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2016 NBAファイナル: ウォリアーズ vs キャブズ スタッツ徹底比較

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レギュラーシーズン73勝9敗という前人未到の記録を更新したゴールデンステイト・ウォリアーズは、オクラホマシティ・サンダーとのウェスタン・カンファレンス・ファイナルで1勝3敗と追い詰められながらも、第5戦から3連勝で逆転勝利を収めた。

対するクリーブランド・キャバリアーズは、今年の1月、当時イースタン・カンファレンス首位を走りながらもデイビッド・ブラット前ヘッドコーチを解任するという荒療治を施したものの、その後、大きな問題もなく2年連続でファイナルまで辿りついた。

経緯はもはや関係ない。

両チームは、1年前と同じく、NBA最高峰の舞台で、優勝をかけて争うことになった。

ファイナル史上、2年連続で同一カードが実現したケースは今回を除いて13例ある。そのうち、最初の対戦で優勝したチームが2連覇を達成したのは6回、1度目の対戦で敗れて2年目にリベンジに成功したケースは7回だ。

史上14回目となる2年連続同一カードとなった今季最後のシリーズは、6月2日(日本時間3日)から始まる。そして今後4~7試合の間に、ウォリアーズの2連覇、もしくは、レブロン・ジェームズにとって悲願となるキャブズでの初優勝が決まる。

決戦を前に、両チームの注目すべき数字を紹介しよう。


ゴールデンステイト・ウォリアーズ(73勝9敗)

1回戦: ヒューストン・ロケッツに4勝1敗で勝利
C準決勝: ポートランド・トレイルブレイザーズに4勝1敗で勝利
C決勝: オクラホマシティ・サンダーに4勝3敗で勝利

48分間あたりの平均ポゼッション数: 101.7(リーグ1位)
100ポゼッション当たりの平均得点: 109.8(同2位)
100ポゼッション当たりの平均失点: 100.9(同5位)
100ポゼッション当たりの得失点差: +8.9(同2位)

プレイオフでの注目スタッツ

◆プレイオフ戦の第4クォーター中、対戦相手より100ポゼッション当たり平均16.4得点上回っている(リーグ1位)。

◆第4Q残り5分以内で5点差未満の試合で、3ポイントシュート24本中13本(成功率51%)を成功させている。ステフィン・カリーは、同条件下で12本中9本成功、クレイ・トンプソンは6本中1本成功。

◆対象となる選手が出場している時間と、出場していないときの得失点差を示す「プラスマイナス」で、ドレイモンド・グリーンは今プレイオフで出場した639分間で+117点、ベンチにいた182分間で-8点を記録している。また、「コンテステッドショット数」(相手がシュートをリリースした際に手を伸ばす、もしくは相手選手との距離を詰めて阻止しようとしたシュート数)で、グリーンはリーグ最多となる合計271本を記録している。

◆トンプソンは、コーナーからの3Pを46本中23本成功させている(同1位)。そのうち16本を右コーナーから決めている。キャッチ&シュートでもリーグ最多となる22本の3Pを成功させている。

◆ウォリアーズの“死のラインナップ”(カリー、トンプソン、アンドレ・イグダーラ、ハリソン・バーンズ、グリーン)は、サンダーとのカンファレンス・ファイナル第3、4戦で19分間プレイし、得失点差-41を記録したものの、これらの試合以外で出場した53分間では+40を記録した。レギュラーシーズンとプレイオフを合わせると、このラインナップは48分換算で141-109と相手を圧倒している。


クリーブランド・キャバリアーズ(57勝25敗)

1回戦: デトロイト・ピストンズに4勝0敗で勝利
C準決勝: アトランタ・ホークスに4勝0敗で勝利
C決勝: トロント・ラプターズに4勝2敗で勝利

48分間あたりの平均ポゼッション数: 91.8(リーグ14位)
100ポゼッション当たりの平均得点: 116.2(同1位)
100ポゼッション当たりの平均失点: 102.9(同9位)
100ポゼッション当たりの得失点差: +13.4(同1位)

プレイオフでの注目スタッツ

◆第1~4Qにかけての100ポゼッション当たりの平均得点は、123.3点から106.5点に減少しているものの、同条件下での100ポゼッション当たりの平均失点は110.4点から94.2点に減っている。

◆ドライブ回数は平均23.1回(リーグ最少)。

◆3Pレンジからのシュート率(全体のFGのうち3Pの率)は、リーグ最多の40.8%。今季レギュラーシーズンに記録した35.2%から5.6%上昇している。プレイオフでの3P成功率43.4%はリーグ最高(レギュラーシーズン中は36.2%)。

◆J.R.・スミス(46.2%)、カイリー・アービング(45.6%)、ケビン・ラブ(44.6%)は、プレイオフで最低50本以上の3Pを放った21選手の中で、それぞれ1位、2位、5位の成功率をマーク。仮にチャニング・フライが3Pをあと5本試投していた場合、スミスを上回り同1位の成功率を記録していることになる(フライはC決勝まで45本中26本成功、成功率は57.8%)。

◆アービング、ジェームズ、ラブ、スミス、トリスタン・トンプソンの先発ラインナップは、プレイオフ中100ポゼッション当たりの得失点差でリーグ最多となる+21.4点を記録。

◆マシュー・デラベドーバ、イマン・シャンパート、リチャード・ジェファーソン、ジェームズ、フライのラインナップは、最低50分間出場した5選手によるラインナップの中で、100ポゼッション当たり対戦相手を46.6点上回っている(リーグ最高)。

◆ラブ(41本中19本成功)とスミス(28本中17本成功)は、コーナーからの3P成功数で、それぞれリーグ2位と3位(1位はウォリアーズのトンプソン)。


直接対決戦績

15-16レギュラーシーズン: ウォリアーズの2勝0敗
2015年12月25日 @GSW: ウォリアーズ 89-83 キャブズ
2016年1月18日 @CLE: ウォリアーズ 132-98 キャブズ

48分間あたりの平均ポゼッション数: 98.2
ウォリアーズの100ポゼッション当たりの平均得点: 112.3
キャブズの100ポゼッション当たりの平均得点: 92.3

15-16シーズン直接対決時の注目スタッツ

◆キャブズがウォリアーズ戦で記録した100ポゼッション当たりの平均得点(92.3)は、今季キャブズが対戦した29チームの中で最少。ファストブレイクからの平均得点(3.0)も、同じく今季最少。

◆ウォリアーズの“死のラインナップ”は、レギュラーシーズン中の2試合では起用されなかった。

◆グリーンは今季のキャブズ戦で平均19.0得点、11.0リバウンド、8.5アシストを記録。ショーン・リビングストンは、今季のキャブズ戦でフィールドゴール11本中10本成功。

◆アービング、ジェームズ、ラブのビッグ3は、今季のウォリアーズ戦で25本中わずか3本しか3Pを決めていない。ジェームズ(4本中0本)、ラブ(2本中0本)に至っては、ミッドレンジからのシュートを1本も成功させられなかった。

◆ジェームズがウォリアーズ戦2試合で記録したプラスマイナス(-43)は、レギュラーシーズンのシリーズでキャリアワースト2位の数字(同1位は、2011-12シーズンのボストン・セルティックスとの3試合で記録した-44)。

原文: NUMBERS PREVIEW: THE FINALS by John Schuhmann/NBA.com (抄訳)


2016 NBAプレイオフ試合結果


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NBA Japan Photo

NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ