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戦力強化に成功したウォリアーズ

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ゴールデンステイト・ウォリアーズは、優勝メンバーの大半をチームに呼び戻すことに成功した。

若干のメンバー変更はあるものの、ウォリアーズは、およそ2か月前に優勝を成し遂げたメンバーをほぼ全員残し、2017-18シーズンを迎える。

ジャベール・マギーとの再契約も発表された今、来季ロスターに関する大きなクエスチョンマークは外れた。今夏ウォリアーズは、ロスターの半数以上がフリーエージェントになったものの、マギー、ステフィン・カリー、ケビン・デュラント、アンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストン、ザザ・パチューリア、デイビッド・ウェストらと再契約し、ディフェンディング王者として来季タイトルを守る陣容を整えた。

主力との再契約はウォリアーズにとって大きい。ウォリアーズは、昨季レギュラーシーズンとプレイオフを合わせて合計1万1531得点を記録したが、再契約した7選手を含む来季のチームに戻ってくるメンバーがそのうち960得点を除く全得点をマークした。これは、昨季リーグベストのオフェンスを誇ったチームが記録した総得点の91.7%にあたる数字だ。また、昨季から残留する選手たちは、昨季チームが記録した総アシストの93.7%、総リバウンドの91.4%、総スティールの90.9%、総ブロックの92.1%の数字を叩き出している。

同じく昨季の優勝に貢献したイアン・クラーク、マット・バーンズ、ジェームズ・マイケル・マッカドゥーは来季ウォリアーズに戻らないが、ボブ・マイヤーズGMは、退団した選手の穴を埋められ、チーム力を上げられるだけの3選手を獲得した。

今年のドラフトで1巡目指名権を持っていなかったウォリアーズは、ドラフト当日のトレードで全体38位指名権を獲得し、オレゴン大学出身フォワードのジョーダン・ベルを獲得。1年前のドラフトでも全体38位で指名されたパトリック・マコーを獲得したウォリアーズは、同選手が1年目に残したインパクトと同程度の影響をベルが与えてくれれば良いと考えているだろう。身体能力が高く、Pac-12の最優秀守備選手賞を受賞したベルには、昨季マッカドゥーがこなした役割が求められる。

ドラフトに続いて、マイヤーズGMはフリーエージェントのニック・ヤングとオムリ・カスピと契約。NBAキャリア10年のヤングは、昨季ロサンゼルス・レイカーズで平均13.2得点を記録したほか、自己最多となる年間170本の3ポイントショットを成功させ、3P成功率も40.4%を記録した。29歳のカスピは、昨季サクラメント・キングス、ニューオーリンズ・ペリカンズ、ミネソタ・ティンバーウルブズに所属。キャリア通算で36.7%の3P成功率を残している選手だ。

ベル、ヤング、カスピの加入に加えて、主力との再契約により、スティーブ・カー・ヘッドコーチは、ウォリアーズが昨季よりもレベルアップできると考えている。

カーHCは『NBCSportsBayArea.com』に対し「我々は間違いなく昨季よりレベルアップできる」と語った。

カーHCは、昨季NBA29位に終わったベンチ選手の3P成功数を改善させる必要があると主張する。

「昨季のロスターを見れば、ベンチからの3Pが欠けていたことがわかる」と語ったカーHCは、次のように続けた。

「イアンは素晴らしい仕事をしてくれた。それでもチームが求めるシューターの獲得という点において、我々は非常に高い能力を持つ2選手を獲得できた。2人は身長が201cm(ヤング)と206cm(カスピ)なので、スイッチもできて、複数のポジションを守れる。彼らはチームにフィットする選手だ」。

NBAファイナルMVPに輝いたデュラントは移籍2年目を迎え、さらに順応することが期待できる。また、サマーリーグではマコー、ベル、デイミアン・ジョーンズも活躍した。それだけに、カーHCは来季を楽観視しているのだろう。しかも、ここまで触れずに話を進めてきたが、これだけのメンバーにオールスターのドレイモンド・グリーン、クレイ・トンプソンもいるのだ。

ウォリアーズは、カーHCが指揮官に就任してからの3年間で多くのことを成し遂げた。それでも彼らは決して満足しない。2017-18シーズンにどういう結果を残せるかはわからないが、来季開幕を迎える陣容について、より理解を深められたはずだ。

原文:Warriors' Roster Reboot by Brian Witt/Warriros.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ