ロサンゼルス・レイカーズのバスケットボール運営部門代表のマジック・ジョンソンには、プランがある。そのプランは、彼の左隣に座った19歳の青年を軸とするものだった。
6月23日(日本時間24日)、レイカーズは前日に行なわれたNBAドラフト2017全体2位で指名したロンゾ・ボール(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の入団会見を開いた。
ジョンソンがボールに寄せている期待値の高さは、自身が“ショータイム(1980年代にジョンソン、カリーム・アブドゥル・ジャバーらを中心としたレイカーズのチームスタイルの愛称)”時代に達成したチーム記録を更新しないよう頼んだことからも伝わった。
またジョンソンは、ボールの背番号を将来レイカーズの永久欠番にしたいとまでコメント。高校時代からスポットライトを浴びていたボールの実力に確信を持ち、周囲の期待に応えられると太鼓判を押している。
会見でジョンソンは「彼なら、レイカーとしてのプレッシャー、それにロサンゼルスとハリウッドの重圧にも対応できる」と語った。
大学レベルで唯一プレイした昨季、ボールはNCAAディビジョン1での平均アシストで最多を記録し、近年のドラフトで最高レベルのパサーという評価を得た。
ジョンソンは「彼のプレイに注目してもらいたい」と言う。
「彼からの浮き球にラリー・ナンスJr.が呼応する姿を想像しただけで、思わず『Wow!』と声が出てしまう。彼が左手で出すパスをインサイドでジュリアス・ランドルが受ける姿を想像するだけで、口笛を吹いてしまう。そして、ビッグ・ズー(イビチャ・ズバッツの愛称)が彼の後を追ってゴールに迫る姿を想像するだけで興奮させられる!」。
GMのロブ・ペリンカは、ボールのプレイがチームに好影響を与えると話し、チームメイトもパスを率先して出すようになると考えている。そしてジョンソンは、1980年代の自身と同様、ボールが得点に繋がるパスを出す技術を持っていると話す。
ジョンソンは「当時ジェームズ・ウォージー、バイロン(スコット)、クープ(マイケル・クーパー)が速攻からレーンに入っていったような感じになるだろう」と語った。
「彼らは皆、私がボールを出すのをわかっていた」。
自分自身とボールを重ねて見ているジョンソンだが、針の穴に糸を通すようなパサーとしての技術の高さだけではなく、ボールは自分と同様にリーダーとしての資質も備えていると考えている。ジョンソンは、ドラフトで指名するにあたり、ボールの母校であるチノヒルズ高校の校長や教師にまで話を聞きに行った。
ペリンカは「彼のようなリーダーシップこそ、我々が掲げる究極の目標、つまりNBA優勝にレイカーズを導いてくれる」と語った。
またジョンソンは、新人時代からドクター・ジェリー・バス、ジェリー・ウェスト、ビル・シャーマン、チック・ハーンが自分にしてくれたように、ボールの精神的な支えになろうともしている。
ボールは、ジョンソンの現役時代を知らない世代かもしれない。だがそれでも、ジョンソンから期待されている選手像については理解していると話す。
「僕は1997年生まれだから、マジックのプレイを見る機会はなかった。でも、父がマジックのプレイを集めたテープを持っているんだ。それにThe Hardwood Classics(過去の偉大な選手を取り上げるNBA TVの番組)が始まると、父は僕を部屋に呼んで、一緒に見ていたからね」。
ジョンソン、そして父親のラバー・ボールがメディアの前でロンゾに対する期待の高さを声高に話しているものの、本人はコート上でのパフォーマンスで実力を証明する方法を好んでいる。
ボールは「地元でプレイできて幸せ」と語った。
そして「仕事に取りかかる準備はできている」とも。
原文:Lakers Expect Ball to Elevate New Teammates by Joey Ramirez/Lakers.com