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6年連続ファイナル進出のレブロン・ジェームズに去来する“心境の変化”

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スポットライトに照らされた半生を歩んできたオハイオ州アクロン出身のレブロン・ジェームズは、普段メディアの前で感情をあまり表に出さない。

だが、トロント・ラプターズとのイースタン・カンファレンス・ファイナルを制し、クリーブランド・キャバリアーズに復帰してから2年連続となるNBAファイナル進出を決めた5月27日(日本時間28日)の試合後、珍しく感傷的な一面を見せた。

試合後、ESPNのリポーター、ドリス・バークから、「キャリアで達成したことの中で、何よりも誇らしく思うことは?」と、聞かれたジェームズは、「どうだろう、わからないな……よく聞かれるんだけれど、難問だよ」と、答えた。

「ただ、ファンの前で毎試合精一杯プレイしている。今日のような試合の一部になれるなんて、非常に感動的だね。僕にとって6年連続(のファイナル進出)で、それはとても意味のあることだから」。

自身7度目のファイナル進出を果たしたジェームズは、Sports Illustrated誌の表紙に起用され、“The Chosen One(選ばれし者)”という見出しをつけられたセント・ビンセント・セント・メアリー高校時代から、大きな期待を一身に背負ってきた。

このフレーズが常にジェームズの影となり、優勝しても当然と言われ、負ければ容赦なく批判を浴びることになった。

ジェームズ本人も、“勝って当然”という考え方を持つようになった。そして、その意識が自分に影響を与えたと、本人もラプターズ戦後に認めている。

「去年は、ファイナル進出という結果を十分に喜べなかった気がするんだ」。

自身にとって6年連続、キャブズにとって2年連続となるNBA ファイナル開幕を控え、ジェームズは、きっと昨年とは感じ方が変わると見ている。

実際にそうなるかどうかは、シリーズが始まるまでわからない。だが、リーグで10年以上を過ごし、31歳になったジェームズは、ようやく一つ一つの瞬間をじっくり噛みしめられるようになったのではないだろうか。

第6戦後、ジェームズはチームメイトに向かってこう語った。

「ここまでの道のりを振り返って、お祝いするのは構わない。(ファイナル進出は)約束されたことではないのだから」、と。

原文:LeBron James promises to enjoy NBA Finals this time by Steven J. Gaither/Sporting News


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ