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R・ロンドは去ったがポイントガードの選手層が厚いマブス

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昨季はオールスター選出4回のラジョン・ロンドの獲得で失敗したダラス・マーベリックスだが、新シーズンに向けてポイントガードの選手層が厚くなっている。

マブスは昨季、まずベテランのジャミアー・ネルソンを信頼した。ネルソンは23試合出場で1試合平均7.3得点、2.7リバウンド、4.1アシストを記録したが、フィールドゴール成功率は37.4%、3ポイントシュート成功率は36.9%という数字だった。

そこでフロントは、12月にロンドら5選手の大型トレードに動くこととなった。ドニー・ネルソン社長は「当然ノーリスクと考えていたわけではないが、リスクを冒す価値があった。やり直す機会があっても、我々はまた引き金を引く」と、ロンドの取引について説明している。

そして今季、マブスはオールスター選出3回のデロン・ウィリアムズを、2年総額1000万ドル(約12億円)と言われる契約で獲得。ウィリアムズが故郷のチームにNBAタイトルをもたらすことを願っている。

2005年のドラフトでユタ・ジャズに全体3位指名されたウィリアムズは、オールルーキーに選出され、1年目ながらマジック・ジョンソン、ケビン・ジョンソンに続くリーグ史上3人目となる1500得点、800アシスト、フィールドゴール成功率50%を記録した。

10年目のベテランは、ジャズとブルックリン・ネッツでキャリア通算716試合に出場。うち664試合が先発出場で、1試合平均17.0得点、8.5アシスト、3.2リバウンド、1.1スティール、フィールドゴール成功率44.7%、3P成功率35.8%をマークしている。

だが、昨季のウィリアムズは68試合の出場で、1試合平均31.1分の出場、13.0得点、6.6アシスト、3.5リバウンドと過去最低の成績だった。フィールドゴール成功率も38.7%に終わり、ネッツはこの夏にウィリアムズを放出した。

それでも、マブスはウィリアムズがリック・カーライルHCのシステムにおいて復調し、チームを16年間で15度目となるプレーオフ進出に導くことを願っている。ウィリアムズ本人も9月、『Mavs.com』に「すごく興奮しているよ」と意気込みを表した。

「この組織は安定しており、それは魅力的だ。ずっと以前からここにいる選手たちがおり、僕を含めた新戦力を組み込んで、機能させるだけなんだ。僕はこのチャンスに興奮している。新シーズンに向けて準備はできているよ」。

ウィリアムズのほかにも、マブスには3人のベテランが控えている。

まずは昨季、77試合に出場し、うち10試合で先発出場したJ.J・バレア。昨季は1試合平均7.5得点、1.7リバウンド、3.4アシストという数字で、プレーオフは11.8得点、4.8リバウンド、チーム最多の7.4アシストと成績を伸ばした。ヒューストン・ロケッツとのプレーオフ1回戦では、最後の2試合で先発している。また、デビン・ハリスはプレーオフでつま先を負傷したが、レギュラーシーズンで76試合に出場している。1試合平均8.8得点、1.8リバウンド、3.1アシストを記録した。

昨季、カーライルHCは「48分間、彼ら2人を同時に起用することはできない」と話していた。その意味で、1年目の昨季は出場機会が少なかったレイモンド・フェルトンは、自分の存在が忘れられていないことを願っているだろう。

昨年夏、タイソン・チャンドラーを復帰させた6選手が絡んだトレードでマブスに加入したフェルトンは、プレシーズンに足首の挫傷に見舞われ、その後も銃の不法所持で4試合の出場停止を科されるなど、デビューが12月28日のオクラホマシティ・サンダー戦と出遅れた。

29試合出場で1試合平均9.7分出場、3.7得点、1.4アシストとキャリア最低の数字に終わったフェルトンは、「揺れまくりの一年だった。でも、プロフェッショナルでいなければいけない」と振り返っている。

「僕は10年目だ。道に踏みとどまり、準備をして、毎日ハードワークを続け、できることをしなければいけない。そしてチャンスが訪れたら、それを生かさなければいけないんだ」。

マブスの4人のポイントガードは、集団として今季のチャンスを生かそうとしていくだろう。そしてポイントガード陣が充実しているマブスにとって、攻撃を仕掛けるうえで問題はないはずだ。

原文: Point guard position an area of strength for Mavs entering training camp by Earl K. Sneed/Mavs.com (抄訳)

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ