NBA

[コラム]ファーストラウンドの鍵を握るのは? ウェスタン・カンファレンス編(佐々木クリス)

Author Photo
Sporting News Logo

~ウェスタン・カンファレンス編~

■1位ゴールデンステイト・ウォリアーズvsヒューストン・ロケッツ

ウォリアーズは当然ながら優勝候補筆頭、大本命。73勝を成し遂げた今、目標はシーズン、プレイオフ合算での史上最高勝利数を達成し、連覇をすることで史上最高の“シーズン”を完結させたいところ。史上最高のチームか否か、という問いにはファンそれぞれの思いがあると思うので“シーズン”とさせていただいた。当然ブルズは72勝シーズンを含む3連覇を成し遂げたわけで、最終的にウォリアーズ - ブルズ比較を論破するには3連覇しかなさそう……ちなみに95-96のブルズはチャンピオンに至るまで2つのシリーズをスウィープ(1stラウンドは5戦制だったので3勝)、ニックスを4-1で破りファイナルはスーパーソニックスを4-2で破って優勝。ウォリアーズがどれだけ負け数が少ない状態で優勝するのか? という問いも真っ当な気がしてきてしまうくらい強い……。

ではロケッツとの1stラウンド対戦はどのように観るべきか。

レギュラーシーズン対戦成績3勝0敗:ウォリアーズ

シーズン中のオフェンス力はウォリアーズ1位、ロケッツ8位。48分換算の攻撃回数=ペースは2位と7位。ロケッツは11月HC交代劇の前に遡らないと2試合連続で100得点未満の試合はないという自慢の得点力が魅力。ただしウォリアーズはリーグ4位のディフェンス力を誇っており、シーズン中にそれほどの守備と連戦する訳では無いことも考慮しなければいけない。

昨シーズンはカンファレンス・ファイナルで当たった両チームだが、1シーズンを経てその明暗はクッキリと別れている。ウォリアーズは大方の想像をはるかに上回る成長をしたのとは反対に、ロケッツはディフェンス力が21位まで後退。特に相手に打たれる3ptシュートの割合は全体の32%から36%に増加。ロケッツ自身は全体の37%が3ptと今季も最も3ptを多用(乱発?)しているチームではあるものの、自分たちが決めた本数、相手が決めた本数の差が1番重要であり、シーズン中は平均で1本相手より上回るに留まっている。

その上、エースのジェームズ・ハーデンが1シーズンのターンオーバー(TOV)記録を作ったように、チームでもターンオーバー数はリーグ27位と非常に多く、ウォリアーズの唯一のアキレス腱である、この同じキー・スタッツ(24位)をみてもアドバンテージが取れない。ウォリアーズからはシーズン中の対戦相手としては最も高い比率でFTは獲得できているロケッツなので3ptディフェンス、TOVのどちらかでも改善できないと善戦どころかスウィープも考えられる。

キーマン
ドワイト・ハワード(ロケッツ)
今季ハワードの1試合あたりのFG試投数8.5本は04-05のルーキーシーズン8.3本以来となる2番目の低さとなった。勘違いしないでいただきたいのは、チームはハワードのポストプレイで攻めるべきだと言う気など毛頭ない。一番の懸念は彼のゲームとの距離、主体性に欠けるというよりも、幽体離脱している感がある。彼がチームとの一体感を取り戻し、闘志みなぎる姿になる奇跡が起きれば、ウォリアーズがリーグのどの相手も一蹴してきたドレイモンド・グリーンがセンター時のラインナップ、通称“死のラインナップ”最大のカウンターになれるだけのものは本来持っている。

予想:4勝1敗 ウォリアーズ(ハーデンがいる限り、打ち合いをしたら1試合は勝てると予想。しかもそれがGame1で起きればなお面白いが…)

>>> コラムの続きはWOWOW NBA ONLINEでチェック!!

文:佐々木クリス( WOWOW NBA ONLINE Twitter: @chrisnewtokyo

WOWOW NBA ONLINE 4月18日掲載 「Vol.212 佐々木クリスが語る『プレーオフ1stラウンドの鍵を握るのは?【後編】~ウェスタン・カンファレンス編~』」より


>>>  佐々木クリス コラム バックナンバー


著者
NBA Japan Photo

NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ