ジカウィルス感染症の脅威はあるものの、USAバスケットボールが、コーチK(マイク・シャシェフスキー代表ヘッドコーチ)にとって最後の五輪を台無しにするつもりは毛頭ない。
リオ五輪に出場する代表メンバーは、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、アンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)、ラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)、ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)、クリス・ポール、ブレイク・グリフィン(共にロサンゼルス・クリッパーズ)らが出場を辞退したため、周囲が期待したスター選手による豪華な顔ぶれにはならなかった。ジョン・ウォール(ワシントン・ウィザーズ)、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、ゴードン・ヘイワード(ユタ・ジャズ)も、五輪に出場できる可能性が最も高いと見られた今大会の出場を辞退したが、それでも今回のメンバーにはトップ選手が集まった。
正式発表は6月27日(日本時間28日)となるが、チームUSAの先発を予想してみたい。
リオデジャネイロ五輪に出場するチームUSA内定メンバー
カーメロ・アンソニー/ニックス、フォワード(2016 NBAオールスター)
ハリソン・バーンズ/ウォリアーズ、フォワード
ジミー・バトラー/ブルズ、ガード(2016 NBAオールスター)
デマーカス・カズンズ/キングス、センター(2016 NBAオールスター)
デマー・デローザン/ラプターズ、ガード(2016 NBAオールスター)
ケビン・デュラント/サンダー、フォワード(2016 NBAオールスター)
ポール・ジョージ/ペイサーズ、ガード(2016 NBAオールスター)
ドレイモンド・グリーン/ウォリアーズ、フォワード(2016 NBAオールスター)
カイリー・アービング/キャバリアーズ、ガード
ディアンドレ・ジョーダン/クリッパーズ、センター
カイル・ラウリー/ラプターズ、ガード(2016 NBAオールスター)
クレイ・トンプソン/ウォリアーズ、ガード(2016 NBAオールスター)
上記リストを見てもわかる通り、2016年のオールスターに選出されなかったのは僅か3選手のみ。しかし、アービングは2015年のオールスター選手で、2015-16シーズン優勝チームのメンバー。ジョーダンは2015-16シーズンのオールNBAファーストチームに選出され、バーンズは直近2シーズンNBAベストと言われるチームの先発選手で、3選手共に実力は申し分ない。
チームUSA先発ポイントガード予想
昨季の個人成績ではアービングよりもラウリーが上回っている。だが、もしカリー、ポール、ウェストブルックが出場を辞退していなければ、ラウリーが代表に選出されることはなかった。アービングはNBAでのキャリア初優勝を経験し、2014年のFIBAワールドカップでチームUSAの先発PGを務めるなど、国際大会での経験もある。また、2016 プレイオフでは、イースタン・カンファレンス・ファイナルでラウリーのラプターズを下しているだけに、今大会でも先発PGとして起用される可能性は高い。
チームUSA先発シューティングガード予想
トンプソンもデローザンも、2014年のワールドカップでは控えに回り、カリーが先発SG、ハーデンが先発スモールフォワードとして出場した。バトラーは初選出だが、デローザンよりもシュートが上手く、トンプソンよりもハンドリングに優れる万能型だ。今回のメンバーでは、SFに選手が集中しているため、上記3選手はSGでの起用になるだろう。
過去の実績を踏まえれば、トルコで開催された2014年のワールドカップでも優勝に貢献したトンプソンが先発に起用される可能性が高い。ベンチからは主にバトラーが出場し、デローザンはチャンスがあれば出場時間を得られるような形になるだろう。
チームUSA先発フォワード予想
今回のメンバーに選出されたフォワード5選手中4選手は、NBAではスモールフォワードとして起用されている。ただ、スモールラインナップを選択した場合、これら4選手はパワーフォワードでもプレイが可能だ。万能性に優れるグリーンは、国際大会での経験が少ないため、おそらくPFかセンターのベンチ要員になる見込み。バーンズが先発で起用される可能性はゼロではないだろうが、過去の実績を踏まえ、先発の一角はデュラントに決定だ。
もう1人の先発フォワードを争うのはアンソニーとジョージの2選手ということになる。デュラントと組ませるのであれば、ディフェンス、シュートでアンソニーより優れるジョージの方がフィットするかもしれない。しかし、ベテランのアンソニーは、今回のメンバーの中で、誰よりもアメリカの勝利に貢献したいという意識が強い。そのため、デュラントがSF、アンソニーがPFで先発出場すると見て良い。
チームUSA先発センター予想
グリーンを先発センターで起用するというオプションもある。しかし、国際大会ではNBA選手をも上回るサイズのビッグマンが出てくることもあるため、シャシェフスキーHCは、サイズにはサイズで対抗する策を好むはず。才能ではカズンズ、ロールプレイヤーとしての評価ではジョーダンが上回っている。国際大会での経験を考慮すれば、先発はカズンズで落ち着くだろう。
チームUSAデプスチャート予想
PG:カイリー・アービング/カイル・ラウリー/(バトラー)
SG:クレイ・トンプソン/ジミー・バトラー/デマー・デローザン
SF:ケビン・デュラント/ポール・ジョージ/ハリソン・バーンズ(デローザン)
PF:カーメロ・アンソニー/ドレイモンド・グリーン/(デュラント)/(バーンズ)
C:デマーカス・カズンズ/デアンドレ・ジョーダン/(グリーン)
*()内は第2のポジションとして起用される可能性がある選手。
十分に金メダル獲得が可能なロスターになったのではないだろうか。
原文:Team USA roster, projected depth chart for men's basketball at Rio Olympics by Adi Joseph/Sporting News