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ウォリアーズで愛されたマリース・スペイツ

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リオデジャネイロ・オリンピックにアメリカ代表として出場したハリソン・バーンズは、ラスベガスでの調整中、マリース・スペイツの名前を聞くと、笑顔を見せた。

バーンズとスペイツは、2シーズン前に優勝したゴールデンステイト・ウォリアーズにとって重要な選手で、昨季チームが達成したNBA年間最多勝利記録更新に貢献した。そして今オフ、両選手はウォリアーズを離れ、バーンズはダラス・マーベリックスに、スペイツはロサンゼルス・クリッパーズに移籍した。

「モーのことは大好きさ」と話すバーンズは、「彼とはゴールデンステイト時代にロッカーが隣同士だった。最高の選手だよ。試合中チームにエネルギーを与えてくれる彼が大好きなんだ」と、続けた。

スペイツは衝突を恐れない気持ちの強さを持った選手で、バーンズ曰く、ベンチからチームに活力を与える以上の存在だった。

「彼は巧みにオフェンシブリバウンドを奪う選手で、今では素晴らしい3ポイントシューターでもある」。

センターというポジションを考えればリバウンドは当然として、3Pに関しては、本人の努力の賜物だ。

2014-15シーズン、スペイツは、ミッドレンジから3Pラインの間で281本のシュートを放ち、42.7%の成功率をマーク。しかし、3Pは、わずか18本しか打たなかった。

当時スペイツに、「もっと3Pを打った方が良い」と話したというバーンズは、そのときの会話を、こう振り返っている。

「以前の彼は、(ゴールから)5.5mくらい離れた位置からシュートしていたから、『モー、あとワンステップ下がれば良いんだよ』と伝えた」。

モーは、その助言を聞き入れた。

頼りになるミドルレンジシューターだったスペイツは、昨季、13-14シーズンの2倍にあたる62本(キャリアハイ)の3Pを放ち、38.7%の成功率をマーク。ポストシーズンでは43本中18本を成功させ、さらに成功率を上げた。

バーンズは、安定感のあるスペイツのロングシュートが、クリッパーズの力になると見ている。

「彼が対戦相手のディフェンスを広げてくれる。彼のようにペリメーター内でディフェンスすることに慣れていて、シュートを決められる5番(C)は少ない。クリッパーズは、彼のプレイに助けられるはずだよ」。

バーンズと同じく、クレイ・トンプソンもまた、スペイツの力を認める1人だ。「試合でも練習でも、嫌な顔を1度も見せたことがない最高のチームメイト」とスペイツを称えるトンプソンは、今回の代表で一緒だったバーンズの意見に賛同している。

「モーは、純粋にバスケットボールが大好きな選手。彼とのピック・アンド・ロールができないのは寂しいね。アシストを記録したいのなら、彼にボールを預ければよかった。それだけ素晴らしいジャンプシュートの技術を持っているから。208cmで、彼のようなシュートタッチを持っていて、3Pを40%近くの成功率で決められる選手は、そうはいない」。

ウォリアーズは、今夏ケビン・デュラントを獲得するため、貴重な戦力を数名放出した。今後も能力の高い選手が他チームと高額な契約を結ぶ可能性もある中、トンプソンは、スペイツとプレイできなくなることを寂しく思うだろうと言う。

「彼は自分に正直な選手。絶対に変わらない選手だよ。それが、彼を特別な存在にしている。個人的に、彼がいなくなって寂しい。一緒にプレイできなくなることもね。それだけ素晴らしい選手。クリッパーズは、良い選手を獲得したよ」。

原文:Warriors Players Know Speights Will Be Missed by Rowan Kavner/Clippers.com


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ