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[インタビュー] ラマーカス・オルドリッジ 「僕とリラードはリーグ屈指のワンツーパンチ」

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自分がリーグ最高のパワーフォワードだと感じている


――昨季はトップ10に入らなかったものの、今季はピック&ロール・ディフェンスでリーグ4位につけている。守備での成長は、自身の役割に変化があったから?

「すべての面が影響していると思う。今季のチームは、ガード陣が相手のスクリーンに阻まれるのではなく、相手のピック&ロールについていけている。それに、コーチングスタッフが試合ごとに守備に変化を持たせている。どうすれば自陣をより良く守れるかを考えて取り組んでいるんだ。守備に関して言うと、ガードのメンタリティが重要。僕は、その部分でガード陣に成長するよう求めたし、コーチングスタッフにも変化を求めた」

――今季は得点、フリースロー、フリースロー成功率でキャリア最高の成績を残している。好調の要因は? 特にシュートに関する面で成長できたのはなぜ?

「キャリアを積み重ねて、より快適にプレーできるようになったからだね。オフェンスは今が全盛期だと思うし、ここ3年で成長したと思う。シーズンごとに快適にプレーできるようになっているよ。3ポイントシュートについては、昨年の夏にこれまでよりたくさん練習したんだ。シーズンオフの間に3Pを安定させようと努力した結果だ。今のチームのオフェンスシステムなら、僕が3Pを打つ機会も増える。だからオフェンスで成長した要因は、夏の間のハードワークと、良い精神状態でやれているということかな。それに、今がキャリアのピークで、自信を持ってプレーできていることも大きい」

――学生時代、シャキール・オニールから、「大学で1年プレーしたほうが良い」とアドバイスされたと聞いた。彼からの助言は役に立った? キャリアにおいてシャックの影響力は大きい?

「大学に進学したのは、彼のアドバイスがあったから。最初は高校を卒業したらすぐにNBAに挑戦しようと思っていた。そのときに彼から、『大学に1年だけでも通ったほうが良い。経験を楽しんで、選手としての成長に充てるべき」と助言された。『一生忘れない良い経験になる』と言われて、大学進学を決断した。彼には感謝しているよ。僕のキャリアに大きな影響を与えてくれた人物だね」

――ケビン・デュラントが入学する1年前にテキサス大を去って後悔している? もしあなた方が同じチームにいたら、相手にとってはアンストッパブルなチームだったと思うが。

「後悔はないよ。僕が思うに、可能性が最も高いときに大学を離れるべきだ。良いシーズンを送れて、僕はドラフト1位か2位で指名される可能性があった。だから僕にとってはベストなタイミングだった。それに、2人が揃ったとしても、どうなるかなんて誰にもわからない。僕は僕のタイミングで、彼は彼のタイミングで、ということ。結果的に、それが僕らにとって良い方向にはたらいた」

――今季終了後に無制限フリーエージェントとなるが、ブレイザーズをメインチョイスと考えている?

「シーズン前にも話した通り、僕はそう考えている。まずは今季を良い形で終えて、シーズンオフにいろいろと対応することになるだろう」

――ドラフトではブレイザーズではなく、(シカゴ)ブルズから指名された。もしトレードされていなかったら今とは異なるキャリアになっていたかも、と考えたことはある?

「まだ出場機会をもらえていなかったときは、たしかにブルズにいたらどういうキャリアになっていたかを考えた。でも、ブレイザーズでプレーするようになってもう長いし、球団記録に名前が載るようにもなったから、今は考えることはないよ。このチームにいられて感謝している。このチームで選手として成長したし、良い選手になれた。だから、今は仮定の話は考えていない。最初の頃は考えていたけれどね」

――今季ブレイザーズは優勝争いができると思う?

「可能性はあると思う。チームは浮き沈みや、連勝、連敗を経験したけれど、それはNBAのシーズンではつきもの。僕自身、デイム(ダミアン・リラード)、それに昨季からチームに所属している全選手がレベルアップした。今季も優勝の可能性はある。それだけのチームだからね。ただ、もっと良いプレーをして、チームの実力を最大限に発揮しないといけない」

――地元チームであるダラス・マーベリックスと対戦する際、どういう気持ちになる?

「ダラス出身の僕にとって、彼らとの対戦は難しいね。家族もいるし、知り合い全員が試合を見ているから。ただ、子供の頃から見て育ったチームとの対戦は楽しいよ」

――ウェス(ウェスリー・マシューズ)の離脱は特に守備面で大きいと思う。彼が抜けてから、特に対応を心掛けていることは?

「ウェスの離脱は本当に痛い。特に彼は、ほかの選手にはできないことを守備でしてくれていたから。彼が抜けてからは、チーム一丸となったディフェンスで対応しているよ」

――リーグのパワーフォワードのヒエラルキー(序列)を考えたとき、あなたは最高のパワーフォワードだと思う?

「僕は競争心の強い選手だし、シーズンオフにはハードワークを自らに課して、より成長しようと思って取り組んでいる。だから、自分がリーグ最高のパワーフォワードだと感じているよ。皆、そう思うべきだ。チームも成功を収められていると思うし、僕自身も毎年レベルアップしているね」

――今季もウェスタン・カンファレンスは激戦となっているが、ブレイザーズは何位でプレーオフに進出できると思っている? ファイナル進出も可能だと思う?

「チャンスはあると思う。ただ、もっと良い守備をしないといけないし、オフェンスのレベルアップも欠かせない。僕らに完全に打ち負かせるチームはいないと思うけれど、より先のラウンドに進むためには、ディフェンスのレベルアップは必要だ」

――今季はチームのリーダーになった。ここ数年でリーダーに必要な資質を学んだ?

「一つひとつの過程が大事。快適な環境に甘んじるのではなく、普段ならやらないことを実行しないといけない。チーム全体がリーダーを見ている。全員がリーダーについてくる。自分の全行動が影響を与えるし、すべての行動に何らかの反応が返ってくる。それに声に出して説明しないといけない。実際にプレーで示すこともあるけれど、以前より言葉にして伝えるようになった。僕の性格、そしてムードがチームに大きな影響を与えることを学んだよ」

――今はウェストの中位にいて、プレーオフ1回戦でロサンゼルス・クリッパーズと対戦する可能性がある。プレーオフで対戦して、勝てると思うチームは?

「全チームがハイレベルにあるからこそ、ウェストはタフなんだ。どのチームにもウェストを勝ち上がるチャンスはあると思う。どこか1チームを挙げるのは難しい。どのチームが楽で、どのチームが難しいというのはない。メンフィス(グリズリーズ)はフロントコートに大きな選手が揃っているし、(マイク)コンリー、それにジェフ・グリーンもいる。クリッパーズにはJ.J.(レディック)、ジャマール・クロフォード、クリス・ポールがいる。どのチームにも脅威になる選手がいるから、どこと対戦するかよりも、自分たちがどれだけ良いプレーができるかが肝心だ」

 

ブラジルのリオ五輪には出場したい

――NBAはよりグローバルになった。米国外出身の選手が増えたことは、リーグに影響を与えたと思う?

「アメリカ以外の国の選手がプレーするようになって、NBAにポジティブな影響がもたらされたと思う。僕自身を含めて、多くの選手がダーク(ノビツキー)のように片足でシュートするようになった。外国人選手が加わってからリーグのレベルも上がった。それに3Pが得意な選手が多いから、今では3Pの重要度も増した。良い影響を与えてくれていると思うよ」

――誰かお手本にした選手はいる?

「NBAに入るまでに3人の選手を手本にした。ティム・ダンカンからは姿勢、ケビン・ガーネットからはジャンプシュートと戦う気持ちを学んだ。それにラシード・ウォーレスからは高い位置でのリリース。だから僕はフェイダウェイが打てるんだ」

――ブレイザーズの選手以外で仲が良い選手は?

「ジャマール・クロフォード(クリッパーズ)とは近しい関係だよ。彼がうちでプレーしていたとき、仲が良かったんだ。彼は今ロサンゼルスにいるけれど、頻繁に話をする間柄さ」

――数カ月前から親指の負傷と戦っている。特にオフェンスでの対応で最も難しかったことは? 怪我をしてから中距離からのシュートの成功率が5%上がったのは知っていた?

「怪我をしてからシュートの成功率がだいぶ良くなったとは聞かされていたよ。怪我をしてから左手にテープを巻いているから、以前よりシュートフォームに気を配るようになった。最も対応が必要だったのは、ディフェンスとリバウンド。今は固定具を着けてプレーしているから、片手でリバウンドを取るのは難しいね」

――これまでブレイザーズでブランドン・ロイ、グレッグ・オデン、リラードら数々の優秀な選手とプレーしてきた。これまで一緒にプレーした中で最高のプレーヤー、もしくは最も連携が上手くいったと思う選手を挙げるとしたら誰?

「難しい質問だね。最も連携が良かったのは、誰よりも長くプレーしたブランドン。それにジャマール・クロフォードとアンドレ・ミラーがトップ3かな。ブランドンとは長く一緒にプレーしたおかげで、お互いのことをよく知れた。ジャマールは素晴らしいオフェンス能力の持ち主だから、僕がイージーな形で得点を取れた。アンドレは類稀なパサーで、リムに向かってのロブや、素晴らしいパスで楽にプレーできた」

――過去にはアメリカ代表として国際大会に出場する可能性があった。今後、代表でプレーできると思う?

「もちろん。ブラジルのリオ五輪には出場したい。残念ながら代表でプレーする機会を逃したこともあった。でも、代表に対して恨みや嫌悪感はないよ。いつだってアメリカ代表としてオリンピックに出場したいと強く願っていたけれど、タイミングが良くなかった。だからこそ、次の五輪には出場したい」

――リラードとの連携はとても効果的だ。君たちはリーグで最高のコンビだと思う?

「僕ら2人は、リーグ屈指のワンツーパンチだと思う。対戦相手が僕と彼を止めにかかってくる以上は、僕らはリーグでもトップクラスのコンビだろうね。特に今季の僕らは極めて強力なワンツーパンチだと思うよ」

翻訳:菅野貴之(Bond) Twitter: @10bond

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