NBA

カール・アンソニー・タウンズ インタビュー「スキルを磨いていればNBAにいる彼らの目に留まる可能性もある」(青木崇)

Sporting News Logo

NBA1年目を終えたカール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)は、ドラフトNo.1ピック(2015年)の期待を裏切ることなく、全82試合に出場して平均18.3点、10.5リバウンドの数字を残し、ダブルダブルも51回達成した。ルーキー・オブ・ザ・イヤーに文句なしの選出となった20歳の若者は、ウルブズが直面している長い低迷からの脱却する原動力になることが期待されている。

そんなタウンズも、ほんの数年前はNIKE ALL-ASIA CAMPに参加した選手たちと同じような立場にいた。しかし、恵まれたサイズを武器にしながら、スキルのレベルアップ、フィジカルを強くするための努力を続けたことで、NBAでプレイするチャンスを手にしたのだ。素晴らしい1年目を過ごした後、キャンプのゲストとして北京にやってきたタウンズに話を聞いた。



Photo by Nike Japan

――満票でのルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞、おめでとうございます。

ありがとう。最高だ。たくさんの人たちに支えられ、このような名誉を受けられることができてうれしいよ。

――他のルーキーたちとの違いは、どこにあったと思いますか?

ティンバーウルブズという素晴らしい組織や、チームメイトのおかげだと思う。また、コーチングスタッフやトレーナーが毎日僕をプッシュしてくれ、トラブルから遠ざけてくれた。より良い選手になるために、とにかく毎日継続して取り組み、その結果がついてきただけ。そして、彼らとプレイできたことをうれしく思っている。

――個人として良いシーズンであったと思いますが、チームとしてシーズンを振り返ってどうでしたか?

正しい方向には進んでいると思う。16勝から29勝に勝利数が伸びたことは、大きな意味を持っている。しかし、自分たちの目標としているところには到達できなかった。ファイナルへ出場し優勝できるようなチームになれるよう、一歩ずつ進んでいきたいと思っている。

――チームの中での役割は?

勝利のために貢献すること。エネルギーをチームに与え、ビッグマンとしてオフェンスでもディフェンスでも貢献すること。口だけではなく行動で示し、チームを引っ張っていくことだ。

――このキャンプの印象を教えてください。

背の高い選手が多く、サイズもある選手が多いと感じている。NIKEが主催してくれているこのキャンプは、子どもたちにとってトップのコーチたち(NBAのコーチたち)が集まっていて、とても素晴らしいチャンスを提供していると思う。スキルを磨いていれば、NBAにいる彼らの目に留まる可能性もある。

――彼らのサイズはあると言っていたけれど、何が足りないと思いますか?

16歳ぐらいだから選手たちはまだ若い。身体を作ることや、僕がやっているフットワークなどを身につけることが必要だ。この時期は学ぶ時期であり、いろいろ話を聞いて、なりたい選手になるために学ぶ必要があると思う。とにかく学ぶことが大切だよ。

――過去にこのようなキャンプに参加したことがあると思いますが、あなたはどういう姿勢、気持ちで挑みましたか?

(キャンプに参加している)子どもたちにも伝えたけれど、話を聞くという姿勢を大切にした。コーチたちの話を聞くことに集中していたものだよ。NBAのゲームは変化してきているけれど、ディー・ブラウン(ボストン・セルティックスなどで活躍したポイントガード)をはじめとするエキスパートたちが集まっているこのキャンプで大切なことを吸収すれば、間違った選択が少なくなると思う。

――あなたの学んだトレーニングやスキルで、NBAに入った今でも通じているものは何ですか?

フットワークや角度(アングル)、小さなトリックなどは今でも通用する。僕は年齢が若いけど、おじさん(大ベテラン)のようなプレイをするので、それらがいまだに通用していると感じている。

――次は2年目ですが、来シーズン自分自身に期待することは?

来年はベテランになるから(笑)、昨シーズンに気付いたものをさらに積み上げていく。自分がなりたい選手になるため、一歩ずつ進んでいくだけだ。チームが勝ち、プレイオフに出場できるためのプレイをしていきたい。

――NBAで10年以上プレイしたあと、医者になりたいという記事を見ましたが、本当ですか?

そうだよ。運動学に興味があるから学びたい。手が大きすぎて外科医にはなれないと思うけど(笑)。トレーナーやスポーツトレーナーになって、身体のことについていろいろ知りたいと思っている。この身体のおかげでNBAでプレイでき、このおかげでいろいろなチャンスをもらっている。

――日本のファンへ向けてメッセージを。

1年目はとてもタフだったけれども、応援し続けてくれてありがとう。今いろいろな練習をしているし、もっとスムーズな僕を見せられると思うよ。来シーズンも僕のプレイを見てもらえるのを楽しみにしている。

取材日:6月8日
取材協力:NIKE ALL-ASIA CAMP
写真提供:NIKE JAPAN

文:青木崇 Twitter: @gobluetree629

>>> 青木崇バックナンバー


著者