オクラホマシティ・サンダーのラッセル・ウェストブルックは、NBA史に残る偉業を成し遂げようとしている。そして、間もなく越えられる可能性がある記録を保持する元選手は、ウェストブルックの活躍を喜んでいる。
1961-62シーズンに年間トリプルダブル達成回数のNBA記録(41回)を樹立したオスカー・ロバートソンに対し、ウェストブルックは3月31日(日本時間4月1日)にチェサピークエナジー・アリーナで行なわれたサンアントニオ・スパーズ戦で今季39回目のトリプルダブル(32得点、15リバウンド、12アシスト)を記録。レギュラーシーズン残り7試合であと3回トリプルダブルを達成すれば、新記録誕生となる。
中にはロバートソンが自身の記録を更新されないよう、ウェストブルックの調子が落ちることを期待しているという意見もあるかもしれない。しかし、事実は異なる。
ロバートソンは『ESPN.com』に対し「ラッセルには記録を更新してもらいたい。私は以前から彼が素晴らしい選手だと思っていたからね」と話した。
「以前、バスケットボール関係者と話をしていて、『ラッセルに1対1で勝てるガードはいない』と言ったことがあった。彼はチーム、ファン、それに試合を放送するテレビ側にとっても素晴らしい選手だ」。
プレイオフ進出を決めているサンダーだが、優勝の可能性は低いと言わざるを得ない。だがロバートソンは、ウェストブルックがシーズンMVPに相応しいと言う。
「(MVPは)ウェストブルックだと思っている。それが私の意見だ。昔は優勝をベースにMVPが決められていた。(ビル)ラッセルがセルティックスで活躍していた時代のことだ。当時はセルティックスが圧倒的に強い時代だった。あるシーズンにウィルト(チェンバレン)が平均50得点を越えて、29リバウンドを記録し、私が多くの試合でトリプルダブルを達成したのだが、MVPはビルが受賞した。セルティックスがプレイオフで勝ち上がり、我々のチームは勝てなかったという理由でね」。
またロバートソンは「だが時代は変わった。今はシーズンMVPに選ばれるべき選手の基準を多くの人が理解している。昔よりバスケットボールへの理解度が上がっている」と語った。
ウェストブルックは今季平均31.8得点、10.6リバウンド、10.4アシストを記録。ロバートソン以来となる史上2人目の『平均トリプルダブル』達成に近づいている。
原文:Oscar Robertson hopes Russell Westbrook breaks triple-double record by Alec Brzezinski/Sporting News(抄訳)