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ブルズにラジョン・ロンドがフィットする理由

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シカゴ・ブルズはドウェイン・ウェイドを7月29日(日本時間30日)にメディアに初披露する予定だ。その3週間前に披露されたのが、ラジョン・ロンドだ。

“ビッグネーム”であるウェイドに対し、ロンドは一部から疑問符をつけられている。だが、シカゴメディアのインタビューや、ラスベガスでのサマーリーグチームとのトレーニングなどで、ロンドは自身の加入がむしろ“感嘆符”であることを示した。

ロンドは「(ブルズとは)白紙の状態だと思う。ここにいることに興奮しているよ」と評判について述べた。

「僕は頑固と思われるかもしれないけど、本当にインテリジェントなんだ。多くの仕事をする。映像を見て、研究する。酷評されるかもしれないが、それで自分はビッグになったと思うんだ。年上の選手たちや、僕が尊敬する選手たちと話すけど、彼らは悪く考えていない。年輩のコーチたちとも話す。人は常に僕を疑問視してきた。これは初日だ。これからどうなるか、様子を見よう」。

ボストン・セルティックスで王者となり、オールスター選出は4回。ロンドの評価は揺るぎないものだ。だがこの夏、フリーエージェントの彼は長期契約に至らなかった。ブルズとの契約は1年で終わる可能性もある。

それは、ロンドが2012年に前十字じん帯の手術を受け、シーズンを棒に振り、2014年にはダラス・マーベリックスにトレードされ、昨季は審判への同性愛差別発言でチームとリーグから処分を科された選手でもあるからだ。

だが、ロンドを知る者は、彼が誰よりもバスケットボールに対して真面目で、研究熱心だと言うだろう。ロンドは「昨季は僕のベストシーズンの一つだったと思う」と述べる。

「ケガで欠場することもなかった。素晴らしい気分だ。ドウェインもそうだった。僕らは少し歳をとったかもしれないけど、より賢くなっていると思う。ウェイドとも話したよ。僕らはすごく才能のある、とても多才なチームになると思う。特にガードのポジションはね。個人的に対戦してきたような選手と一緒にプレイすること、そういう選手が味方なのは、いつだって素晴らしいことだ」。

チームメイトたちやコーチとの対立もあったロンドだが、それは大半の場合、ロンドが愚かな要求を決して受け入れなかったからだ。ロンドは自身とウェイド、ジミー・バトラーについて「僕らにはチームに3人のアルファ(一番)がいる」と述べている。

「大事なのは一緒に団結し、犠牲を払って、チームのためになることをやろうとすることだ。もちろん、僕はジミーのチームだと思っている。彼は最も若く、ここのエンジンなんだ。ジミー、ウェイドという風にそれが序列となる。僕が(うまくいくと)自信を持っているのは、これまでの経験からさ。僕はボストンでビッグスリー(ケビン・ガーネット、レイ・アレン、ポール・ピアース)とプレイし、彼らがいかに互いに影響し合うかを見てきた。練習ですべてが完璧である必要はないと知っているのさ。結局は、みんなに共通する一つの目標があれば、勝利を目指すなら、大事なのはそれだけなんだ。エゴを捨て去り、僕らみんなが共通の目標を持つんだ」

フレッド・ホイバーグ・ヘッドコーチは、ロンドにとって理想的なコーチかもしれない。ホイバーグHCはエゴを守ろうとしたり、誰かの知識に脅かされることはない。ロンドも「彼はエゴイスティックなコーチではないね」と話す。

「彼は選手たちがインプットすることを好むんだ。もちろん、僕も聞かれれば共有する。彼のオフィスに行き、いくつか映像を見て、チームにとって何がベストかを見つけるんだ」。

「僕はボールの回し方を、みんなの喜ばせ方を知っている。それが、僕が最もうまくやれることだと思う。それはスタッツに現れないけど、ゲームのことを分かっているということだ。僕は(デリック・ローズの)靴を履かない。まったく違うチームなんだ。デリックと僕は異なる。デリックのことはすごくリスペクトしているけど、僕はラジョン・ロンドでいるよ」。

ラスベガスでのサマーリーグの練習以降も、ブルズのコーチとさらにトレーニングをしたロンドは、「僕は本当にハードワークが報われると信じている」と述べた。

「メディアから遠ざかろうとしている。でも、僕は低姿勢でジムに通い続けた。できるだけ家からジムに行き、バスケットボールだけに集中してきた。最大限のハードワークをすれば、誰だって勝てるんだ。だからプレイするんだよ。システムやコーチがチームとして僕らに求めることを把握すれば、僕らはピークに達するはずだ」。

原文: WHY RAJON RONDO MIGHT BE A GREAT FIT IN CHICAGO by SAM SMITH/Bulls.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ