カイル・クーズマに求められる次なるステップ

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ルーキーシーズンと2年目の間のオフシーズンが、キャリアにおいて最も重要な期間の一つという声は少なくない。だからこそ、ロサンゼルス・レイカーズのカイル・クーズマは、その貴重な時期を生かし、肉体を作り変え、レジェンドの一人からのレッスンを吸収した。ロブ・ペリンカGMは『ESPN LA 710』で「開幕戦でコートに入ったときに、彼の肉体がまったく変わったことが分かるだろう」と述べている。

「背中や肩回りがより強くなった。彼は何度かコービー(ブライアント)と練習し、フットワークを鍛えたんだ。大きく変わったよ」。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

The time with the @nikebasketball family was dope this week. Got in that good work! #FutureOfTheGame

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クーズマは4月、フロントから「常に試合に出られるレベルに体を整えろ」と言われたと明かしている。23歳の彼は、筋肉をさらに身につけることを土台にそれを実践したようだ。

より強く、より速くなることは、ほぼすべての選手に役立つ。ただ、コービー・ブライアントからフットワークをレッスンしてもらい、それを練習に生かせる選手はごくわずかだろう。

ルーキーシーズンのクーズマは、彼がそういう類の選手であることを示した。スカイフックやターンアラウンドからのジャンパー、スピンムーブなど、クーズマのシュートのバリエーションの豊富さは、たいていのベテラン以上だ。特にベースラインでのフェイダウェイは、ブライアントのトレードマークを思い起こさせる。

NBAの歴史において、ブライアントのフットワークが最高級だったのは議論の余地もない。クーズマは、すでにその分野でトップクラスにある。ブライアントのレッスンによって、クーズマは2年目以降、スコアラーとしてのポテンシャルをさらに発揮できるようになるかもしれない。

新人ながら、クーズマはアイソレーションからの得点で1ポゼッションあたり1.12得点を記録した。アイソレーションからのショットを50本以上放った選手のうち、この数字を上回ったのは、MVPのジェームズ・ハーデン(1.22)と、カイル・ラウリー(1.15)だけだ。ポストアップでも平均1.01得点、ショット成功率58%と見事な数字を残した。

何もないところからショットに持ち込めることほど、今のNBAにおいて貴重な選手はいない。クーズマはそういう選手の一人のようだ。その彼が、歴代最高のショットクリエイターの一人であるブライアントと、オフシーズンにトレーニングしたのである。

アイソレーションとポストアップでのクーズマの決定力は、彼が確かな現代的スキルを持つことを示している。

伝統的なパワーフォワードとしてプレイしていた大学時代のクーズマは、ルーキーとしてもっと自由に3ポイントショットやボールハンドリング、前述のスカイフックなど、独特な強みを生かすことを許された。

4月、クーズマはフロントからそのまま進むことを望まれており、典型的なビッグマンとしての責任に集中するより、「本当にただの一人のバスケットボール選手として夏に臨む」ことを求められていると明かしていた。クーズマのスキルを考えれば、レイカーズ上層部の判断は驚きではない。

クーズマはすでにレイカーズのベストシューターの一人だ。昨季は新人としてリーグ歴代4位の3P(159)を決めている。スクリーンからのショットは成功率が35.2%だが、純粋な彼のシュート能力と、今後のフットワークがあれば、この分野でも伸びるポテンシャルはある。

同様に、そのボールハンドリング能力から、クーズマはピック&ロールで相手のビッグマンを苦しめられるはずだ。ボールハンドラーとして平均を下回る数字ではあったが、ロンゾ・ボールやブランドン・イングラムの負傷でよりボールを持つ機会があったシーズン最後の2か月は確実に改善されていた。

ボールやイングラムに加え、レブロン・ジェームズにラジョン・ロンドと、レイカーズにはボールハンドラーがたくさんいる。だが、ピック&ロールからの攻撃がより巧みになることがクーズマにとって成長になるのは確かだ。

昨季のクーズマは、チームメイトたちの負傷でスモールフォワードとしてプレイしなければいけなかったときに、ピック&ロールを使う機会が増えた。

レイカーズにはイングラムやケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、ジョシュ・ハート、ランス・スティーブンソンなどウィングの選手が多くいる。だが、82試合のシーズン中にケガという予測できない事態があることを考えれば、ポジションの柔軟性はクーズマにとって重要だ。

4月にクーズマは「コーチングスタッフが3番としてプレイさせてくれたのは、僕が成長する上で本当に役立った」と述べている。

「おそらくこれまで僕が見せたことがないものを見せることができた。ここに来るまではウィングでプレイする機会がまったくなかったんだ」。

守備での効率も向上したところを見せている。新たなチームメイトで、オールディフェンシブチームに4回選出されているロンドからレッスンを受けることができた。

ルーク・ウォルトン・ヘッドコーチは『ESPN LA 710』で「オフシーズンに(ロンドが)クーズマをビデオルームに連れていき、担当者と2人だけでクーズマの守備の映像を見ていたんだ」と明かす。

攻撃面での才能がいかに素晴らしいかを考えれば、クーズマには守備面で大きな改善の余地がある。6フィート9インチ(約206cm)、220ポンド(約100kg)にもかかわらず、クーズマはポストアップからポゼッションあたり平均0.89得点を相手に許している。

だが、相手のほうが大きいことが多い若手にとっては悪い出発点ではない。そして、オフシーズンにクーズマが目に見えて筋肉をつけてきたことは助けになる。

クーズマの守備面の成長は、レイカーズのスイッチディフェンスにとっても重要になり得る。

ゴールデンステイト・ウォリアーズやヒューストン・ロケッツ、ボストン・セルティックスなど、プレイオフでも勝ち上がっていった球団たちが、相手のスターと争う上でスイッチディフェンスを用いてから、レイカーズはNBAのどのチームよりもスイッチをしている。

そして、スイッチで最も重要な側面は、堅実な守備ができる5選手をコートに同時に立たせられるかどうかだ。1人でも平均を下回れば、相手はその選手が不利なマッチアップで苦しむまでスクリーンを狙ってくる。

レイカーズはジェームズをセンターとし、その周囲に若手の核となる選手たちを置くスモールラインナップで攻守に力を発揮する可能性もある。

ジェームズはオールディフェンシブチーム選出6回の選手だ。ボールやハート、そしてリーチのあるイングラムは、守備のポテンシャルを見せてきた。

チームの攻撃にとって重要な得点力を持つクーズマが、ハーデンやケビン・デュラントのようなオールスター選手たちに対し、まずまず効果的なスイッチをできるかどうかは重要なのだ。

昨季のクーズマはアイソレーションでの守備に難があった。対戦相手に平均1.02得点を許している。だからこそ、相手はしばしば彼を攻めたのだ。昨季、アイソレーションで打たれたショットは102本。これはチームで2番目に多い数字だ。

速い足の動きと本能を備えるクーズマが守備面で良い兆しを見せているのは朗報だ。仕事ぶりに疑う余地はなく、ポテンシャルも明白。そのクーズマが守備をいかに早く強化できるかが、レイカーズのベストラインナップの可能性において非常に重要な鍵となる。

原文: The Next Steps: Kyle Kuzma by Joey Ramirez/Lakers.com(抄訳)​


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ