NBA

[NBA ALL-STAR 2014観戦レポート]夢のような3日間を満喫!

Author Photo
Sporting News Logo

Arrival at New Orleans

夢にまで見たNBAオールスター観戦モニターのチャンスがついに巡ってきた。仕事も家族もほったらかして、ニューオーリンズまで本当に来てしまいました……。

といっても、経由地シカゴからの飛行機が遅れ、ニューオーリンズに到着したのは深夜1時半過ぎ。タクシーでホテルに着いた頃にはもはや疲労困憊で、街中やホテル壁面に大きく飾られたNBAオールスターのポスターや写真、ライトアップ、街の盛り上がりを味わうこともできず、初日は眠りについてしまいました。

NBA All-Star Saturday Night

ニューオーリンズと言えば、「Mardi Gra」。例年ちょうど今頃開催されるとのことですが、今年はやはりNBAオールスターの開催を優先して来月の開催になるとのこと。バスで街中を進むと、多くのホテル入口付近の壁面にはレブロン・ジェイムス、カーメロ・アンソニー、ポール・ジョージ、ケビン・ラブの大きな写真がお目見え。午前中は各国の同じ当選者たちと共に「Mardi Gra World Tour」や「Haunted Walking Tour」を通してニューオーリンズの歴史・文化を学びつつ、夜7時からは「NBA All-Star Saturday Night」へ!

スキルズ・チャレンジは今年からフォーマットが変わり、2名1組で競う形式となりました。本当の意味での個人のスキルを競うなら、やはり1名で実施すべきでは?と思いながらも優勝したデイミアン・リラードにはクイックネス、高いスキルを感じることができました。

シューティングスターズは、クリス・ボッシュのハーフラインからのロングショットが好調だったことに尽きます。ボッシュは今シーズン、3ポイントを多用していますが、これに気を良くしてレギュラーシーズンでもロングレンジからゴールを決める場面が増えそうです。オールドファンにはたまらないティム・ハーダウェイ親子やカール・マローンが参戦するなど、生で見ると非常に楽しめるイベントでした。

3ポイントコンテストは、安定感抜群のマルコ・ベリネリが制しましたが、決定戦に持ち込んだブラッドリー・ビールの勝負強さにも脱帽です。今年はカラーボールを得意なポジションのラックに集められるフォーマットとなりましたが、最後のコーナーに集めると、前半少しペースが遅い場合は損するなーと感じました。昨年覇者カイリー・アービングの敗退はその影響もあったのでは……。来年はぜひカイル・コーバーに出場してほしいです。

ダンクコンテストも例年からはフォーマットが変わり、カンファレンス対決となりましたが、勝負を決めたジョン・ウォールのダンクが会場をどよめかせました。ジョン・ウォールにはダンクシュートをするイメージがあまりなかったのですが、次の日のオールスター本戦でも豪快なダンクを決めていました。その次に会場を沸かせたのは、シャックとコラボして賑やかした「シャクレモア」。みなさん「工夫」に苦労しているな、と感じました。

本番は明日ですが、普段テレビ放送ではハイライトでしか見られない各コンテストを生で見られて、とても楽しめました。気づけばもう22時をまわっていて、あっという間の
Saturday Nightでした。

ホテルに戻ると、私たちの宿泊ホテルはバーボンストリートに面しており、会場から流れてきたと思われる人でごった返していました。さすがニューオーリンズ。普段からなのか、オールスターだから特別なのかはわかりませんが、ジャンルごちゃまぜの音楽とあわせて強いエネルギーを感じました。

63rd NBA All-Star Game

いよいよ本戦当日。集合時間まで少し余裕があり、朝食をニューオーリンズ名物の「ベニエ&カフェオレ」で。味はアメリカ南部特有の微妙な甘さでしたが、その後はバックステージツアーに参加し舞台裏に潜入しました。

選手控室では大ファンのダーク・ノビツキー選手のロッカー前で記念撮影! シューズの大きさに驚愕しました……。

会場を変え、Jam Sessionへ。広い会場内はオールスターはもちろんバスケ一色。NBAストアや主に子供向けのバスケアトラクションが目白押し。奥のコートでは、なんと往年のレジェンドがピックアップゲーム! ディケンベ・ムトンボやAC・グリーンらが現役さながらのプレイを、と思ったらムトンボがやっぱりフリースロー外しています……。

日本にはない規模のイベントは、2日くらいないとすべて回りきれないほどスケールの大きなものでした。Jam Session会場にあるNBAストアでは、今回のオールスターで採用された「半袖ジャージ」の背番号とネームをカスタマイズしてくれるサービスを展開していました。迷わず通常のストアでは売っていない「West 41 NOWITKI」を注文。完成まで30分ほど待っている間にスペルが間違っていることに! なんと「Z」が抜けていたのでした。もう出来上がる時間だし、世界に一つしかないジャージーになると思ってあきらめていたところ、完成品には正しい「NOWITZKI」のネームが! 店側で修正してくれたようでした。

席は前日と同様3F席。電光掲示板の真正面でとても見やすい場所でした。

本戦前の練習で、一人で黙々とシュート練習するノビツキーを発見。やはり彼の高いシュート成功率は、この地道な練習の賜物なんだなーと感心していると、徐々に他の選手もウォームアップを開始。3F席からだと選手は小さくしか見えなかったのですが、同じ体育館にBS放送でしか会えない選手たちと、しかもオールスター、レジェンドとこんな近くにいるだけでも感動していました。しかしこの後、思わぬ“奇跡”が待っていました。

NBAの粋なはからいで、本戦直前にも特別にバックステージ見学を企画していただき、再び裏側へ。本番直前のバックステージは午前中とは打って変わって多くの人が慌ただしく動き回っていました。ガイドの方いわく、運が良ければ選手が練習から戻ってくる際に出会えるかもとのことです!

記者会見室通路で突っ立っていると、背後からただならぬ強烈なオーラが。振り向く間もなく自分の10センチ目の前をコービー・ブライアントが足早に通過していくではないですか! オーラの正体はコービーでした。ハイタッチを求める暇もなく、記者会見場に向かっていきました。

その後も運よくコートサイドで練習風景を撮影していると、なんと往年のレジェンド、ホーレス・グラントとロン・ハーパーと記念撮影に成功!! 帰り際にはドワイト・ハワード、ブレイク・グリフィン、ポール・ミルサップとハイタッチ!!! まったく想定していなかった事態に、手が震え顏が引きつりっぱなし……。本戦を見る前からボルテージは最高潮に達しました。

と同時に、なんだか子供みたいな気分になっていました。日本のプロ野球とか身近なプロスポーツではなく、なかなか本物とは出会えない前提でハマってしまったNBA。しかもレジェンドから現役スターまで、まさか本物と触れ合うことができるとはまったく想定していませんでした。本当に生きてて良かった!と思う数分間でした。

さて、いよいよオールスター本戦ティップオフ! 序盤はWESTのブレイク・グリフィンのダンクの嵐!! NBAを久々に見た友人は「あいつは誰だ」「あいつは凄すぎる」を連呼。途中、同じWESTのデュラントがやはりMVPを狙っていたのだろうか、次から次へとダンク、3ポイントをリングへ放り込む。EASTもカーメロが3ポイントを沈めてくるものの、序盤はWEST優勢で進みました。

後半はEASTのアービングが躍動。終盤の大事な場面でも決めましたが、追撃を促したのはアービングの「攻め気」でした。穿った見方かもしれませんが、NBA随一のPG、クリス・ポールへの対抗心は誰よりも持っているはずです。病み上がりでありながら中盤目立ったクリス・ポールを尻目に、ボールをプッシュし、自らもアタックしていました。

序盤不調だったEASTの面々も、アービングのプレイに奮い立ち、半ば「お祭りだから」といったムードを追いやって、逆転を狙いに行けたのだと思います。カーメロの終盤の3ポイントもビッグプレイでしたが、やはり最高殊勲はアービング。本当の最後の最後に、レブロンが意地の「ダメ押しのダメ押し」レイアップを決め、「やっぱ最後はここで決めておかないとね」と、レブロン少しホッとしたのではないでしょうか。

3泊5日の強行日程を組んだ今回のツアー。NBAオールスターを間近で見る、ノビツキーを現役のうちに生で見る、2つの夢が実現した今回のツアーは、寝る間も正直不要でした。行きと帰りで充分すぎる程寝る時間は取れるし、それよりもオールスタームードで満ちたニューオーリンズに、いつまでも留まっていたい気持ちでした。大げさに聞こえるかもしれませんが、帰国してから思い出すと本当に夢のような3日間でした。これからもNBAを観て、いつかは家族を連れてまた、観に行きたいと思っています。

最後に、このような機会を与えてくれたNBAのスタッフの方々には特別なご配慮をいただき大変有意義な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

文&写真:川辺勝也
協力:NBA.comモバイル

著者