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ニックス新GM、スコット・ペリーの素顔

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ニューヨーク・ニックスのファンがカーメロ・アンソニーとクリスタプス・ポルジンギスのニュースを追いかけ、それぞれのチームでの未来について考察するなか、ニューヨークではそれよりも差し迫った問題を気にしている者たちもいる。

チームの新たなGMに就任したスコット・ペリーが、一体何を計画しているかを知りたいのだ。それ以上に、ペリーという人物がどういう人なのかも気になっている。『ニューヨーク・ポスト』のマーク・バーマン記者が詳細に解説している。

53歳でデトロイト出身の元大学コーチでもあるペリーは、これまで4つのNBAチームで働いてきた。なかでも注目すべきはピストンズで、2004年の優勝を含む2度のファイナル進出を先導した。

1970年代と1980年代にシカゴ・ブルズとフィラデルフィア・76ersの首脳陣のひとりとして活躍し、1989年にはオーランド・マジックのリーグへの加入に大きく関わったパット・ウィリアムズは、彼についてこう語った。

「彼はいわゆる”提灯持ち”ではない。しかしとても努力する。常に自分のビジネスのために動き、人付き合いや社交術にも長けている。いろいろなところで働いてきているが、どこにいようと舞台裏の人間だった。オーランドの新聞で彼の写真は見たことがないような気がするよ。今ではそれが逆になる。ニューヨークのスポットライトを浴びることになるんだ」。

25年前にマジックがドラフトロッタリーの勝者となってシャキール・オニールを指名した際に、ウィリアムズはステージ上でコミッショナーのデイビッド・スターンと握手を交わした。しかしペリーのオーランド在任中は、ドラフト運に恵まれることはなかった。

「あの期間中はロッタリーでの運があまりなかったね」と現在マジックでは名誉コンサルタントの役割を務めているウィリアムズは話した。

最近のドラフトでは、マジックは2013年の2位指名でビクター・オラディポ、2014年の4位指名でアーロン・ゴードン、同10位指名でエルフリッド・ペイトン、2015年の5位指名でマリオ・ヘゾニャをそれぞれ指名し、2016年11位で指名したドマンタス・サボニスをそのままサンダーにトレードし、サージ・イバカを獲得したが失敗に終わった。

「彼らはペイトンを過大評価しすぎた。彼は良いシューターではなく、多くのチームは彼のことをスターターではなく控えとして見ていた」とあるNBAチーム役員はコメントしている。

オラディポはうまく成長したが、マジックは彼をフリーエージェントになってしまうイバカ獲得のためにオクラホマシティへトレードした。そして結局オーランドはイバカと再契約できなそうだと判断し、再び格安のトレードで放出してしまったのだ。

しかしドラフトに関してはオーランドの大学スカウトディレクターであるマット・ロイドの影響がかなり強いため、ペリーは及第点だとウィリアムズは評価している。

それよりもウィリアムズは(ロブ)ヘニガンとペリーのコンビが最初にとった戦略を称賛した。2012年にトレードを要求していたドワイト・ハワードに応じたのだ。4チーム間によるトレードで、オーランドはエバン・フォーニエとアーロン・アフラロを獲得し、結果的にトレードに勝利した。しかしそこからは下り坂だ。

「スコットはトレードを指示していたが、良かったものもあれば悪いものもあった。Bマイナス、Cプラスくらいの評価かな。うまく融合することができず、難関を乗り越えることができなかったことでファンも落ち着きがなくなっていた。何かしなければならなかったのだ」。

ニックスはフィル・ジャクソン球団社長の元で3年間の混乱を経験しただけに、ミルズ&ペリーのコンビの採用は歓迎されている。ジャクソンの壮大な失敗を受けて、スーパースターヘッドコーチであることはフロントでの活躍を約束するものではないとウィリアムズは説明した。パット・ライリーを除いて、その転換をスムーズに行なえる者は少ないとウィリアムズは話している。

ウィリアムズはペリーの「謙虚さ」がこのコンビをうまく機能させるだろうと分析した。両者とも53歳だ。ウィリアムズはこう続けた。

「結果的に、良い雇用だ。スティーブには頼れる相手が必要だ。ツーマンで動くのが最近のトレンド。威圧されたり張り合う形ではなく、一緒に働いてくれる人材が彼には必要なのだ。スコットが彼の妨げになる心配をする必要はない。彼はこれまで働いてきたNBAチームで表に立つのではなく、裏から支えるタイプだった。スティーブの権力に従うことに関しては問題にならないだろう。彼は自分のキャリアでずっとそうしてきたからね。賢い採用で、とても効果的だ」。

原文:Who is Knicks GM Scott Perry? by NBA.com(抄訳)

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ