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精神的にも肉体的にも削られているレブロン・ジェームズ

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純粋に数字だけ見てみると、NBAファイナル2017でレブロン・ジェームズは平均32得点、12.3リバウンド、10.3アシストという凄まじい活躍を見せている。しかし、それでも昨日の第3戦を落とし、クリーブランド・キャバリアーズは0勝3敗という窮地に立たされている。『ザ・ヴァーティカル』のシャムズ・シャラニア記者は、彼とチームがともに疲弊しきっているように見えると記している。

レブロン・ジェームズは少し足を引きずりつつ、軽い談笑を交わしながらクイックン・ローンズ・アリーナをあとにした。2016年にはクリーブランド・キャバリアーズの救世主として地元に優勝トロフィーをもたらし、今年のNBAファイナルでも再び輝かしい記録を残す気配があった。しかし、7年連続で出場しているファイナルは、今回がもっとも士気をくじいてしまうものになりかけている。

このファイナル・トリロジー(三部作)でジェームズ率いるキャバリアーズは、ゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に0勝3敗まで追い込まれた。ジェームズは39得点、11リバウンド、9アシストを記録し、カイリー・アービングも素晴らしい活躍を見せたにもかかわらず、キャバリアーズは第3戦を落としたのだ。ウォリアーズはジェームズに何度も敗北をもたらし、すでに自身の限界点に差し掛かり始めている。試合後にジェームズはこう語った。

「精神的にも肉体的にも、今は空っぽだ」。

ウォリアーズはものすごいスピードで力をつけ、ケビン・デュラントの加入がキャバリアーズとのマッチアップ要素を大きく変えた。どんなときでもゴールデンステイトのオフェンスを作り出し、彼こそがレブロンへの答えなのだ。最も重要な局面では、彼が常にコート上のベストプレイヤーであり、ここまでの活躍からファイナルMVPは彼が最有力候補だろう。

第3戦でもウォリアーズが111-113と相手を追う状況の中、デュラントがキャバリアーズベンチの目の前でスリーを決め、リードを奪った。ゴールデンステイトは第3戦を連続11得点で締めくくり、キャバリアーズには冷たい現実だけが残った。NBAプレイオフ史上、0勝3敗から勝ち上がったチームはなく、彼らも今その状況に陥ったのだ。

今のところ、ジェームズは西に移籍して決勝でウォリアーズを避けるという手段を選ぶ理由もないだろう。プレイオフ中、アービングはキャバリアーズについて「続く限りは」という表現を使ってきた。徐々にだが、彼もジェームズも今のウォリアーズを脅かすものはないことを理解し始めている。ジェームズが対戦してきたサンアントニオ・スパーズや、2011年の悔しかったダラス・マーベリックスとのシリーズという試練もあったが、このウォリアーズは王朝を築くレベルに達している。彼らの攻撃力は比類のないもので、ジェームズももともとそれは理解していた。

アービングの「ザ・ショット」を目撃してから1年、デュラントのスリーでウォリアーズは3勝0敗のリードを奪い、右コーナーから放たれようとしていたジェームズの同点スリーをアンドレ・イグダーラがブロックし、勝利を確実なものとした。ゴールデンステイト版の「ザ・ショット」と「ザ・ブロック」だ。

これがウォリアーズとキャバリアーズ、そして残りのリーグとの差を生み出している。彼らの活躍は残りのメンバーを見渡しても止まらないのだ。クレイ・トンプソンは6本スリーを決めて30得点し、(ステフィン)カリーは26得点、13リバウンド、6アシストを記録した。ドレイモンド・グリーンはファウルトラブルでありながらも、スタッツシートを埋めた。コア5最後のメンバーであるイグダーラもいつもの数字を残した。7得点、5リバウンド、5アシスト、4スティール、そして最後の重要なブロックだ。

「4勝するまで終わりではないが、我々が今どんな状態に立たされているのかは理解している」とキャバリアーズのカイル・コーバーは話した。

0勝3敗とされたなか、ジェームズは第4戦にそなえて調整するために会場を去り帰宅した。優勝トロフィーの追跡はまだ続くが、あとどれくらい続くのだろうか?このキャバリアーズ、そして残りのリーグは、このウォリアーズをいつまで見上げていなければならないのだろうか?

原文:LeBron James feeling drained 'mentally and physically' by Finals by NBA.com

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ