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NBAプレイオフ 西カンファレンス決勝プレビュー:ウォリアーズ対スパーズ

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NBAプレイオフ2017も佳境に入り、NBAファイナル進出をかけたウェスタン/イースタン・カンファレンス決勝が5月14日(日本時間15日)からスタートする。 

ここでは各対戦カードの注目ポイントを紹介。今回はウェスト1ゴールデン・ステイト・ウォリアーズ vs 同2位サンアントニオ・スパーズのシリーズだ。

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NBAプレイオフ2017 ウェスタン・カンファレンス決勝

ゴールデンステイト・ウォリアーズ(1位)対サンアントニオ・スパーズ(2位)

背景

今季のサンアントニオ・スパーズとゴールデンステイト・ウォリアーズの対戦を予想するのは難しい。レギュラーシーズンの対戦はスパーズが2勝1敗で勝ち越したが、1戦目は今季開幕戦(129-100でスパーズ勝利)、2戦目は3月中旬に行なわれウォリアーズの先発4選手が休養のために欠場(107-85でスパーズ勝利)。3戦目は3月下旬に行なわれ、ウォリアーズが110-89で勝利した。

3年連続のカンファレンス決勝進出となったウォリアーズは、ファーストラウンド、準決勝ともにスウィープ(4勝0敗)で勝ち上がり、現在8連勝中。対戦相手との得点差も平均16.5得点と圧倒し、レギュラーシーズンを含めれば3月中旬から23勝1敗という成績を残している。

一方のスパーズは、苦戦を強いられたメンフィス・グリズリーズとのファーストラウンド、ヒューストン・ロケッツとのカンファレンス準決勝を乗り越え決勝まで勝ち進んだ。ロケッツとのシリーズではトニー・パーカーが負傷離脱し、控えのパティ・ミルズが先発に繰り上げされ、マヌ・ジノビリがバックアップのポイントガードとして起用されている。また、ロケッツとの第5戦ではカワイ・レナードが足首を痛め、第6戦を欠場する事態に陥った。

それでも、昨年オフにケビン・デュラントが加わったウォリアーズと、百戦錬磨のスパーズとのシリーズは注目に値する。2012年以降ウェストからファイナルに勝ち上がっているのはウォリアーズかスパーズだが、両チームが最後にプレイオフで対戦したのは2013年。当時のウォリアーズは伸び盛りの時期で、スパーズは王朝時代の真っ只中にいた(2013年はファイナルでマイアミ・ヒートに敗れ、翌14年にはヒートを破り優勝)。

つまり、ウォリアーズとスパーズがともにピーク時期にプレイオフで対戦したことは今までにない。今回のシリーズは、両チームともに最盛期に近い状態での対戦になる。

キープレイヤー

直近のウォリアーズ戦で最も印象に残る活躍を見せたのは、ベテランのパウ・ガソルだ。3月29日(同30日)の対戦ではベンチから18得点、8リバウンド、5アシストを記録。グレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチは、ロケッツとのシリーズからガソルを先発に起用しているが、カンファレンス決勝でも同様の起用法を用いるかはわからない。

ただ、オフェンスでアドバンテージを持つウォリアーズに対抗するため、おそらくガソルは引き続き先発として起用されるだろう。身長213cmのガソルと211cmのラマーカス・オルドリッジによるインサイドは、サイズに恵まれていないウォリアーズを苦しめるはず。

ガソルは3ポイントショットを多投する選手ではないが(今季平均1.6本)、成功率は53.8%と高い。それだけにガソルの3Pはリーチのあるウォリアーズの守備をこじ開けるには有効な手段と言える。また、ガソルはハイポストで優れたパサーとしても知られ、ロケッツとの第6戦では10得点、11リバウンド、5アシストを記録し勝利に貢献した。そして、36歳という年齢ながらも未だにリバウンダーとしての評価は高い。今季のウォリアーズはレギュラーシーズンにリバウンド率でリーグ9位(50.5%)を記録したが、スパーズは同6位(51.4%)をマークした。今シリーズで勝機を見出すには、リバウンドの攻防でウォリアーズを制する必要がある。

注目の数字

0.90

両チームともに今季はスポットアップからのショットに優れている。ステフィン・カリーはレギュラーシーズン中1ポゼッションあたりスポットアップショットから1.33得点、デュラントは1.26得点を記録。スパーズではレナードが1.24得点、ガソルが1.27得点という数字を残した。プレイオフではドレイモンド・グリーンがスポットアップからリーグ最多の8.0得点を記録し、スパーズのダニー・グリーンは同5位の4.8得点をマークしている。

今季のスパーズはレギュラーシーズン中スポットアップからリーグ最多の1試合25.7得点を記録し、同条件下でのフィールドゴール成功率もリーグベストの42.5%を記録。ウォリアーズは同2位の41.9%を記録しているため、両チームにとってスポットアップからの得点が大きな武器の一つということがわかる。

しかし、ウォリアーズはスポットアップに対する守備でもトップクラスで、1ポゼッションあたりの失点はリーグ最少の0.9点。スモールボール・ラインナップの強みを生かしてディフェンダーが素早くペリメーター内をカバーし、シューターを混乱させている。また、スポットアップからの被FG成功率もリーグ最少の35.0%に抑えているため、今シリーズでは守備でグリーン、ガソル、レナードの攻撃を封じれるかどうかが大きな焦点になりそうだ。

予想

仮にスパーズが万全な状態なら、ウォリアーズも苦戦は免れなかったかもしれない。しかし、プレイオフで好調を維持したパーカー(平均15.9得点、FG成功率52.6%)が離脱し、レナードの足首に不安が残る以上、スパーズがアップセットを成し遂げる可能性は低い。ウォリアーズが第5戦までにNBAファイナル進出を決めるだろう。

原文:NBA playoffs 2017: Do hobbled Spurs stand a chance against well-rested Warriors? by Sean Deveney/Sporting News(抄訳)


各シリーズの日程&結果

プレイオフ組み合わせ(勝ち上がり表)


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