NBA

S・ナッシュが現役引退を表明

Sporting News Logo

現地21日、8度のオールスター出場、そしてNBA史上10人しか達成していない2年連続シーズンMVP受賞経験のあるスティーブ・ナッシュ(ガード)が、現役引退を表明した。

ナッシュは、自身がシニアプロデューサーを務めるウェブサイト“The Players Tribune”に引退を告げる文章を掲載。
「今後バスケットボールをプレーすることはないだろう。とても悲しいことで、すでに辛い気持ちになっている自分もいる。けれど、違うことに取り組めることに興奮している自分もいる」と、引退の意向を示した。

19年間現役を続けたナッシュは、2005年と06年にシーズンMVPを連続受賞。NBA歴代3位の通算10335アシストを記録したほか、フリースロー成功率では史上最高の90.4%という数字を残した。

引退を告げるレターで自身のキャリアに影響を与えた指導者、チームメートへの感謝を綴ったナッシュは、全盛期を誇ったフェニックス・サンズ時代に優勝できなかったことを、ファンに詫びた。
「フェニックス・サンズの全盛期に優勝できなかったことは、これからも僕を苦しめるだろう。たしかに運もなかった。でも未だに考えることがある。『あと1本シュートを決められたら』、『あの時ターンオーバーを記録していなかったら』、『もっと良いパスを選択していたら』、と。ただ、何に対しても後悔はない。アリーナは常にファンで埋まり、揺れていた。僕のキャリアで最高の時期だった」。

ナッシュは、10年在籍したサンズから2012年にロサンゼルス・レイカーズに移籍。コービー・ブライアント、ドワイト・ハワード(現ヒューストン・ロケッツ)、パウ・ガソル(現シカゴ・ブルズ)との黄金カルテットで優勝候補筆頭にあげられた。しかし、レイカーズでの2試合目で左足を骨折してから歯車が大きく狂い始め、昨季は腰の負傷により15試合の出場にとどまった。昨春にステープルズ・センターでの試合で復帰を果たした際に受けたスタンディングオベーションはナッシュの心に焼き付いているようで、こう綴っている。
「去年の春に復帰した時、ステープルズ・センターでファンからスタンディングオベーションで迎えてもらった。当時は僕のキャリアでも暗黒の時だったにも関わらず歓迎してもらえたことは、キャリアを通じベストな思い出の1つ。レイカーズに移籍してからはネット上でネガティブな話題しか見なかった。ただ、レイカーズファンは、僕の努力に対して愛情だけを示してくれた。レイカーズには品格が備わっている。そして球団とスタッフは、何にも揺るがず、常にサポートしてくれた」。

ナッシュはキャリア19年で通算1217試合(1053先発)に出場。1試合平均31.3分の出場で14.3得点、8.5アシスト、3.0リバウンドを記録した。

著者