リオデジャネイロ・オリンピック男子バスケットボールのグループAで2連勝したアメリカ代表は、「エキシビションシーズン」を終えた。
オリンピックが開幕したのは8月6日(日本時間7日)だが、ここまでの2試合はエキシビションの延長のようなものだった。中国とベネズエラとの2試合で、アメリカは計101点差をつけて勝利を収めている。
おそらく、次からはようやく面白くなる。少なくともこれまで以上に面白いはずだ。予選リーグ残り3試合の相手は、オーストラリア、セルビア、フランス。そして、10日(同11日)に対戦するオーストラリアは、突如としてアメリカにとって予選リーグで、そしておそらくは大会を通じて最も厳しい相手となっている。
ニュージーランドとの2試合を経て大会出場権を手にしたオーストラリアに対し、特に欧州など他国代表はより厳しいルートで予選を乗り越えてきた。開幕前にアメリカを追う2番手とみられていたのは、フランス、リトアニア、セルビア、スペインだ。オーストラリアは直近のFIBAランキングで、これらの国やアルゼンチン、ブラジルの後塵を拝している。
しかし、オーストラリアは開幕から2試合で、フランス、そしてセルビアと、欧州のトップ4に入る2チームを下した。アメリカがここまで対戦してきた2チームにNBAの選手がいないのに対し、オーストラリアには6選手がいる。だが、それだけではない。彼らはアメリカ以外でベストのプレイをしているのだ。そして、彼らはアメリカとの対戦を恐れていないだろう。
アンドリュー・ボーガットは「最高のテストだ」と意気込んでいる。
「彼らは世界最高だ。勝ち負けだけじゃなく、僕らはアメリカと競えるという気持ちで試合に臨めたら、僕らはそれを喜ぶだろう。彼らを恐れ、試合前からシューズにサインしてもらったり、ジャージにサインしてもらっていては、勝てないだろうね」。
オーストラリアにはマシュー・デラベドーバとパティ・ミルズというボールハンドラーが2選手いる。ミルズは2試合で47得点とオーストラリアの得点王で、デラベドーバは2試合で23アシストを記録。ターンオーバーはわずか1だ。NBAではベンチメンバーだが、彼らと対峙するアメリカ代表の守備は一緒にプレイしてまだ3週間しか経っていない。
セルビア以上に激しい守備ができるアメリカだが、ベネズエラ戦では序盤のファウルで第1クォーターは相手を試合にとどまらせてしまった。そして、オーストラリアのパスはベネズエラのそれを大きく上回る。
普段は1試合ずつ集中するアメリカのマイク・シャシェフスキーHCも、ここまでのオーストラリアを警戒しており、デラベドーバやボーガットについて「大会屈指のパサー」と称賛した。
過去2大会のオリンピックで、アメリカは準々決勝でオーストラリアを下してきた。北京では31点差、ロンドンでは33点差での勝利だった。だが、今回の相手はアメリカが対戦してきたなかで最高のオーストラリアだ。
オーストラリアはすでにグループAの2位につけ、決勝トーナメントでアメリカと反対側の山に入る位置につけている。10日のアメリカ戦を終えると、残すは中国、ベネズエラとの対戦だ。
シャシェフスキーHCは「彼らは我々を倒すことができる」と、オーストラリア戦に向けて気を引き締めた。
「我々はそれを知っており、しっかり準備をする」。
一方で、ジョー・イングルズも「僕らは勝利を目指す」と強調している。
「僕らはそれに集中していると思う。この大会で何か特別なことを成し遂げられると信じている」。
原文: Team USA faces first real test Wednesday versus Australia by JOHN SCHUHMANN/Nba.com(抄訳)