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サンダーの2大エースがオールスターゲームで見せた輝きと存在感

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2月14日(日本時間15日)、エア・カナダ・センターで行なわれた第65回NBAオールスターゲームで31得点、8リバウンド、5アシスト、5スティールをマークしたラッセル・ウェストブルック(ウェスト/オクラホマシティ・サンダー)が、2年連続となるMVPを受賞した。196-173でウェストが快勝した今大会で大活躍を見せたウェストブルックとともに先発出場したサンダーのケビン・デュラントも23得点、5リバウンド、7アシストを記録するなど、オールスターゲームでもサンダーの2人が存在感を発揮。試合後サンダー公式サイトには、2大エースを称えるコラムが掲載された。


守から攻に素早く切り替え、ボールを手に持つラッセル・ウェストブルックの目の前に、リムまで容易に達することができる道が拓けていた――

普段から開催地トロントを本拠地とするトロント・ラプターズの試合を観慣れている現地のファンならば、この状況でウェストブルックが取る可能性が最も高かった選択肢は一目瞭然だったはずだ。実際、ウェストブルックがレーンに侵入した瞬間、客席にいたファンは、彼の獰猛なダンクが見られると声に出していた。だがその刹那、ウェストブルックはモンスターダンクを披露するのではなく、背後をちらりと確認後バックボードにボールを当て、待ち構えていたケビン・デュラントのリバースアリウープダンクをアシスト。196-173でウェストが勝利したオールスターゲームのハイライトの1つに過ぎなかっただろうが、史上初アメリカ国外での開催となった今回の球宴は、多くのファンの心に焼きついただろう。

勝利したウェストの中心選手として活躍したウェストブルックは、チームの初得点となったダンクを含め、31得点、8リバウンド、5アシスト、5スティールを記録し、ファンとメディアによる投票で決まるオールスターゲームMVPを昨年に続いて受賞。2年連続のオールスターゲームMVPは、1958年と59年に連続受賞したボブ・ペティット以来初の快挙だ(ペティットは59年のMVPをエルジン・ベイラーと分け合った)。

試合後ウェストブルックは、「歴史に名前が残るのだから、僕にとっても大きな意味がある。この試合の一部になれたこと、今回のような試合に参加させてもらえたことに感謝している。以前も言ったように、当たり前だと考えたことは1度もない」と、感謝の気持ちを言葉にした。

デュラントも相棒の活躍を自分のことのように喜び、「今夜も熱いプレイを見せたね」と、ウェストブルックを称えている。

「アイツの成功のすべてを見られているのは最高だよ。僕も興奮している。2年連続だよ。誰も成し遂げたことがないことじゃないか。(MVPトロフィーを)オクラホマシティに持ち帰るよ。アイツの活躍が本当に嬉しいんだ」。

前半終了時点での東西合計得点でオールスターゲーム史上最高の182点(ウェスト92-90イースト)に達した今大会は、後半もサンダーの2大エースがオフェンスの中心を担った。ウェストブルックが第3クォーター序盤に2本連続して3ポイントシュートを成功させて会場を沸かせると、デュラントも同Qに3アシストでウェストのオフェンスを盛り立てた。

レギュラーシーズンの試合ならば、対戦相手に一切容赦せず、冷徹で、誰よりも激しい競争心で戦いに臨むウェストブルックだが、この日は違っていた。コート上で笑顔を見せ、ダンスまで披露するなど、終始オールスターゲームの雰囲気を楽しんでいる様子だった。

わずか2年前はひざの負傷で球宴を欠場したことが、もう遥か昔の記憶に思えてしまう。それだけ昨年と今年のパフォーマンスの印象が強く残っているのだろう。

「楽しいよ。ファンにとっても良いことだと思う。先発に選出してもらえて凄く嬉しかった。僕に投票してくれたファンに感謝している。今日は楽しみながらプレイして、自分の時間を満喫したかった。ダンスや、笑顔を見せたりしてね。シーズン中は笑顔を見せることもあまりないから、オールスターウィークエンドは笑顔になって、楽しめればと思っていたんだ」。

原文:Westbrook Wins MVP, Durant Shines Bright in 65th All-Star Game by Nick Gallo/Thunder.com(抄訳)

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ