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NBAファイナル2017 第4戦でわかった3つのこと

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6月9日(日本時間10日)にクイックン・ローンズ・アリーナで行なわれたゴールデンステイト・ウォリアーズ対クリーブランド・キャバリアーズによるNBAファイナル2017 第4戦では、激しく感情がぶつかり合い、そしてファイナル史上に残る記録が生まれた。

試合展開に落ち着きが見られてからはキャブズの3ポイントショットも勢いが落ちたものの、137-116で快勝し、今ファイナルでの初勝利をマーク。依然としてシリーズ戦績ではウォリアーズが3勝1敗でリードしているが、キャブズファンは勝利を喜んだ。

キャブズが多くの記録を樹立した第4戦でわかった3つのことを振り返りたい。

1.レブロン・ジェームズ、カイリー・アービング、ケビン・ラブによる『ビッグ3』の破壊力

3選手がキャブズでプレイするようになって以降、負傷や休養という影響も重なり、揃ってプレイした時間は意外にも多くない。しかし第4戦では、3人共に好調の試合でキャブズに勝てるチームが限られていることが改めて証明された。

NBAファイナル史上最多9回目となるトリプルダブルを達成したジェームズは、アウトサイドショットの感覚を取り戻した。また、ジェームズが果敢にアタックすることで3Pの効果が倍増。ラブだけではなく、第4戦で40得点を記録したアービングも3Pラインより手前の位置で待ち構え、相手にダメージを与えた。

すでにNBA屈指のガードの一人という評価を得ているアービングは、ドライブからゴールにアタックする場合でも、アウトサイドからショットを打つ場合でも、躍動感のあるプレイでウォリアーズのディフェンスを苦しめた。

2.ドレイモンド・グリーンは過去の過ちから学んでいない

実際に起こり得るかはわからないが、第4戦を見た限り、いつかはグリーンも過去の過ちから学ぶ日が来るのかもしれない。ただ、感情を露にする反応は変わらないだろう。

グリーンは、ファウルをコールされるたびにテクニカルファウルを科される危険性を伴うアクションを起こしている。第4戦では、キャブズのイマン・シャンパートに対しファウルをはたらいた際、頭部を叩くという不可解な行動をとった。

第3クォーターには同試合で2回目のテクニカルファウルがグリーンにコールされたと思われたのだが、第1Q中のテクニカルはグリーンではなく、スティーブ・カー・ヘッドコーチに対してのものだったと試合後に審判団が説明。いずれにしても、グリーンは、コート上で完璧な存在でないことを学習する必要がある。ファウルを犯し、審判が見落とさないケースもあるのだから。

3.記録樹立がキャブズを救うわけではない

第4戦前半のパフォーマンスはキャブズファンにとって喜ばしい内容だっただろうが、ウォリアーズを下すには不十分だ。

3勝1敗でリードしているウォリアーズが週末だけを使って守備を改善させるのは難しいかもしれないが、第5戦は彼らの本拠地オラクル・アリーナで開催される。ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンは、第4戦でこそオフェンスが振るわなかったものの、第5戦では調子を上げてくるだろう。

1年前は、キャブズが圧倒的に不利な状況から挽回できることを証明した。しかし、今のウォリアーズを相手に、第4戦での勝利を含む4連勝達成の可能性は極めて低いと言わざるを得ない。

原文:NBA Finals 2017: Three things we learned from exhilarating Game 4 by Alec Brzezinski/Sporting News(抄訳)

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