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[コラム]クリッパーズ対マブス、ディアンドレ・ジョーダン争奪戦の結末(佐々木クリス)

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What’s up!? NBAファンのみなさんこんにちは! 佐々木クリスです。唐突ですが、11/12(木)放送のロサンゼルス・クリッパーズ対ダラス・マーベリックスの一戦はご覧になりましたか?

このゲームはクリッパーズのディアンドレ・ジョーダン(以下DJ)が一度はマーベリックス行きに口頭で合意しつつも“心変わり”によってクリッパーズ残留を決めてから、今季クリッパーズがダラスのホームで対戦した初の試合。全米、特に地元ダラスでは大注目の一戦でした。

まずオフの間の大きな話題となったDJのフリーエージェント(FA)問題を軽くおさらいしておくと、マーベリックスのオーナー、マーク・キューバンと選手であるチャンドラー・パーソンズからの熱烈な勧誘とVIP待遇によって、一度はマーベリックス入りを決めたDJでしたが、FAが交渉可能となる期間と実際の契約が正式に出来る期間には1週間程の開きがあり、この間にDJは親友でチームメイトのブレイク・グリフィンに連絡。当初はバスケットボールの話も5分そこそこ、グリフィンは決断に悩むDJに対し『たとえ何を本当に求めているとしても、俺はいつでもお前の友達だ』と伝えたそう。

次の日にはドック・リバースHCを含め、休暇中だったクリス・ポールに加え、J.J.・レディックもDJの自宅に集合。グリフィン曰く『1か月前に明確にしなければいけなかったこと、言わずに済まされていたこと』について話し合われたと言います。

報道が過熱したのはこの頃、一部では“3時間後にクリッパーズが集まってDJに会う”とされていたけれど、大方間違っていたそうで、BGは『もう俺たちはそこにいたから』と振り返っています。Twitterなどでさらに過熱するのはこれを面白おかしく逆手に取って、事前に撮ったハワイでの写真を投稿してDJの自宅にはいないような素振りをしたり、ドアにイスをかけてDJを監禁して説得しているように見せた投稿をグリフィンがしたから。

ただグリフィンは振り返って『実際はつまらない親戚の集まりみたいだった。テレビを見たり、ビデオゲームをしたり……』と現場は報道の熱とかけ離れていた様子。『正式にDJが契約を結べる夜の11時まで時間を潰すために、目的もなくヒューストンの街を車で流した』とも言っています。

流石にDJ宅で、みんながチキンを食べていることがリポーターによってTweetされると、『誰だ! ばらしたのは!』とひと盛り上がりしたそうですが、11時1分に契約書が持ち込まれると過去のことになったそう。(参考記事

とまあ、クリッパーズサイドの話が長くなってしまったのですが、もちろんマーベリックスのオーナーは激怒しますよね(笑)。“心変わり”が起きている頃、契約までの時間も残されている段階でDJとは音信不通になってしまったことも許せなかったのでしょう。

シーズン開幕後、ロサンゼルスで行なわれた初対戦を前に『選手を代え、オーナーを代えても、クリッパーズは過去30年の姿(弱小)と変わらない』と辛辣な言葉も残しています。

この事実関係に付け加えておかなければならないのは、DJには本契約が結ばれるまでチームを選ぶ自由があったこと。これは揺るぎない彼の権利。

ただし、基本合意にまで至りながらもそれを翻したときに、筋として直接気持ちを伝えるというのが義理かなぁ、と感じる方が多いはず。DJは結局、自分でキューバンに伝えることなく、代理人や母親が代わりに連絡。キューバンはDJの契約の件に関する内容の話を母親とすることは避けたとのことで、結局DJはTwitterを介してキューバンを“NBAでもベストなオーナーの1人”と敬意を示しながら、オーナー、球団とそのファンに対して謝罪はしたものの、極めて間接的な行動は良い印象を残さなかった。

ここまでが11/12のダラスでの初対戦に至る経緯です。

そしていよいよ試合当日……

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文:佐々木クリス( WOWOW NBA ONLINE Twitter: @chrisnewtokyo

WOWOW NBA ONLINE 11月13日掲載コラム「Vol.184 佐々木クリスが語る『浮気者、DJ騒動の終焉…』」より

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ