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[コラム]キャブズとウォリアーズの圧倒的な強さ(長澤壮太郎/WOWOW NBA ONLINE)

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まずは「皆さま、プレーオフも佳境に入り、激アツな戦いが日々行われています!」と言いたいところだが、今年は例年と全く違い、かなり一方的なシリーズが展開されています。

東地区も西地区もカンファレンス決勝シリーズの真っ只中にいるのに、東地区はキャバリアーズ、西地区はウォリアーズが圧倒的な強さを発揮し、スパーズとセルティックスを一方的にスイープする勢いなのです。

特にキャブスのレブロン・ジェームズはプレーオフに入ってから驚異的な記録を連発。平均35得点以上とレギュラーシーズンよりも高い数字を残しており、プレーオフに入ってからのフィールドゴール(FG)%は50%以上、一番悪かった試合でも25得点、10リバウンド、7アシスト、4ブロック、4スチールと普通の選手だったら一生孫の代まで語り継ぐほどの数字なんです。
※5/21現在。5/22の第3戦では11得点、6リバウンド、6アシストでした。

長年彼の活躍を見てきた我々メディアでさえ、今年の彼はレベルが違う領域に入っていると言えるでしょう。

この世代で一番凄い選手が、14年目にしてさらなる高みに到達している様を今まさに目撃していると言えるし、このままの調子で彼が優勝したならば、あの神様MJマイケル・ジョーダンを超えたと純粋に評価する声が多くなることが予想できます。

プレーオフで彼のプレーを見ているとあまりにレベルが違い過ぎて、『NBAよりレベルの高いリーグ(実際には存在しないが)に所属するべきなのでは?』と思ってしまうほどですね。

レブロンに匹敵して、目覚ましい活躍を見せているのが、ウォリアーズのKDことケビン・デュラント。チーム自体がスター軍団の集まりで、どこからでも相手を崩す実力を持っていながら、チームが時折苦戦する試合で彼は見事にエース級の実力を発揮し、73勝した昨季のチームを解体してまで、彼を獲得したことが正解であったことを証明しています。

そんなウォリアーズの元ヘッドコーチで現コメンテーターのマーク・ジャクソンは、先日の放送中に「もしも私がチームのGMもしくはコーチで自陣にKDが加入するという知らせをもらったならば、さっさとホテルに帰ってベッドでゴロゴロして寛いでいるよ」と発言。彼さえいれば指導をしなくても勝てると言いたかったのでしょう。熱い指導で有名な彼にここまで言わせるKDの実力はやはり凄いとしか言いようがありません。

そんなウォリアーズと西地区の決勝シリーズで戦っているサンアントニオ・スパーズ。名将グレッグ・ポポビッチの作り上げた常勝軍団のファンは日本にも多く、今季はカワイ・レナードを中心に61勝を積み上げ、ウォリアーズを倒すチャンスが一番あるチームとして期待されていました。しかし残念ながらスパーズは主力メンバーを次々に怪我で失っており、ウォリアーズ相手に勝つことが出来ていません。

第1戦でエースのレナードが足首を再び捻挫してしまったことが(※)、シリーズが大きく傾く要因となってしまいました。
※西準決勝ロケッツとの第5戦で同箇所を捻挫

これには、カワイがシュートを放った後ウォリアーズのザザ・パチューリアの足に着地し、足首がグニャっと曲がる捻挫だったため、『故意に足を入れたのではないか?』と現地で論議が起こりました。

このことについては試合翌日、ポポビッチは珍しく事細かにパチューリアのプレーが故意であったことを激しく批判し、メディアは一斉にこのコメントを報じ、話題はそれ一色なったほどです。

ポポビッチを日々追っている(ストーカーではない…)私としては、彼がこれだけ激しくパフォーマンスをする時は必ずなにか裏があると勘繰ってしまいます。

それについて、シリーズがまだ終わってないのでなんとも言えないのですが、なんとなく現地で囁かれていることが二つあります。

一つ目は、メディアの目を全部自分に向けて、選手たちに論争が飛び火しないように先手を打ったということ。この日、ポポビッチの囲み取材後、メディアは主力選手にカワイの怪我や、『パチューリアのプレーが故意であったと思うか?』など聞いて回る準備をしていたのです。

そこにポポビッチが先手を打ったため、メディアはこぞって彼の怒りの会見を即アップし始めました。選手たちは事前に知らされていたことも予想され、質問を向けられたラマーカス・オルドリッジは「俺たちの気持ちを代弁してくれている」と冷静なコメントに徹しました。

二つ目は……>>>コラムの続きはWOWOW NBA ONLINEでチェック!!

文:長澤壮太郎( WOWOW NBA ONLINE Twitter: @gwf_tokyo , @WOWOWNBA

WOWOW NBA ONLINE 5月23日掲載 Vol.280 長澤壮太郎が語る「NBA inside 情報 from Sotaro!」より


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