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急成長を続けるトーマス・サトランスキー

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トーマス・サトランスキーは昨夏、チェコ代表のトップ選手としてユーロバスケット2017に出場した。負傷者が続出したチームにおいて、サトランスキーは主力に成長。唯一のNBA選手として、相手にスカウトされる存在となった。チェコはグループを突破できなかったが、スペイン、モンテネグロ、セルビアといったチームたちとの5試合で、サトランスキーはNBAのタレントたちと対戦した。

ユーロバスケットからワシントン・ウィザーズに戻り、サトランスキーはチームメイトやコーチ陣から称賛された。26歳の彼が自信を深め、ドイツでの日々が報われたことは、誰の目にも明らかだった。

それでも、サトランスキーはウィザーズでオールスター選出5回のジョン・ウォールや、新加入のティム・フレイジャーと出場時間を競わなければならなかった。NBAでは何も保証されない。サトランスキーはこの約2シーズンでそれを学んできた。

今季序盤のサトランスキーは、ウォールの控えとして何度か出場時間を得たが、主なバックアップはフレイジャーだった。しかし、ウォールが11月末から12月中旬にかけてひざの痛みを抱えたときに、サトランスキーはチームの主たるバックアップとして浮上。そのチャンスを生かし、スコット・ブルックス・ヘッドコーチの信頼を得て、12月13日にウォールが戻ってきてからも、すべての試合で出場機会を手にしていった。そしてウォールが左ひざの手術に踏み切り、少なくともあと1カ月は離脱という中で、サトランスキーはすべての試合で先発出場するようになったのだ。

ユーロバスケットから5カ月。サトランスキーは再びチームにとっての主力となった。今度はチェコ代表ではなく、ウィザーズの主力だ。ウォールの代役としてサトランスキーはブラッドリー・ビールとともにバックコートの一員を務めるようになった。

それからの8試合で、サトランスキーは1試合平均23.9分間プレイし、11.8得点、5.3アシストを記録している。シーズン平均を上回る数字だ。フィールドゴール成功率は56.7%、3ポイントショットは19本中13本成功、フリースローは13本すべて成功。ネットレーティングは13.9、つまり、彼がコートにいるときのウィザーズは、100ポゼッションあたりで相手を13.9得点上回っている。これは、この8試合でチーム最高の数字であり、ディフェンシブレーティングもマーチン・ゴータットに続く2位だ。

サトランスキーは最近の自身のプレイについて、「最初からすべてがうまくいっている」と述べる。

加えて、サトランスキーはこの2週間でNBA最高のポイントガードたちをガードした。1月30日(同31日)のオクラホマシティ・サンダー戦では、ラッセル・ウェストブルックをFG18本中5本成功の7ターンオーバーに抑え、1日(同2日)のトロント・ラプターズ戦と8日(同9日)のボストン・セルティックス戦では、カイル・ラウリーとカイリー・アービングと対峙している。

セルティックス戦の試合後、マーキーフ・モリスは「これまでそれほどプレイしていなかったのに、彼は突如として先発出場し、ウェストブルックやカイリーたちと対戦しなければならなかった。それでも、彼は素晴らしい仕事をしたんだ」と述べた。

「彼はNBAで比較的新しい選手であり、エリート選手たちを相手に最初の数試合で素晴らしい仕事をしてくれた」。

ブルックスHCも「NBAには素晴らしいポイントガードがたくさんおり、休みもないが、彼は戦っていると思う」と、サトランスキーに賛辞を寄せた。

「私は彼の頑張りやプレイにとどまる能力、相手を追い続け、自分のリーチを生かす力が好きだ。運動能力があり、それを生かしている」。

10日(同11日)のシカゴ・ブルズ戦では、NBAのチェコ人選手最多得点記録となる自己最多の25得点をマーク。FG12本中10本、3Pは6本中5本成功で、6アシストも記録した。第4クォーターのフレイグラント2ファウルで最後までプレイできなかったが、NBAでのベストゲームだった。

試合後、ブルックスHCは「彼は向上を続けている」と、サトランスキーをたたえている。

「彼はケアしている。そのレベルは高くなっているよ。私は彼のそういうところが好きだ」。

まだNBAで2シーズン目であり、26歳という年齢からも、サトランスキーの全盛期はこれからだ。今後も自信を深め、より攻撃的なプレイを磨けば、ブルックスHCがローテーションの一角として使える新たな武器になる。ウォールの正確な復帰時期は決まっていない。だが、サトランスキーがいることで、プレイオフに向け、ウィザーズはウォールに必要な時間をかけさせることができる。

原文: Satoransky's growth coming with opportunity by Wizards.com(抄訳)​


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ