思いましたし、「こんな演出ができるんだ!」という可能性を感じました。これをきっかけに、選手もファンも楽しめる試合をどんどん作っていきたいと思いました。

――NBAでプレイ経験のある外国人選手が続々とB.LEAGUE入りしています。東地区の1位争いをしているアルバルク東京には、ディアンテ・ギャレットに加え、サンアントニオ・スパーズ時代にNBAチャンピオンになったジェフリー・エアーズも加入しました。彼らに対して特別な対策をとる必要はあるでしょうか?

NBA経験がある選手は技術も高いので対策を練るのは大変ですが、個人での対策を考えるのではなく、チームとしていかに対策できるか、ということになってきます。例えばギャレット選手は本当に能力も高いので、「チームとしてどう止めるか」という対策は今まで以上に練るようにしています。

――現在アメリカの大学でプレイしている渡邊雄太選手(ジョージ・ワシントン大学)や八村塁選手(ゴンザガ大学)のアメリカでのプレイの印象は? NBA入りに向けて彼らに必要な物は?

雄太はジョージ・ワシントン大の中心選手に成長したので、今後も自信を持ってプレイを続けてもらいたいです。塁のほうは、ゴンザガ大というアメリカでも有数のチームでプレイできること自体が素晴らしい経験だと思うので、あらゆることを吸収して大きくなってもらいたいです。

――最後に、B.LEAGUE初代チャンピオンに向けた意気込みをお願いします。

とにかくチーム全員で優勝するために毎日練習して毎日戦っていますので、目標を達成できるようにベストを尽くしたいと思います。

文:西尾瑞穂 Twitter: @jashin_mizuho Instagram: jashinmizuho
協力:テイクツー・インタラクティブ・ジャパン 『NBA 2K17』公式サイト http://nba2k.jp/

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ