NBA

カイル・コーバー放出のホークス、ポール・ミルサップも手放すべき?

Author Photo
Sporting News Logo

わずか2年前に球団史上初めてイースタン・カンファレンスの決勝に進んだアトランタ・ホークスだが、その舞台に戻ることを追い求めるのは諦めたようだ。カイル・コーバーをトレードでクリーブランド・キャバリアーズに手放したことが、それを力強く物語っている。

そして次に話題となるのが、夏に無制限FAとなるポール・ミルサップだろう。ホークスにとって大きなコストとなるか、昨年夏にボストン・セルティックスに去ったアル・ホーフォードのように、見返りなしでホークスに去るかのどちらかだ。『Atlanta Constitution』のマーク・ブラッドリー記者は、ホークスにとって“解体”は悪くない考えとみている。

ホークスがロスターをつくり直そうと決めたことはサプライズではない。驚いたのは、夏にそれを半分しかしなかったことだ。彼らはジェフ・ティーグをトレードし、ホーフォードを手放した。そして今度はカイル・コーバーをキャバリアーズに向かわせている。

2シーズン前のホークスは、素晴らしいスターティングメンバーをそろえ、60勝をマークした。スターターの5人がチームとして1月のイースタン・カンファレンスの月間最優秀選手賞を受賞したこともある。そんなメンバーのうち、今もホークスに残っているのは何人だろうか。

答えは、ひとりだ。ポール・ミルサップだけである。そして、彼もまた退団へ向かっている。

こうなっていることに文句は言うまい。ホークスは我々の目の前で老い、キャバリアーズを超えられないことを示した(過去2シーズンのプレイオフで0勝8敗)。問題は、ホークスがもっと早くにそうすべきだったという点だ。

だが、彼らはケント・ベイズモアと4年総額7000万ドル(約81億9000万円)で再契約した。かなり優れた選手だが、それ以上ではない。そして、3年総額7050万ドル(約82億5000万円)でドワイト・ハワードを獲得した。キャリアの下り坂にある選手だ。開幕当初は9勝2敗と良かった。だが、すぐに勝率5割を切り、ずっと以前に考えるべきだったことを考えるようになったのだ。

私でも、昨季のオールスター中断期間にホーフォードやミルサップ、コーバー、ティーグをトレードすることはなかっただろう。60勝22敗だったのだから、素晴らしいフィニッシュが可能かどうかを見届けない理由はなかった。

それがそうでないと判明したのだから、お別れのときだ。

デニス・シュルーダーのためにティーグは出ていく必要があった。ホーフォードとの再契約は、大きく報われる保証なしの大型投資だった。問題視するのはそれらの動きではない。正しい方向につながらない2選手(ベイズモアとハワード)に金を使い過ぎたことだ。

感情的には、コーバー退団は大きなことだ。だが、実用的にはそうではない。彼は3月で36歳だ。もうスターターではない。キャバリアーズが彼を必要としたのは、J.R.・スミスが負傷したからだ。コーバーは、ダニー・フェリーが加え、マイク・ブーデンホルザーが見事に組み込んだ有数のシューターだった。だが、悲しいかな、その“保存期間”は短かったのだ。

今の問題は、フェリーの不在が顕著ななかで、ブーデンホルザーが再建できるかどうかだ。ハワードの獲得が彼の動きだったのは明らかだ。「私は彼が好きだ。彼を指導できる」と話していた。だがそれこそ、コーチがチームのトップであることが最善ではないことを示している。コーチは常にチームに対して何かできると考える。そうではないと気付くまで――。

現在、ホークスはイースタン・カンファレンスの4位につけ、サウスイースト・ディビジョンで首位に立っている。まったくひどくはない。だが、彼らはどこにも向かっていないのだ。来月で32歳になるミルサップは、7月にFAで去ることが確実。ホークスの軸はハワード、シュルーダー、ベイズモア、ティム・ハーダウェイJ.R.となる。明らかに中級だ。

改善するには、若手を手に入れ、ベストを願うしかない。ホークスはキャバリアーズからドラフト1巡目指名権を手にする。それは意味のあることだ。ミルサップ以上を手に入れられる。彼のトレードも、すぐに実現させる必要がある。

原文:Should Hawks send Paul Millsap on his way? by NBA.com(抄訳)​


関連記事

キャバリアーズ、カイル・コーバーの獲得を正式発表

デマーレイ・キャロル、元同僚ポール・ミルサップのホークス退団を予想

カイル・コーバー放出のホークス、ポール・ミルサップも手放すべき?

キャバリアーズのさらなる強化を望むレブロン・ジェームズ


著者
NBA Japan Photo

NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ