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力尽きたロケッツとJ・ハーデン

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この先まだ何度でも、カンファレンス決勝と同等のレベルで戦うことができるはずだ――。

ヒューストン・ロケッツのジェイムズ・ハーデンは、きっとそう願うだろう。

だが、真実はこうだ。正しいプレーをし、正しい存在になれない限り、この舞台には戻ってこられない。

27日(日本時間28日)、ロケッツはゴールデンステイト・ウォリアーズとのウェスタン・カンファレンス決勝第5戦を90-104で落とし、今季を終えた。負けられない状況の下、ロケッツに必要だったのは、爆発的なハーデンの力だった。

しかし、そのハーデンは第5戦でフィールドゴール11本中2本のみの成功に終わり、1試合13ターンオーバーという不名誉なプレーオフ新記録を残した。どんなに良いシーズンを送ったとしても、人々の記憶に残るのは“終わり方”だ。

今季のロケッツは、ドワイト・ハワードがひざの故障でレギュラーシーズン42試合を欠場。テレンス・ジョーンズも、選手生命に関わる足の神経の炎症に苦しめられた。それでもハーデンが孤軍奮闘し続けた結果、年間56勝26敗の成績でウェスト2位に入り、プレーオフに進出。ロサンゼルス・クリッパーズとのカンファレンス準決勝では、1勝3敗から逆転して勝利を収めたNBA史上9例目のチームにもなった。

それでも、ウォリアーズの牙城は崩せなかった。カンファレンス決勝が終わった瞬間、ステファン・カリーのシーズンMVP受賞を疑う声は消え失せたことだろう。ハーデンもシーズンMVPに相応しい結果を残したのは間違いないが、カリーの周辺を支えたようなサポート役に恵まれなかった。

忌まわしい記憶とともにシーズンオフに入るハーデンが、本当の意味でロケッツのリーダーになるには、得点でチームを引っ張るだけでは足りない。試合をコントロールし、チームに指示を出す。休みなく学習、そして成長し続ける必要があるのだ。

今年30歳になるハワードが、これから大きく成長することはない。ハードにプレーする姿勢は変わらないだろうが、気まぐれな性格も変わらないだろう。これからのロケッツが優勝レベルに達するには、ほかならぬハーデンの成長が必要不可欠だ。

敗退決定後、ハーデンは、「(今季の結果は)僕らにとって必要なステップだ。肉体面、精神面ともに、レベルアップしないといけない」と、語った。

リーダーというポジションは、ハーデン自身が望んだものだ。しかしそれは、選手にとって特権であると同時に、大きな責務も果たさなければならないものなのだ。

原文: Harden, Rockets finally run out of fuel by Fran Blinebury/NBA.com (抄訳)

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