[宮地陽子コラム第84回]エイブリー・ブラッドリーが語るディフェンスの極意とプライド
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[宮地陽子コラム第84回]エイブリー・ブラッドリーが語るディフェンスの極意とプライド

目標は最優秀守備選手賞

エイブリー・ブラッドリー(デトロイト・ピストンズ)は、NBAの中でも、特にボールマンに対するディフェンダーとして定評がある。2012-13シーズンにはNBAオールディフェンシブ・セカンドチーム、そして2015-16シーズンには、オールディフェンシブ・ファーストチームに選ばれている。

その一方で、ディフェンスの指標となるスタッツ、ディフェンシブ・プラスマイナスでは平均以下という数字も出ており、本当にリーグのトップクラス・ディフェンダーなのか懐疑的に見る声もある。

故障欠場も多かった昨シーズンは、オールディフェンシブ・ファーストチームどころか、セカンドチームにも入らなかった。投票ではイースタン・カンファレンスの選手として最も多いポイントを得たのだが、リーグ全体のガードの中ではクリス・ポール(当時ロサンゼルス・クリッパーズ)、パトリック・ベバリー(当時ヒューストン・ロケッツ)、トニー・アレン(当時メンフィス・グリズリーズ)、ダニー・グリーン(サンアントニオ・スパーズ)に次いで5番目だったのだ。

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注目すべきは、彼がオールディフェンシブチームから外れたのを見た他チーム選手たちの反応だ。実際にブラッドリーとマッチアップし、苦しめられた選手たちがツイッターなどで口々に反論をしたのだ。

たとえばCJ・マッカラム(ポートランド・トレイルブレイザーズ)が「エイブリー・ブラッドリーが(オールディフェンシブの)どっちのチームにも入っていないって?」と驚きの声をあげ、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)も「エイブリー・ブラッドリーがオールディフェンスに入っていないって? 選手を代表して言うけれど、彼は選ばれるべき選手だ」とツイートをしていた。

スタッツの謎は残るが、ブラッドリー自身は、TNTリポーターのデイビッド・オルドリッジにそういった相反する評価について聞かれ、こう語っている

「バスケットボールでは、実際に対戦している相手がどう考えるかがすべてだ。数字も重要だとは思っているけれど、数字には他の多くの要因が影響している。大事なのはゲームをリスペクトすること。僕にとってゲームをリスペクトするというのは、評価すべきことを評価すること。そして、僕は毎年、(リーグのトップディフェンダーの)候補として名前があげられるべきだ。誰と対戦しても、相手からは、対戦した中でやりにくい相手の一人だと言われるはずだ」。

自分のディフェンス力に自信を持ち、リーグのトップディフェンダーとしての自負を持っているブラッドリーに、ディフェンスについて、さらにいろいろと聞いてみた。

Avery Bradely, Stan Van Gundy
昨季まで7年を過ごしたセルティックスを離れ、今季からディフェンスを重視するバンガンディHC率いるピストンズでプレイ

「勝敗を決するシュートを決めるよりは、勝敗を決するブロックをしたい」

──自分のアイデンティティがディフェンスだと知ったのはいつですか?

NBAに入ってすぐ、ディフェンスを重視するメンタリティを持つことでゲームにインパクトを与えられると気づいた。プロになって早いうちに、ディフェンスがあるから試合に出られるだけでなく、このレベルでも特別な選手になれるということに気づいた。

──NBAに入る前からディフェンスが得意でしたか?

そうだね。ずっとそうだった。

──子供の頃から得点するよりディフェンスのほうが好きでしたか?

さすがに、そこまでは言わない。子供は誰でも点を取ることが好きだからね。今でも、得点もディフェンスもどちらも楽しんでいる。でも、試合の勝敗を決するシュートを決めるよりは、勝敗を決するブロックをしたいと思ってはいる。それが僕らしいと思っている。

──これまで、ディフェンスについて一番いいアドバイスをくれたのは誰ですか?


……うーん、誰も思いつかない。僕自身がいつもほかの人にあげる一番のアドバイスは、『できる限りの全力でプレイし、恥をかかされることを気にするな』ということだ。僕にとって、余力を残さずにできるのが最高のディフェンダーだと思う。それが、僕が誰かにあげることができる一番のアドバイスだ。でも、これまで特に誰かからアドバイスをもらったことはない。いつもアドバイスを求められるほうだったんだ。

「一番守るのが大変なのはカイリー・アービング」

──試合をする前に、対戦相手を研究しますか?

もちろんだ。このリーグでプレイするようになって、今シーズンが8年目だ。すでに相手の多くの選手のことを知っている。でも、まだ知らない選手なら、試合前に相手のプレイ映像を見て、準備してから対戦するようにしている。対戦相手は誰であっても敬意を持っている。才能ある選手は大勢いるから、どの相手に対しても、必ず、きちんと準備するようにしている。

──おそらく、何度も聞かれている質問だと思いますが、これまでに対戦してきた中で、一番守るのが大変なのは誰ですか?

前にも何度か言ったのだけれど、一番ディフェンスするのが大変なのはカイリー(アービング/ボストン・セルティックス)だ。そのほかに、ジョン・ウォール、ブラッドリー・ビール(共にワシントン・ウィザーズ)もそうだね。NBAには守るのが大変な選手、いい選手は大勢いる。そういった選手に向かっていくのは大好きだ。最高のレベルの中の最高の選手と対戦し、何も残すことなく全力で向かっていくというのが醍醐味だ。楽しい。

Avery Bradley
最も守るのが大変な選手としてカイリー・アービング(現ボストン・セルティックス)の名を挙げる

──ピストンズのスタン・バンガンディ・ヘッドコーチはディフェンス重視のコーチですが、ボストン時代にやっていたのと違うことは何かありますか?

そうだね。セルティックスのときとは違うディフェンスのスキーム(枠組み)でやっているからね。まだ学んでいるところだけれど、それでも適応することができていると思う。この先、さらにいいディフェンダーになるために確実にプラスになる。とてもいいコーチやコーチ陣、それにチームメイトたちから新しいことを学ぶことができているからね。

──ピストンズに来て新しく学んだことをひとつあげるとしたら?

このレベル(NBA)では、チームを移ったときに一番大きな違いは(チームで決められたディフェンスの)ポジショニングだ。ディフェンス面で成功するため、つまり自分のマークマンを守り、チームメイトのヘルプをするためには、正しいポジショニングを取るようにすることだ。

──あなたの一番の目標は?

ディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤー(最優秀守備選手賞)だ。それが一番の目標だ。少なくとも、候補に名前があげられるべきだと思っている。

文:宮地陽子  Twitter: @yokomiyaji

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