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[宮地陽子コラム第87回]NBAオールスター2018メディア投票に参加、その内訳と選出理由を公開

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早いもので、シーズンは後半戦に突入し、間もなく、NBAオールスターゲームが行なわれる。そして、そのオールスターのスターターが先ほど(米国時間1月18日/日本時間19日)発表になった。

昨シーズンからファン投票に加え、メディア投票と選手投票も加味されるようになり、今年もメディア投票者に選んでもらったので、去年に続いて、東西5人ずつ(各ガード2選手、フロントコート3選手)、計10選手のスターターを選んで投票した。

個人的な投票基準は、最低条件として今季前半戦でオールスターにふさわしい活躍をしていること。この基準によって、前半戦に故障で欠場が多い(多かった)選手は自然と外れてくるが、現時点で健康であれば、または今現在欠場していても、オールスターまでには復帰が確実と思われる選手なら、10試合程度、つまり前半戦の1/4程度の試合を欠場していてもマイナス材料とはしないことにもした。

ファンが見たいのは、オールスター時点で最高のプレイを見せてくれる選手だからだ。そして迷ったときには、スタッツやチーム成績も加味するものの、最大の決め手は、昨季の投票と同じように、オールスターのスターターとして見たいかどうか。

その基準で選んだのが次の10選手だ。

■イースタン・カンファレンス

ガード
カイリー・アービング(ボストン・セルティックス)
デマー・デローザン(トロント・ラプターズ)

フロントコート
レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)
ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers)

東のガードの2選手は迷わず決定。アービングはセルティックスに移籍し、チームのリーダーとして存在感を見せ、さんざん弱点だと言われていたディフェンスでも成長を見せ、移籍志願したのも納得の活躍。

デローザンは、ミッドレンジのこだわりを捨て、3ポイントシュートを積極的に打つようになるなど、チームのためにプレイの幅を広げ、ラプターズ変革の先頭を切っている姿を評価した。

そのほかには、新チームに移籍してすぐにリーダーとなり、目覚ましい活躍を見せたビクター・オラディポ(インディアナ・ペイサーズ)、ジョン・ウォール欠場の間、エースとして見事にチームを率いていたブラッドリー・ビール、デローザンの相棒のカイル・ラウリーなども候補として考えたが、アービングとデローザンを押しのけてスターターに入れるまでにはいかなかった。

東のフロントコートのうち、ジェームズとアデトクンボは迷わず確定。この2人は故障しない限り、この先しばらくスターター常連となりそうだ。

迷ったのは、フロントコートの最後の1人。エンビードのほか、アル・ホーフォード(セルティックス)、ケビン・ラブ(キャバリアーズ)、クリスタプス・ポルジンギス(ニューヨーク・ニックス)、アンドレ・ドラモンド(デトロイト・ピストンズ)も候補として検討したが、攻守における存在感、そしてオフコートでの言動も含めたスター性も加味して、エンビードを選んだ。連戦で出場しないことをマイナスとする投票者もいたようだが、欠場したのは1月15日の投票時で9試合なので、十分に許容範囲だ。

■ウェスタン・カンファレンス

ガード
ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)

フロントコート
ケビン・デュラント(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
アンソニー・デイビス(ニューオリンズ・ペリカンズ)
カール-アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

西のガードもすぐに決まった。カリーもハーデンも故障欠場があったが、それでも出ているときの活躍だけで、十分にオールスター・スターターにふさわしい。

もっとも、すぐに決まったとはいえ、他にふさわしい候補がいなかったわけではない。特に新天地、ティンバーウルブズででリーダーシップを発揮し、チームのカルチャーを変えつつあるジミー・バトラーや、他チームで大黒柱をだったポール・ジョージとカーメロ・アンソニーを迎え、ポイントガードとして彼らの力を発揮させるように気を配りながら、それでもエンジンとしてチームを引っ張るラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)は外すにしのびなかったのだが、2人しか選べないのだから、しかたがない。

西のフロントコートのうち、デュラントは迷うことなく選出。残りの2人は悩んだ。本当はジミー・バトラーをフロントコートのほうで選びたかったのだが、去年はフロントコート選手だったバトラーを、今季はガードでしか選ぶことができずに断念した。

迷ったのは、選んだデイビスとタウンズの2人と、ラマーカス・オルドリッジ(サンアントニオ・スパーズ)、ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、デマーカス・カズンズ(ニューオリンズ・ペリカンズ)。中でも、最後まで、デイビス、タウンズ、カズンズの3人で迷った。

正直、オフェンスだけでなくディフェンスでの存在感を考えると、デイビスやタウンズよりカズンズを選ぶべきではないかとも考えたが、チーム成績を考えるとペリカンズから2選手をスターターに入れることには最後まで抵抗があり、デイビスとタウンズに落ち着いた。

発表されたスターターは、タウンズの代わりにカズンズが入っていただけで、残りは投票した選手と同じだった。ペリカンズから2人スターターが選ばれることに対する抵抗よりも、カズンズの活躍のインパクトのほうが強かったということだろうか。個人的な思いとは違ったが、それはそれで納得だ。

今年はこのまま東西に分かれるのではなく、コーチが選ぶ控え選手とあわせて、トップ得票のレブロン・ジェームズとステフィン・カリーがドラフトしてチーム分けを行う。彼らもきっと、私がそうだったように、悩みながらも楽しんで選ぶのではないだろうか。イベント前から楽しめるのも、オールスターの醍醐味だ。

文:宮地陽子  Twitter: @yokomiyaji

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ