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NBAプレイオフ2017展望: ウェスト編

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NBAプレイオフ2017は4月15日(日本時間16日)から始まる。ウェスタン・カンファレンスでゴールデンステイト・ウォリアーズに挑戦できるチームはあるのか。それともウォリアーズが再びファイナルに勝ち進むのは時間の問題なのだろうか。

戦いの火ぶたが切って落とされるのを待つ必要はない。『Sporting News』のショーン・ディビニー記者が予想している。ただし、間違えたとしても彼を責めないでほしい。

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NBAプレイオフ2017 ウェスタン・カンファレンス予想

ゴールデンステイト・ウォリアーズ(1位)対ポートランド・トレイルブレイザーズ(8位)

背景

昨季のプレイオフを含め、ウォリアーズは過去11戦でブレイザーズに10勝している。今回のシリーズもそう違いはないだろう。ユスフ・ヌルキッチの健康次第だ。ブレイザーズのプレイが良くなったのは、特に2月のヌルキッチ加入以降だ。彼が先発した試合では14勝5敗を記録している。またその存在は、ウォリアーズの守備の問題となるかもしれない。ただ、ヌルキッチは右足腓骨の骨折で離脱しており、シリーズ中に戻ってこられるかどうか不透明。彼が戻れなければ、ウォリアーズの攻撃はブレイザーズの手に負えないだろう。

キープレイヤー

注目を集めるのは、ひざの負傷から復帰し、プレイオフに向けてコンディションを高めているケビン・デュラントだ。今季のブレイザーズ戦では好調を保ち、直近3試合では平均32.3得点を記録している。ウォリアーズは彼の離脱後もベンチプレイヤーたちの奮闘や、ドレイモンド・グリーンが守備の責任をさらに負うことでうまく適応した。だが、優勝するにはデュラントを完全に組み込むことが必要だ。そのプロセスがこのシリーズで始まる。

Kevin Durant Golden State Warriors

注目の数字

ウォリアーズはネットレーティング(100ポゼッション当たりの得失点差)がプラス12.1とリーグ首位。2位のスパーズ(プラス8.0)を引き離している。しかも、ウォリアーズの昨季のネットレーティング(プラス11.6)をも上回っているのだ。

予想

ヌルキッチを起用できればブレイザーズにとって面白い展開だが、たとえ彼がプレイできたとしても、100%ではないだろう。しかも2週間以上の離脱。ブレイザーズが1勝することは可能だが、それ以上はないだろう。ウォリアーズが第5戦で勝利。

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サンアントニオ・スパーズ(2位)対メンフィス・グリズリーズ(7位)

背景

過去7度のプレイオフで対戦するのが4度目というお馴染みのカードだ。スパーズは直近2度のシリーズをやすやすと制したが、2011年の1回戦では第1シードだったにもかかわらず、第8シードだったグリズリーズに敗れる番狂わせを許している。だが、スパーズは健康を保ち、しっかりロスターを休ませてプレイオフに臨むのに対し、グリズリーズは20戦13敗と苦しみながらレギュラーシーズンを終えた。チャンドラー・パーソンズが今季絶望の負傷で34試合出場のみに終わったことは、グリズリーズにとって痛手だ。

キープレイヤー

スパーズはプレイオフを勝ち抜くために、オールスターを境にスランプに陥ったダニー・グリーンの復調を望んでいる。オールスター以降の19試合で、グリーンはフィールドゴール成功率33.6%、3ポイントショット成功率31.7%にとどまった。前半戦は3P成功率40%以上を記録している。ペイント内での失点がリーグ最少のグリズリーズだけに、グリーンが力を発揮できれば有益だ。

Kawhi Leonard San Antonio Spurs Zach Randolph Memphis Grizzlies

注目の数字

今季のスパーズの守備レートは100.9とリーグ最高の数字。一方、グリズリーズの攻撃のエフィシェンシー(1ポゼッション当たりの得点)はリーグで18位だ。グリズリーズはスパーズのペースをスローダウンさせ、醜いゲームを強いることはできるだろう。だが、彼らには張り合うだけの攻撃面での爆発力がない。

予想

今季のグリズリーズは能力以上のプレイをしてきた。それは称賛されるべきだ。だが、2011年の再現はないだろう。スパーズが4連勝。

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ヒューストン・ロケッツ(3位)対オクラホマシティ・サンダー(6位)

背景

プレイオフ1回戦のハイライトだ。MVPの有力候補であるラッセル・ウェストブルックとジェームズ・ハーデンの直接対決である。ウェストブルックはロケッツ戦で平均36.3得点、9.0リバウンド、9.3アシストと見事な活躍だ。だが、ロケッツは4戦3勝を記録している。3Pシューターのライアン・アンダーソンやエリック・ゴードン、パトリック・ベバリーも擁しているロケッツは、サンダーよりも選手層に厚みがある。サンダーは新加入のビクター・オラディポが良いシーズンを過ごし、スティーブン・アダムズとエネス・カンターの両ビッグマンがそびえるが、それ以外がない。

キープレイヤー

ベバリーほどウェストブルックを悩ませる選手はいないだろう。2013年のプレイオフで、ウェストブルックはベバリーとロケッツを相手に半月板の負傷を強いられた。ベバリーが肉体を武器にウェストブルックを苦しめることは可能だ。だが、審判団やリーグオフィシャルの注目を集めることなしに、ウェストブルックのボタンを押そうとしつつ、このシリーズにとどまれるかどうかは紙一重のところだろう。今でもベバリーはオクラホマシティにおいて第一の「社会の敵」だ。バスケットに向かおうとするウェストブルックをコントロールしながら、ベバリーは冷静を保たなければならない。

Patrick Beverley Houston Rockets

注目の数字

ペイント内での失点が48.9というのはかなり大きな数字だ。ロケッツの守備である。これはリーグ最低の数字だ。攻撃の46.7%がペイント内から(リーグ2位)というサンダーの強みとなる。ペリメーターでロケッツの守備は良い仕事をしている(許した3P成功率はリーグ3位の34.2%)。だが、ウェストブルックたちをペイントに入れさせないようにすることが彼らの挑戦となる。

予想

サンダーがファイトし、面白いシリーズになるだろう。だが、“火力”が及ばない。ロケッツが6試合で勝利。

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ロサンゼルス・クリッパーズ(4位)対ユタ・ジャズ(5位)

背景

2014年のサンダーとのカンファレンス準決勝第5戦、終了間際でのクリス・ポールのウェストブルックに対するファウル。2015年のロケッツとのシリーズで3勝1敗からの逆転負け。昨季はブレイザーズ相手に1回戦で失態。ドック・リバース・ヘッドコーチのチームにとって、過去3年のプレイオフは惨たんたる結果だった。クリッパーズは傷ついたチームとしてポストシーズンに臨む。しかも相手は敵をシャットアウトできるタフで規律あるジャズだ。ポールとブレイク・グリフィンにフリーエージェントの影がちらつくだけに、我々が知るクリッパーズにとっては最後の勝負となるかもしれない。

キープレイヤー

ゴードン・ヘイワードがこの夏によいサラリーを手にすることは確かだ。だが、プレイオフでも彼が活躍するのであれば、ジャズにとって彼に2億ドル(約217億7000万円)超を支払うのもずっと簡単なことになるだろう。ヘイワードがプレイオフを戦ったのは2012年。平均7.3得点、ショットの成功率は18.3%という数字に終わった。今ではオールスター選手となった彼だが、それでもこの数字はひどい。近年のクリッパーズの歴史を踏まえても、彼らのような年季の入ったチームを相手にジャズがシリーズを制すのは大変かもしれない。だが、このシリーズでオールNBAの選手のようにプレイすることをヘイワードに求めるのはそこまでではないはずだ。

Chris Paul LA Clippers

注目の数字

ジャズは、相手のピック&ロール時にボールハンドラーがショットを打った際のポゼッション平均失点が0.88と良くない。NBA.comのスタッツによれば、リーグで下から7番目の数字だ。対してクリッパーズはピック&ロール時のボールハンドラーの得点率が43.5%。ピック&ロールへの対応策を見つけられなければ、ジャズにチャンスはないだろう。

予想

ジャズはリーグでも最もスローペースのチームだ。クリッパーズもスピードのあるチームではないが(ペースは17位)、このシリーズでスタイルを貫けるかどうかはジャズ次第だろう。最終的にはホームコートアドバンテージを持つクリッパーズの経験が勝るのではないか。クリッパーズが第7戦で勝利。

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原文: NBA playoff bracket 2017: Picks, predictions for Western Conference first round by Sporting News(抄訳)​

イースト編


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