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[コラム]プレイオフの記者会見で繰り広げられる人間ドラマ(佐々木クリス)

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What's up!? みなさん、こんにちは佐々木クリスです! やはりプレイオフは予想外な事が起きてしまいますね……しかも相次ぐ主力級選手の怪我なので、チャンピオンへの道のりがいかに険しく、時に綱渡り状態でもあるかがわかりますね。

かといって、これがプレイオフ、まさに"生か死か"そんな気持ちで選手たちは戦っているのではないでしょうか。我々ファンもワンプレイ、ワンプレイに引き込まれてしまうのは当然ですね。 

さて、今回はプレイオフの間にコートの外で起きたトピックを紹介したいのですが、言うなればコートの上と選手たちのプライベートの中間地点。記者会見上で起きた様々な人間模様についてです!

キュートな子供たち

まずはNBAキッズたちの会見場での活躍。昨年、父であるステフィン・カリーと共に全米アイドルの座に一気に登り詰めたライリー・カリーは皆さんご存知ですよね? 

そしてその前はブレイク・グリフィンの顔真似で話題を振りまいてくれたクリス・ポールJr.も可愛いらしさ満点でした。 

そして今年のプレイオフでは新たなスター誕生!? ボストン・セルティックスが延長でアトランタ・ホークスを下し、シリーズを2勝2敗に戻した試合後、セルティックスのアイザイア・トーマスは2人の息子ジェームズとジェイデンを連れて会見場に――。 

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ジェームズは『Hi Everybody』(皆さんこんにちは)で会見場の空気をグッと掴むと、『お父さんは、アイザイアは最も素晴らしいバスケット選手!』と言い放つと会場からは感嘆のため息が。入れ替わり立ち代わりマイクで遊ぶ2人ですが、最後はジェイデンが律儀に『サンキュー! 皆さんの誠実さに!』と大人顔負けの発言。とても愛くるしいですね。 

勝利の喜びもあってか、父としての余裕の表情もファンとの距離を近づけてくれるものだったと思いました。

続いてはトロント・ラプターズ球団史上最も重要だったといっても過言ではない、ペイサーズとの第5戦を制した後のラプターズ・ダイナミック・デュオも会見場に娘と息子を引き連れて登壇。発言するシーンはありませんでしたが、2人ともお利口さんでとってもキュート。 

この会見での個人的なハイライトは1:40あたりで『ノーマン・パウエルはまだルーキーか?』と聞かれたときのラウリー、デローザンのリアクション。間髪入れずに『Yes! 来季の開幕まではルーキー』とNBAにもあるルーキーと2年目以上選手の立場の違いが感じられる場面でした。

NBAのルーキーはチームのためにシャンプーやボディソープ、ケチャップやマスタード、ステーキソースなどなんでも先輩たちが必要と感じるものを詰めたキャリーケース(大体派手なアニメ柄や、色使いが奇抜な目立つデザイン)をどこに行くにも持ち運び、時に練習にドーナッツを買ってくるのがならわし。

ただし、ラウリーも当然ながらここ最近ばかりかシーズンを通じてのパウエルの姿勢を高く評価していましたね。

サンダー二大エース vs キューバン

さて、会見場というのは皆さんも想像できると思いますがいつも和やかな雰囲気ばかりではありません。 ダラス・マーベリックスとのシリーズを4勝1敗で制した後の、オクラホマシティ・サンダーの両エース、ケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルックの共同会見では、記者からマーベリックスのオーナー、マーク・キューバンが残した発言『ラッセルはオールスターだがスーパースターではない。サンダーのスーパースターはケビンだけ』について聞かれた両者だったのですが――。

ビデオを見ていただくと、真っ先にケビンがラッセルを制する形で『彼は馬鹿者だ』と発言。しかも『その発言は聞くに及ばない』と付け加えて連呼。 

ケビンの発言もなかなか過激だったと思いますが、こういった行動もオフにフリーエージェントとなるケビンがチームを出ることはないだろうと僕が前々から考えている要因のひとつでもあります。世界を敵に回してもお互いのことは守る兄弟愛の強さを見せられているような気がします。 

一方、マーク・キューバンの発言の真意は、同じインタビューの中で『毎年毎年チームを50勝以上させてプレイオフに導くダーク・ノビツキーのような選手をスーパースターと呼ぶ』と発言していることから、ラッセルが1人でもチームをプレイオフに導けるかは疑わしい、との見解からと読み取れますが……それにしても今回は墓穴をほったかも知れません。後味の悪い印象を発信してしまいました。

この日のラッセルとケビンはこのほかにもなかなか手厳しい発言を残していて、会見は相手のチャーリー・ビラヌエバの話題に移ります。

ビラヌエバと言えば、シリーズが争われている間、ラッセルの試合前のダンスを邪魔した選手としてサンダーファンの中では悪名高い選手となりましたが、ラッセルは『(プレイオフ敗退して)これで今まで82試合してきたように座って見ているだけの立場に戻れる』と口撃をお見舞いすると、ケビンは『来年はNBAにもいないんじゃね?』と一言。KDも噛み付かれれば、決してしっぽを巻くような選手ではないと分かります。プレイオフはまさに戦場ですね。 

会見上では涙腺も緩くなります。メンフィス・グリズリーズのデイビッド・イェーガー・ヘッドコーチの会見は、WOWOWの試合放送でも中継されましたが、同時通訳をしている僕も……>>> コラムの続きはWOWOW NBA ONLINEでチェック!!

文:佐々木クリス( WOWOW NBA ONLINE Twitter: @chrisnewtokyo

WOWOW NBA ONLINE 5月2日掲載 「Vol.215 佐々木クリスが語る『会見ドラマは万華鏡』」より


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ