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改善の兆しが見えないニックスとクリスタプス・ポルジンギスの関係性

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ニューヨーク・ニックスのフィル・ジャクソン社長は、6月22日(日本時間23日)にニューヨークのバークレイズ・センターで行なわれたNBAドラフト2017までに、チームとの関係悪化が表面化しているクリスタプス・ポルジンギスを放出しなかった。いまだに改善の兆しが見えない両者の関係について、『New York Post』のマーク・バーマン記者が伝えている。

フィル・ジャクソンとクリスタプス・ポルジンギスは、2019年の夏にフリーエージェントになる。ポルジンギスは制限付きFAになるため、仮に他チームからオファーを提示されても、ニックスにはマッチする権利がある。しかしジャクソン、もしくは彼の後継者候補であるスティーブ・ミルズGMは、もしポルジンギスがチームに対して不満を持ち続けるのであれば、同選手をニックスに呼び戻すことを渋る可能性がある。

昨季最後のチームミーティングを欠席したポルジンギスの行動は、FA選手との交渉が解禁される2か月前というタイミングで球団の心象を損なうものだった。

これにより、ドラフト前の段階で29チームがポルジンギスのトレードに関してニックスに問い合わせたと『The Vertical』が伝えたのだが、もしポルジンギスがチームの再建プラン、トライアングルオフェンス採用に不満を抱いているのであれば、ジャクソンはトレードの可能性を模索すべきかもしれない。

しかし、他チームから提示されたポルジンギスを含むトレード案に耳を傾けたことで、ファンとメディアはジャクソンを批判。ジャクソンは、ポルジンギスとの関係性が改善されない可能性を想定し、同選手の市場価値を確かめたにすぎない。だが、トレード案に耳を貸したことで、両者の溝はさらに深まったと言えるだろう。

ポルジンギスと同じラトビア出身で、NBAドラフト2017全体25位でフィラデルフィア・76ersから指名されたアンジェス・パセチニクスは「彼が幸せな状況にいないことは知っている」と言う。

「ただ、彼自身が何かを言ったわけではない。僕が知っているのは、彼は幸せな状況にいないということだけだ」。

ポルジンギスの兄で代理人も務めるヤニス・ポルジンギスは、ジャクソンが他チームから提示されたトレード案に耳を傾けているという報道の後「ニックスがどのように所属選手を扱おうと、クリスはニューヨークに残りたいと考えている」と話した。

「弟はニューヨーク、地元のファン、それにチームを愛している。もしトレードされれば、弟は今の契約を満了し、将来に関する決断を自ら下すことになる」。


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ