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ウルブズGM、R・ルビオのトレードに関する噂を否定

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ミネソタ・ティンバーウルブズGMのミルト・ニュートンが、噂されるリッキー・ルビオ(ガード)のトレードを完全に否定したと、AP通信が伝えた。

ルビオは、昨季開幕前にウルブズと4年5600万ドル(約67億5000万円)の延長契約を結んだ。しかし、昨季は足首の深刻な負傷により22試合の出場にとどまり、その後手術を受け、リハビリとトレーニングを続けている。

今週から2015-16シーズンに向けたトレーニングキャンプがスタートする中、ウルブズがルビオをトレードするのではという憶測が一部メディアで報じられたが、ニュートンはAP通信の取材に対し、「リッキーのトレードに関する話など誰ともしていない。リッキーは今シーズン欠かせない選手だ。トレーニングキャンプから参加し、チームを引っ張ってもらうことを期待している」と、噂を完全に否定した。

昨季の新人王に輝いたアンドリュー・ウィギンズ、今年のドラフト1位新人カール=アンソニー・タウンズ、ザック・ラビーン、シャバズ・モハメドという若手中心のメンバーに、ケビン・ガーネット、アンドレ・ミラー、ケビン・マーティンら経験豊富なベテランを加えるなど、ウルブズは魅力的なロスターを組むことに成功。彼らを魔法のようなパスで操り、守備を切り崩すルビオに対する信頼が厚いからこそ、チームは大型契約を提示した。実際、ルビオの影響力の大きさを如実に示すデータもある。

NBA.comのスタッツによれば、ルビオがレギュラーシーズン82試合に出場した2013-14シーズンは、同選手の出場時、ウルブズは100ポゼッションで対戦相手よりも平均5.3点多く得点を記録。これは、100ポゼッション当たりの得失点差を示すネットレーティングで、同年のチーム内トップ2の数字。逆にルビオがベンチにいた時間帯は、ウルブズが100ポゼッションで対戦相手に平均6.7点差をつけられた。その差12点は、1人の選手の出場有無で生まれた得失点差としてはチーム最大で、如何にルビオの出場が好守に大きな影響を与えているかがわかる数字だ。

昨季のウルブズは、100ポゼッションで対戦相手に平均9.8点差をつけられた。しかし、ルビオが出場した22試合では、その数字が1.6点にまで下がっている(その差8.2点は、昨季10試合以上出場した選手を対象とした場合チーム内最大)。そしてルビオがベンチにいた、あるいは欠場した試合でのネットレーティングはマイナス11.5だった。

これだけ攻守に大きな影響を与えるルビオが抱える最大の問題は、先述どおり健康面の不安だ。そこでウルブズは、著名なフィジカルセラピストのアーニー・カンダーを招聘し、ルビオの健康状態を可能な限り安定させようとしている。また、バックアップとして獲得した39歳のミラーは、リーグトップクラスの知性を持ったポイントガードとして知られ、ルビオと同様に圧倒的なフィジカルに頼るプレーをしないため、良い手本になるはずだ。

ルビオが優れているのはオフェンスだけではない。スティールでもリーグトップクラスの数字を残し、ペリメーター内の守備にも優れているため、ガーネットとウィギンズとともに、昨季リーグワーストだったディフェンス改善にも欠かせない存在だ。

シュート、リム周辺でのフィニッシュは改善が必要だが、それもすべては健康な身体があってこそ言える。カンダーは、ここまで見た限り、ルビオの状態は良好だと話している。

「リッキーの足首は良い状態だ。調子も良さそうだし、順調に進んでいる」。

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ