NBA

[コラム]ステフィン・カリーの超ロング3ポイントを分析(佐々木クリス)

Author Photo
Sporting News Logo

What's up!? みなさんどうも! 締め切りギリギリにならないと何故か記事が書けない佐々木クリスです(笑)

今回もあの話題、この話題、何をみなさんにご紹介しようかとあれこれ悩んでいたのですが、やっぱりこれについて話さなければ……ということで、まずはこちらのビデオをご覧ください

これは日本時間で日曜日(2月28日)、延長にまでもつれたオクラホマシティ・サンダー対ゴールデンステイト・ウォリアーズの一戦で試合を決めたステフィン・カリーの超ロング3ptシュート!

思わずイスから転げ落ちたと、WOWOWの放送でもコメントさせて頂きましたが、信じられないものを見ると人は思わず笑ってしまうんですね。イスから落ちた後はひとりで笑っていました! きっと隠しカメラで見ていたらとても気持ち悪い光景だったと思いますが、試合の展開も含め今季のベストゲーム、ベストショットと言って良いのではないでしょうか。

プレイオフの試合ではないので1試合の価値としては匹敵しないかもしれませんが、個人的には2013 NBAファイナル第6戦でレイ・アレンがスパーズに延長を強いた以来のBIGショットだったと思います。

先ほどのビデオ、可能ならもう1度再生してみてください。そして今度は“音”に注意して欲しいのですが、名アナウンサーのマイク・ブリーンがBIGショットを選手が決めたときに使う“BANG”(バング)というフレーズを2回も繰り返しているのですが、普段は繰り返したりしない印象です。しかも、2度目は何かかすれた声が凄いリアリティを醸し出しているんですよね。そして歓声と悲鳴入り交じるアリーナの声。

サンダーの番記者によれば、ホームのお客さんでほぼ満員になるチェサピーク・エナジー・アリーナにこれだけ多くのアウェー(ウォリアーズ)ファンが入場していたことは驚きで、サンダーがオクラホマに移った初年度、コービーがレイカーズを引き連れて来て以来の現象だと言っていました。

今季は全米各地のアリーナで、コービーの行くところ、カリーの行くところにはアウェーにもかかわらず、彼らのジャージを着たファンの姿がそこかしこに見られますね。


日本時間2月28日のウォリアーズ対サンダー戦、オーバータイム残り0.6秒でカリーの超ロング3Pが決まり、ウォリアーズが121-118で勝利 Photo by NBAE/Getty Images

さぁ、そんな試合を決めたS・カリーのショットでしたが、放ったタイミング、距離に触れないわけにはいきません。

NBAの3ptラインは最長で7m23cmほどですが、この日カリーが放ったシュートの距離は10m66cmあたりと試算されています。確率、精度が上がるばかりか、シュートを成功させる距離も意識的に伸ばしているように感じられるカリー。この試合終了後、ESPNの試算によると約8m50cmから約16m45cmの間でのカリーのシュートは54本中36本が成功、確率にして67%! 67%ですよ、みなさん!?

40%で3pt(7.23m)のところから決めていてもリーグを代表するシューターと言われるのに……。

ちなみに同じ試算で見るとNBA全体の成功率は265/1203=22%。

これには3ptラインをもっと遠ざけるべき!? なんて議論もアメリカではなされているようですが、これについて聞かれたサンアントニオ・スパーズ、ポポビッチHCは『3ptラインを下げるぐらいなら5Pラインにしようぜ。ただカリーはそれでも決め続けるだろうな。問題解決どころかかえって悪化するだろう。』とコメント。ハーフコートから決めたら5pt!と決めたら1試合に5本は軽く狙って来るだろうし、2本は平均で決めそうです……恐ろしい。

サンダーにとっては非常に悔しい敗戦だったと思います。オールスター以降はアシスタントコーチ、モンティ・ウィリアムズさんの奥様が交通事故で亡くなり、チームのメンバー達もかなり感情的に成らざるを得ない状況の中戦いが続いています。この試合に関しては完全に勝ちゲーム、ウォリアーズが唯一NBAで止められないのがK・デュラントだと思いますが、何の因果か勝利を献上した痛恨のターンオーバーとイグダーラへのファウル(FTを良く沈めました!)もまたK・デュラントによるものでした。

それでもサンダーはMVPプレーヤーによる、10年に1度あるかないかのNBA 1試合12本という3pt成功本数がなければ負けていなかったので、個人的には下を向く必要はない、前進あるのみ、とサンダー目線で見ていくと感じます。(ただその次のキングスには勝ちながらも、続くクリッパーズに大差をひっくり返されての敗戦はちょっと心配になりました)

ショットに話を戻しますが……>>>コラムの続きはWOWOW NBA ONLINEでチェック!!

文:佐々木クリス( WOWOW NBA ONLINE Twitter: @chrisnewtokyo

WOWOW NBA ONLINE 3月4日掲載 「Vol.203 佐々木クリスが語る『ザ・BIG BANG!』」より

>>>  佐々木クリス コラム バックナンバー

著者
NBA Japan Photo

NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ