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アダム・シルバーNBAコミッショナー「日本の地にNBAの試合を持ってくることの優先順位が高いのは間違いない」

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10月10日に楽天クリムゾンハウス(東京都世田谷区)で行なわれたNBAと楽天の共同記者発表会で、アダム・シルバーNBAコミッショナー、三木谷浩史・楽天代表取締役会長兼社長、平井康文・楽天副社長執行役員通信&メディアカンパニー プレジデント、河野奈保・楽天常務執行役員 ECカンパニー プレジデント、スコット・レビー NBAアジア シニアバイスプレジデント兼マネージングディレクターらが、記者からの質問に応えた。

NBA x Rakuten

――包括契約について、複数年契約は何年なのか、あるいは放映権・独占権の獲得に相当な額がかかっていると思うが、どれくらいか。そしてこれはインターネットにおける独占的な放映配信なのか、テレビにおける放映配信も楽天を経由する形になるのか?

平井:契約金額や契約期間に関しては、申し訳ございませんが非公表ですので、お答えを差し控えさせていただきます。また、放映権については、楽天そのものは放送事業者ではございませんので、現在国内の放送事業者様との放送権の二次共用、つまりサブライセンシングを検討しております。これについてはスコット(レビー NBAアジア シニアバイスプレジデント兼マネージングディレクター)さんのほうからもコメントをいただけるのではないかと思います。

レビー:もちろん楽天とは他の方法でも放送・配信ができるよう調整していきます。次の数週間でもう少し詳細が詰められればと思っています。ファンが様々な形で試合を見ることができるようにするのが目標です。

――コミッショナーに特に伺いたいのですが、今回のパートナーシップでお互いに相手を選んだ理由はなんだったのか? 特にネットの企業だと楽天さん以外にも豊富なサービスを持っているところがあると思います。決め手となった理由を改めて伺わせてください。

シルバー:先ほど少し触れましたが、楽天を選んだ最大の理由はミッキー(三木谷会長の愛称)のバスケットボールに対する熱意、そしてNBAに対する熱意です。確かに日本で他の会社や、他のメディア会社とパートナーになることもできましたが、ミッキーが我々に提示してくれたビジョンはとても説得力があったのです。初めて会ったときから、これは我々の日本でのビジネスに大きな変化をもたらすことができる、日本国内でのバスケットボールの成長とともに大きなエネルギーを生み出せると感じました。

――『NBAリーグパス』における楽天の貢献の仕方、どういうところが「powered by」なのかをもう少し教えてください。それから、NBAリーグパスと『Rakuten TV』における放映の関係がごっちゃになっちゃたのですけども、日本では、Rakuten TVのなかでNBAリーグパスを取得するみたいな形になるのでしょうか?

平井:まず『NBAリーグパス powered by 楽天』のひとつの意味合いは、すべてのページを日本語対応していく、という内容でございます。また価格につきましても、今現在検討中でございますが、新たな価格帯のなかで、より視聴しやすい価格のパッケージの品揃えをするということ、加えまして、その視聴において、楽天会員IDを使っていただくことで、スーパーポイントでのお支払いもできる、そういった利便性を考えております。また当然先ほど河野がご説明した、楽天、日本においては『楽天市場』との連携において、いろんなNBAのグッズのキャンペーンなども展開できるということでございます。

2点目のRakuten TVでの放映サービスの違いは、Rakuten TVの方はあくまでダイジェスト版、スペシャルサービスとして平日1ゲーム、週末2ゲームの合計9ゲーム。この9ゲームは、弊社のほうでセレクションさせていただいて、より幅広いNBAファンの方にもご満足いただけるようなサービスという形になっております。

基本的には、私どもの一番の強みでもあります、楽天会員IDを基盤として、プラットフォームとしてこのNBAリーグパスも含めて展開していくというところがポイントとなります。

――リーグパスの試合を日本で視聴することは可能ですか?

平井:はい。

――それはRakuten TVではなく?

平井:はい。NBAリーグパスのサービスを日本で展開いたします。それを楽天が運営していくという形でございます。

NBA x Rakuten

NBA x Rakuten

――本日から楽天市場でグッズ販売を展開するとのことですが、楽天市場、『Ebates』で『NBA Zone』を順次展開されていくということで、楽天としては売り上げがどのような形で計上されるのかというところ、販売手数料という形をとるのか、あるいは別の形をとるのかというところが一点。また、売り上げ目標などがあるようでしたら教えてください。

河野:今回のNBA Zoneに関しましては、本日サイトがオープンし、来週が開幕戦となっておりますので、そこに合わせて商品のほうを拡充していく予定でございます。この夏にほかにも『FCバルセロナ Zone』やJリーグのサイトをオープンしておりますが、これも含めまして楽天IDを使うことによってユーザーさんが今まで以上にグッズ(を購入して)、ファンになっていくという動きが見られていますので、さらなるそういったところでのNBA様との取り組みの結果というのを期待しておりますが、具体的な数字というのはこれからですので、ここでは控えさせていただきたいと思います。

(売上の)計上の仕方ですが、実際には直接展開させていただいているだけではなく、楽天市場に出展されている店舗様と連携して、商品の拡充を図っていく予定で考えておりますので、通常の店舗様とのご契約という形で考えていただければと思います。

NBA x Rakuten

――リーグパスを日本で運営されるということだったのですが、リーグパス自体はすでに利用できると思うのですが、楽天さんが運営することが価格帯が下がるのかというところと、いわゆるRakuten TVでの展開とのお客さんの棲み分けと、契約目標数も教えていただければと思います。

平井:NBAリーグパスの新しいシーズンの価格は、これからパッケージの品揃えを整理して、のちほどまたお知らせする形になります。それから、獲得数に関しては非公表でございますので、控えさせていただきたいと思います。これまでRakuten TVで楽天ゴールデンイーグルスの試合を放映しておりますが、大変多くの方に視聴いただいておりますので、その実績からしても多くの方々に新たな視聴をいただけるのではないかと予想しております。またRakuten TVでのサービスはあくまでダイジェスト版として1種類でございます。そういう意味では、そこでお楽しみいただいた方は、今度はNBAリーグパス powerd by Rakutenのほうでフルゲームをご覧いただきたいという風に思っております。

――ダイジェストと言いますと?

三木谷:毎週1チーム当たり3.5試合づつと、凄まじい試合の数があるんですよね。NBAのヘビーなファンの方と、NBAも見たいなというファンの方もいますし、特定のチームがすごく好き、ウォリアーズが好きだとか、レイカーズが好きだとか、ニックスが好きだとか、そういう方もいるので、すべてのコンテツをすべて日本語化できて提供すればいいのですが、正直言って全部日本語化するというのはなかなか難しいところがあるので、我々が選択した良いゲームをRakuten TVで流させていただいて、よりディープなファンにはNBAリーグパスを楽天会員IDで買っていただけるようなプロモーションをどんどんやっていくという形になります。

――Rakuten TVの(週)9試合は、試合自体はすべて見られるということですか?

三木谷:そうです、全部見られます。そして日本語で、ということです。

――コミッショナーにお伺いしたいのですが、先ほど日本でNBAの試合を行なうかどうかということに言及していただいたのですが、メディアではあるのですがNBAファンとしてはすごい嬉しい一言だったと思います。これから三木谷会長といろいろ詰められるというお話でしたけれども、具体的に何年後、東京で行なわれるというお話でしたが、今お話していただける何か具体的なものがあれば、プランなどを教えていただければと思います。

シルバー:もし何か知っていたら教えていますよ(笑)。今はまだ計画の段階です。アメリカから日本やアジア諸国へチームを移動させるのは多くの計画が必要です。チームは早い段階でスケジュールを決定するのです。しかしそれを実現するために、ミッキーと楽天チームが尽力しているのはわかっています。日本で試合を行なうことは容易ではありませんが、日本の方々が間近でNBAのバスケットボールを経験できることはとても重要であると考えています。そして我々のチームにとっても日本に来る機会があることは大切だと思っています。ミッキーが言っていたように、スポーツは試合をすることだけが重要なのではなく、異なる文化をひとつにする力を持っています。チームが日本に来ることは、アメリカと日本の親善関係にとっても重要だと考えています。

私とミッキーはどちらもNBAにとても情熱を注いでいます。私は1990年序盤にNBAに参加したのですが、日本で開催された試合を2度観戦しています。日本で開催された世界選手権(現FIBAバスケットボール・ワールドカップ)も観戦しました。バスケットボールがとても人気のあるスポーツである夏のオリンピックでも、またここに戻ってくることも楽しみにしています。日本の地にNBAの試合を持ってくることの優先順位が高いのは間違いありません。すぐに取り掛かりと思っています。

――選手たちはどう思っていますか?

シルバー:選手たちも日本に来るのをいつも楽しんでいますよ。

取材:大西玲央 Twitter:  @BullsFiJ|及川卓磨(NBA Japan編集長) Twitter: @oitaku|写真:大橋哲也


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ