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キャブズがJ.R.・スミスを獲得した理由

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クリーブランド・キャバリアーズは、現地20日に行なわれたイースタン・カンファレンス決勝第1戦を97-89で勝利した。最大の勝因は、球団記録となる8本の3ポイントシュートを決めたJ.R.・スミスだった。カイリー・アービングが右ひざの負傷に苦しめられ、レブロン・ジェイムズも足首を痛めたキャブズにとって、スミスの活躍は、嬉しい誤算だっただろう。今年の1月にニューヨーク・ニックスを含む3チーム間トレードでキャブズにやってきた“救世主”について、NBA.comのショーン・パウエル記者が考察している。

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クリーブランド・キャバリアーズが今年の1月にJ.R.・スミスを獲得した際、誰もがリスクを懸念しただろう。キャブズにとって必要だったのは、守備に優れるイマン・シャンパートで、スミスは“オマケ”にすぎなかった。それ故、これまでに何度となく素行不良でリーグから処分を受けているスミスが、アトランタ・ホークスとのイースタン・カンファレンス決勝第1戦で爆発したことは、ボーナスという意見も少なくない。

しかし、思い返してみて欲しい。スミスは過去にシックスマン賞を受賞した実力者なのだ。一般的には、オフェンス重視で、守備への対応は2歩も3歩も遅れると言われてはいるが、それが事実なら、キャブズは獲得しなかったのではないだろうか。

スミスとシャンパートをニューヨーク・ニックスを含む3チーム間トレードで獲得した今年の1月、キャブズは不振に喘いでいた。スミスに対する懸念は多かったが、キャブズは勝利のために必要な人材を加えたのだ。以前からスミスと交流があったというレブロン・ジェイムズは以前、こう話していた。

「彼とはNBAに入る前からの付き合いで、僕の地元で何度か一緒に練習したことがあった。彼の実力、そして人間性を理解しているし、彼は周りの意見を一切気にしない。素晴らしい選手を獲得できたよ」。

NBAで11年のキャリアを持つスミスは、29歳にして、ようやく改心したのかもしれない。本人は、「クリーブランドにはニューヨークほどナイトクラブがないから」と冗談めかして言うが、母親への思いを実感したという。

「自分についてのネガティブなことなら、まったく気にならない。ただ、それを見聞きした母親の気持ちを考えると、辛い。僕自身が、母をそういう状況に追い込んでいるわけだから」。

もしキャブズがホークスとのシリーズを制し、悲願の初優勝を遂げられたら、チームがスミスのために、特別なパーティーを用意してくれるかもしれない。

優勝を左右するXファクター的存在になれる実力者だけに、ホークスとの第2戦以降も、注目を集めるプレーを見せてくれるのではないだろうか。

原文:Smith shows in Game 1 why Cavaliers acquired him by Shaun Powell /NBA.com(抄訳)

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