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エージェントを雇っていない新人ジェイレン・ブラウン

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ボストン・セルティックスのジェイレン・ブラウンは、典型的なNBAの新人と異なる。エージェントを介さずに契約を結び、今もなお、エージェントを雇っていないのだ。彼は自らリーグの財政面の一部始終を学び、通常とは違う方法で取り組んでいる。『Boston Globe』のギャリー・ウォシュバーン記者が報じた。

ブラウンはNBAでも数少ないエージェントを雇っていない選手のひとりだ。その代りに、彼は自らが助力を必要とした分野に特化した代理人を雇うことにした。例えば、アーロン・グッドウィンにはアディダスとのシューズ契約を助けてもらっている。

全体3位指名でNBA入りしたブラウンは、カリフォルニア大学時代の友人や教授を頼っている。いまだにエージェントを雇っていない。ブラウンは「何人かのエージェント会社と面談し、デュー・デリジェンスをしたけど、彼らが提供するサービスは自分に不要だと感じた」と、エージェント不在に満足していると述べた。

「本当に必要ないと思ったんだ。僕には優れた相談相手たちがおり、彼らがかなり助けてくれた。だから、(エージェントは)本当に必要なかったんだ」。

NBAのエージェントはこれまで力を伸ばしてきた。ブラウンのような世代は映画『ザ・エージェント』を知らないかもしれないが、テーマは変わっていない。プロアスリートになるためのひとつの要因は、自分の利益を守ってくれる洗練されたエージェントを雇うことだ。

だが、ブラウンは「エージェントとは何か、自分のことを話し、自分を代表する権利を与えるとはどういうことかを考えると、僕は両親から自分のことは自分が話し、自分で示せると教わってきた」と述べている。

「そう考えたときに、自分で自分を示し、自分で道を乗り越え、座って話し合うほうが良いと感じたんだ。自分が本当に必要としていることを知りもせずに、誰かが自分の代わりをする前に、自分が学ぶほうが良いとね」。

「すべては学習途上ということだったのさ。その最初が、ドラフトコンバインだった」。

昨年、シカゴでのコンバインに臨んだブラウンだが、付き添ったのは個人トレイナーだけだった。ブラウンは「ほかの人たちは多くが取り巻きやエージェントと一緒だったけどね」と振り返っている。

「僕らはワークアウトだけに集中していた。面白かったよ。いろいろなことに気付いたんだ。それをメモしておくように言われたよ」。

「面白かった。彼らの多くが赤ちゃんみたいだったんだ。対処する必要すらないことにも対処したり、自分でもできることを対処する人たちが周りにいるんだ。それは学ぶ邪魔になる。自分が何に向かっているかも分かっていなければ、何のためにエージェントが必要かも分からないだろう?」。

「僕は何が自分ででき、何ができないかを知りたかった。そして自分が最も必要とするところで誰かにいてほしかった。すべてをやるための人は必要なかったんだ。僕は専門化することを信じている。人は何かを得意としているのであり、誰もがすべてを得意にしているとは思わない。僕は、エージェントがいない選手の中で最高位の指名だったんじゃないかな」。

NBAにおいて、彼の決断は物議を醸した。だが、ブラウンは「好きな人もいれば、嫌いな人もいるだろう。僕はただ自分にとってベストなことをしようとしたまでだ。当時の僕にとって、エージェントを雇わないのは正しいことだった」と強調する。

さらに、ブラウンは「自分の選択肢を追求すべきだ」と、少なくとも自分で自分を代表する可能性を探るべきだと後輩たちに提案した。

「自分のことを自分で話し、自分のために自分が提案できるということを理解すべきだ。そのためのすべての点で誰かを必要とすることはない。僕のドラフト経験から学んでほしいことがあるとすれば、自分のために考えろということだね」。

原文:Will incoming rookies follow Jaylen Brown’s path? by NBA.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ