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[コラム]再燃した「ウォリアーズ史上最強チーム論」にショータイム・レイカーズOBが参戦(佐々木クリス)

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What's up!? みなさんこんにちは、佐々木クリスです。NBAファイナルも第3戦までが終了し、次回のコラムまでにチャンピオンが誕生しているかもしれません。ファイナル2戦の取材に行く前と帰ってきてからでは、東京の湿度もだいぶ違っていて体感でも季節の流れを感じますね。 

さて、シーズンを通してゴールデンステイト・ウォリアーズが比較を続けられてきたのは95-96シーズンのシカゴ・ブルズであることはもう皆さん周知の事実。ブルズの持つシーズン72勝記録を超えて、ウォリアーズはこのファイナルで優勝を果たせば「史上最高のワンシーズン」が完結といっても良いでしょう。 

クリーブランドに戦いの舞台を移し、キャバリアーズが第3戦で反撃を見せるまでの数日の間に、“73勝ウォリアーズ vs 過去の栄光チーム”の議論が現地では再燃。 

きっかけはウォリアーズのホーム、オラクル・アリーナで最初の2戦を大勝してキャバリアーズを退けた後の記者会見。歴史との比較をドレイモンド・グリーンが求められたシーン。 

『今年のウォリアーズは史上最高のチームか?』と尋ねる記者に『史上最高のチームかどうかは主観的なこと。誰が見るかによって変わるし、昔のチームと戦えるわけじゃない。興味があるのはあと2試合勝つこと。僕らがショータイム・レイカーズより上とは言えないよ……』とドレイモンドが返している途中、割って入ったクレイ・トンプソンが『ショータイム・レイカーズなら俺たちが上だよ』と言って会見場の笑いを誘ったシーンでした。


ファイナル第2戦後、記者会見の壇上で「ショータイム・レイカーズ」との比較について答えるクレイ・トンプソンとドレイモンド‥グリーン

アスリートたる者、片時も自信を喪失しないことはパフォーマンス発揮には欠かせないですし、しかも史上最高の73勝を達成し、ファイナルも五合目まで登った彼らには、その権限があるとも言えるかもしれません。第2戦の戦いはまさに、2014年にサンアントニオ・スパーズがNBAを制したときの芸術的なボール回しを彷彿させる内容でもありました。 

クールにかわそうとしたのが、普段はトラッシュトーカーのドレイモンドで、むしろ火に油を注いだのはメディアにそっけないクレイだったのも面白かったのですが、会場の雰囲気はなにか大事になるような問題発言には感じない、悪意のないジョークと僕は感じていました。 

しかし、僕が飛行機で太平洋を渡る頃、クレイの父でショータイム・レイカーズの一員だったマイケル・トンプソンが息子の発言について見解を求められると、なんと息子の意見をバックアップ。

『我々もシュートは放っていった。1試合8本ぐらいの3Pをね。ただ彼ら(ウォリアーズ)はひとつのクォーターで8本放ってくる。3Pによる得点で50-15と差を付けられるだろう。そうなったらどうやって勝てばよいのさ? だからクレイには同意するよ、彼らは我々を(シュータイム・レイカーズ)を倒すだろうね。彼らがあまりにも早く得点を重ねるものだから攻撃面で同じレベルを保つのは難しい』。 

この発言の背景にマイケルは、『自分はキャリアの中で成し遂げてきたことに対する不安はない。だから“俺らのほうが……”と過剰に反応する必要がないし、新しい時代が自分のプレイした時代から変化していたり、どちらかが上かを認めることができる。(中略)なのでここに座って“俺らは最高だった、俺らは誰でも倒せる”と言うか、と言ったらそうではない。当然、我々は今のウォリアーズにもマイケル・ジョーダン擁するブルズにも、カリーム・アブドゥル・ジャバーがいても負ける余地がある。だからスポーツなんだ。7戦シリーズをウォリアーズとして負けても驚かない。私はビッグマンにしてはよく足が動いた。ただスイッチしてカリーにつくことを想像すると、(恐怖で)蕁麻疹が出るよ』。

非常に正直とも言えるクレイの父マイケルの発言でしたが、これに不服申し立てしたのがほかでもない……>>> コラムの続きはWOWOW NBA ONLINEでチェック!!

文:佐々木クリス( WOWOW NBA ONLINE Twitter: @chrisnewtokyo

WOWOW NBA ONLINE 6月10日掲載 「Vol.226 佐々木クリスが語る『ウォリアーズに立ちはだかるもの?』」より


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ