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ジョン・ウォール「ここで優勝し、永久欠番になるまで止まるつもりはない」

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NBAのスターたちが所属先を変えるとの見出しが相次ぐこの夏において、ワシントン・ウィザーズでキャリアを終えるつもりだというジョン・ウォールの宣言は、あまり注目を集めなかった。だが、現代のNBAにおいてこういった感情は珍しいという観点から、『Washington Post』のジェリー・ブリュワー記者は分析に値すると述べている。

2017-18シーズンの開幕時点で、2010年にドラフト指名された選手のうち、キャリアを通じてひとつのチームだけでプレイを続けてきた選手は、ウォールだけだ。

9位指名だったゴードン・ヘイワードは、フリーエージェントでユタ・ジャズからボストン・セルティックスに移籍した。そのセルティックスは、ヘイワードのサラリーのために、19位指名だったエイブリー・ブラッドリーをデトロイト・ピストンズにトレード。そして、10位指名のポール・ジョージも、インディアナ・ペイサーズからオクラホマシティ・サンダーにトレードされた。

7年前、1位指名されたウォールはただひとり、同じチームにとどまっている。

1年前の2009年組でチームを変えていないのは、ブレイク・グリフィン、ステフィン・カリー、デマー・デローザン。1年後の2011年組では、カイリー・アービング、トリスタン・トンプソン、ヨナス・バランチュナス、ケンバ・ウォーカー、クレイ・トンプソン、カワイ・レナード、ケネス・ファリードと人数が増える。ただ、最近はアービングがトレードを志願としたと言われており、バランチュナスとファリードもトレードの噂が後を絶たない。

サンアントニオ・スパーズが30年前にデイビッド・ロビンソンを指名して以来、ドラフト全体1位指名選手のうち、最初の10シーズンを同一球団で過ごしたのは何人かご存知だろうか。答えは2人のみ。アレン・アイバーソンとティム・ダンカンだ。

ウォールは最近、4年総額1億7000万ドル(約188億1000万円)の延長契約を結んだ。今後5シーズンはウィザーズでプレイするということで、6年目のオプションも手にしている。ウォールが31歳となるNBAでの12シーズン目までウィザーズにいるのはほぼ確実だ。オプションの6年目も4690万ドル(約51億9000万円)であることを考えれば、13年目も同じであることは確かだろう。

そして、ウォール自身は8月4日(日本時間5日)、「残りのキャリアずっといたいと望むチームだ。そうなることを願っている」と、引退までウィザーズでプレイしたいと述べた。

「ここで優勝してバナーを掲げ、永久欠番になるまで止まらないよ。前進を続けよう」。

ダラス・マーベリックスのダーク・ノビツキーは新シーズン、コービー・ブライアントと並んで歴代最長タイとなる同一チームでの20シーズン目を迎える。

ウォールはウィザーズでの3度目の契約を全うしたとしても、ノビツキーやブライアントに並ぶのにさらに7シーズンを必要とする。ウォールとウィザーズがそれほど長く関係を続けるつもりかどうかは分からない。

だが、今のNBAにおいて、ウォールはすでに素晴らしい何かを成し遂げた。スター選手がFAに惹かれることすらなく、3度目の契約を結ぶのは稀なことだ。2013年に総額8000万ドル(約88億5000万円)のマックス契約を結んだのは驚きではなかった。だが今回は…額こそ前回の倍以上とはいえ、ウォールは“慣習”に抗っている。

原文:Wall a star with his eyes set on staying put by NBA.com(抄訳)​

トレード&FA契約関連ニュース[2017夏版]


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ