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なぜ、バスケットボール界はティム・ダンカンを抱きしめなかったのか

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7月11日に引退が発表されたティム・ダンカン。そのキャリアにおいて、彼の素晴らしさは広く認知されてきたわけではない。

その理由の一つは、少なくとも統計において、彼がベストの数字を残していないからだ。非常に優れたスコアラーだったが、得点王になったことはない。見事なリバウンダーだったが、平均リバウンド数でリーグのトップに立ったこともない。リングを守る守備力があったが、NBA最優秀守備選手賞を受賞したことはない。

皮肉なことに、それは彼が最高のパワーフォワードと広く評価されることにつながった。カリーム・アブドゥル・ジャバー以外で、これほどスキルに満ち溢れたビッグマンはいなかった。

そしてダンカンはNBA史上、最もコンスタントな選手の一人でもあった。年齢や負傷の影響が出るまで、10年近くにわたり、彼はリーグベスト5の座にあり続けたのだ。

ダンカンがライトなファンに共感されなかったもう一つの理由は、彼自身が望まなかったからだ。彼は自身がアイコンとなることを望まなかった。彼はただプレイし、勝って、そして家に帰ることを望んでいた。

バスケットボールの世界には、我々の注意を引きつけようとするアスリートたちであふれている。ダンカンはそれを避けた。スパーズのシーズンが終われば、10月に再びボールが動き出すまで彼の言葉を聞くことはない。南国のビーチにいるバカンスの写真がブログやソーシャルメディアで出回ることはなかった。

彼がシャキール・オニールやコービー・ブライアントのようにダンクをすることはなかった。アレン・アイバーソンのようにその世代のアイコンになることもなかった。ケビン・ガーネットのように我々を感情的にさせることもなかった。だから、我々は彼が終えるまで彼を無視したのだ。

ダンカンが我々を抱きしめることはなかった。だが、我々も彼を抱きしめることがなかったのだ。それが、我々が失ったものだ。

原文: Why the basketball world never embraced Tim Duncan by Sporting News(抄訳)


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