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[コラム]カイリー・アービング、驚異の1on1能力(佐々木クリス/WOWOW NBA ONLINE)

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イースタン・カンファレンス・ファイナル第2戦以降、エースのアイザイア・トーマスのプレイオフ全休のニュースが知れ渡った時、ボストン・セルティックスが王者クリーブランド・キャバリアーズに土を付けると誰が予想しただろうか。

2勝0敗と相手コートで戦いを終え、シリーズをリードしたことによる気の緩み、それもあるかも知れない。そしてボストン攻撃の主軸であるトーマス不在がむしろ攻撃を予測し辛いものにしたとも考えられる。文字通り“全員バスケ”が信条のセルティックスはボール回しを徹底していた。そして、第4Q残り0.1秒でエイブリー・ブラッドリーは3ptを沈めて、111-108。そのまま勝利して第3戦を終えた。

さらにNBA界に激震が走ったのは現役最強レブロン・ジェームズがわずか11得点に終わったこと。抑えられたと言うべきか、振るわなかったのか、本人の言葉を借りれば振るわなかったのだが、その主体性の欠如は第4Q無得点で終わったことでさらに注目を浴びることとなった。

ネットでは、“周りのチームメイトに優勝はそんなに楽じゃないんだ、俺にばかり頼るんじゃない”、“MVPのファイナリストに俺は値しないのか? ならば本気でプレイしないならばどのような結果になるか観てみろ”、そんなサブリミナル・メッセージをキングは送っているという憶測すら聞かれた。真意のほどは分からないが、自身通算107試合となるプレイオフ・ホームゲームでの最少得点を記録した後の第4戦では、レブロンの奮起は必至と思われた。

しかしながら第4戦が始ってみるとレブロンは早々にファウルトラブル。第2Qも半分を過ぎる前にオフェンスチャージ(第2Q 6:46)により、キャリア初の前半のうちに個人4つ目のファウルを受けてしまう。FG自体は5/9と確率も悪くないが前半は15:32の出場に留められてしまう。間接的かも知れないがセルティックスが第3戦から自信を付けてアグレッシブにプレイした結果とも言える。

「こんな時間帯にレブロンがベンチに?」と思った方の感覚は間違っていない。試合は前半を終えて57-47とセルティックスがこの4戦通算で初の前半リードを保って後半へ。静かに試合を見つめるキングの爆発は持ち越しとなった。

第3Qも静かに始まり、1分が経過……残り10:39でアービングがこのクォーター、チーム初の得点をドライブからのレイアップを決めると、一気に爆発した。そう、アービングがこのクォーターだけで21得点をあげるのだが、こちらがその第3Qのアービングのシュートチャートだ。

Kyrie Irving vs Celtics Game 4 Shot Chart

リング周りと3ptだけでFG9/11=81.8%という恐るべき効率で得点を量産。チームも40-23のビッグクォーターを作って逆転すると、2度と背中をとらえさせなかった。

実はアービング、プレイオフ期間中は平均で24.6得点を稼ぎながらも決定力はFG45.7%、3ptは34.2%とまずまずだ。

しかし、対セルティックスとの4試合では平均26.3得点をFG62.7%、3pt50%という効率の高さを見せている。

ここからはさらにその内訳を見ていこう……>>>コラムの続きはWOWOW NBA ONLINEでチェック!!

文:佐々木クリス(WOWOW NBA ONLINE Twitter: @chrisnewtokyo, @WOWOWNBA

WOWOW NBA ONLINE 5月18日掲載 「Vol.281 1on1無双、カイリー・アービング」より

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